• マリメッコに囲まれた9時間の空旅 フィンエア-のビジネスクラスを編集部員が初体験

マリメッコに囲まれた9時間の空旅 フィンエア-のビジネスクラスを編集部員が初体験

ムーミンの作者やサンタクロースの出身地として知られる北欧・フィンランドの航空会社「フィンエアー」が2019年末、日本の北の大地・北海道と定期直行便でつながりました。北欧にあこがれる&編集部員・大賀有紀子が、札幌(新千歳)発ヘルシンキ行きの初便、それも私にとって初のビジネスクラスに搭乗し、ぜいたくな空の旅を体験してきました。それはマリメッコやイッタラなどの北欧ブランドに囲まれ、とっておきのサプライズまで用意された、夢のような時間でした。

(文・大賀有紀子)

17年ぶりの新千歳発着の欧州定期便

2019年12月16日午前、新千歳空港の国際線搭乗ゲートへ到着すると、間もなく記念セレモニーが始まりました。フィンエアーのグローバルセールス担当副社長のミッコ・トゥルティアイネン氏は「日本はフィンランドの次に重要なマーケット。ヘルシンキをハブに北海道から欧州100都市以上にアクセス可能になります。北海道の観光地としての魅力は、世界中の旅行者を魅了し続けています」とあいさつしました。

北海道にとっても念願の新規就航だったようです。新千歳発着のヨーロッパ定期便は、2002年にKLMオランダ航空がアムステルダム線を休止して以来、なんと17年ぶりになるのだそうです。

関係者によるヘルシンキ線就航記念のテープカット=2019年12月16日、北海道千歳市の新千歳空港 、朝日新聞社撮影

北海道への訪日客増加が背景に

フィンエアーは、日本国内では既に成田、中部、関西、福岡の各空港に定期直行便を就航していて、欧州系エアラインとしては最多です。さらに、北海道にも就航する狙いは何でしょうか?

フィンエアーによると、最近、北海道を訪れるヨーロッパの人たちが増えていることが理由の一つだということです。中でも人気なのがニセコ町。世界中のスキーヤーが、パウダースノーを求めて訪れています。それ以外にも、名物グルメや温泉など、豊富な観光資源に注目が集まっています。

欧州まで約9時間は「最短最速」

北欧は日本から遠いイメージがあるかもしれませんが、実は新千歳からヘルシンキへは、たった約9時間のフライト。東京―パリは13時間弱、東京―フランクフルトは12時間弱かかることから、フィンエアーは日本から欧州圏への「最短最速」路線とうたっています。2020年3月には、羽田空港にもヘルシンキへの直行便が就航する予定です。

自分の部屋でくつろいでいるような空間

さて、いよいよ出発です。多くの関係者に見送られながら、機内に乗り込みました。今回私が座った窓際のビジネスクラスのシートは、隣には座席がないので、他人を気にすることもありません。

左右の窓際席は一列しかないプライベートな空間。仕切りの後ろはエコノミー

シートに座ってみると、まず、足元が広い! どんなに足を伸ばしてもどこにもぶつからない、この感覚。なんと気持ちいいのでしょうか。

前方の空間に、シートが入っていってフルフラットになるため、足元は広々している

荷物を置くスペースもたっぷりあります。エコノミーだと手元に置きたい荷物は座席下に入れるしかなく、荷物の多い私は、いつも肩身の狭い思いをしていました。フライト中、本や乾燥対策グッズなどを、いつでもストレスなく取り出すことができ、のんびり過ごせました。まるで自分の部屋にいるようなプライベートな空間でした。

あこがれのマリメッコに囲まれて

気になっていたビジネスクラス限定のアメニティーグッズを早速チェックします。アイマスクや耳栓、歯ブラシ、フェイスクリーム、リップクリームが詰まったポーチは、フィンランドの人気アパレルブランド「マリメッコ」のもの。これをもらうのが楽しみだったのです。

ビジネスクラス搭乗者に配られる、マリメッコのアメニティーグッズ。左から時計回りにアイマスク、歯ブラシと歯磨き粉、耳栓、リップクリームとフェイスクリーム。下はふかふかのスリッパ

柄は8種類あるそうで、各シートにランダムに置かれています(帰りの便では、緑色の違う柄をもらいました)。フェイスクリームとリップクリームは、スウェーデンのオーガニックブランド「L:A BRUKET(ラ・ブルケット)」のものでした。

こちらもマリメッコのクッションとブランケット

クッションとブランケットもマリメッコでした。ブランケットは、とてもふかふかしていて羽毛布団のようです。機内は意外と冷えるため、これまでは配られたブランケットでは足りないこともしばしばありました。でも、このブランケットなら、その心配はありませんでした。可能なら持ち帰って自宅でも使いたいくらいでした。

空の上のレストラン

次は、お待ちかねの食事です。最初にドリンクとおつまみをいただきます。シャンパンといきたいところでしたが、お酒に弱く機内で酩酊したら目も当てられない私は、ノンアルコールのブルーベリージュースカクテルを作ってもらいました。もちろんシャンパンやワイン、フィンランドのビールもありました。

フィンエアーオリジナルのブルーベリージュースをトニックウォーターで割ったノンアルカクテルと、サーモンとクリームチーズのおつまみ。グラスはどちらもiittala(イッタラ)のもの

ちなみにこのすてきなグラスは、フィンランドのガラスメーカー「iittala(イッタラ)」のもの。同じグラスが機内販売で購入可能です。しかもフィンエアーは、往復で予約していれば、行きの機内で購入した商品を帰りの機内で受け取れるサービスが用意されています。帰りの便で受け取れるなら……と、ついつい買いすぎてしまいそうですね。

上がメインに選んだビーフシチュー。左下は前菜、右下はデザートのアイス

前菜は2種類、メインは4種類、デザートは3種類から選べました。テーブルセッティングまでしていただいて、本当の空の上のレストランのようです。ナプキンもマリメッコでそろえられていました。私は、メインにビーフシチューを選びました。パンは、フィンランドから持ってきたライ麦パン2種類と、北海道のパン2種類から選べました。

客室乗務員さんの制服も上品。写真はエプロンをしていて分かりづらいですが、白と黒(ネイビー?)のバイカラーワンピースに、同色のスカーフがポイントになっています。

笑顔で撮影に応じてくれたフィンエアーの客室乗務員さん

フルフラットシートで初めて熟睡

トワイライトタイムになりました。機内の照明も暗くなり、寝る時間です。ビジネスクラスといえば、そう、フルフラットのシートです。シートを倒し、ついにお目見え。もうベッドです。

フルフラットになったシート。もうベッドのようです

私は眠りが浅めなので、エコノミークラスのシートで満足に眠れた試しがありませんでした。さて今回は眠れるのでしょうか。少し心配していたのですが、なんとぐっすり。すぐに朝食の時間が来てしまったのですが、それでも3時間ほどは眠れました。機内で熟睡できたのは、初めてかもしれません。

前の席から笑い声が

朝食を終え、そろそろ着陸に向けて荷物を整理しようかという頃、機長から機内アナウンスがありました。

「今日はスペシャルゲストが来ています。これからみなさんの座席を回ってクリスマスのチョコレートを配ります」

さて、誰なのでしょう? ワクワクしていると、前方の席から笑い声がわき起こってきました。

【動画】フィンエアーの客室乗務員らによる、サンタクロース登場のサプライズ!

サ、サンタさんの登場です。このサンタクロースは、男性の客室乗務員さんで、彼自身が発案し、衣装も自前で用意したのだとか。確かに、衣装に手作り感がありました。乗客一人ひとりにフィンランドのチョコレートを配って歩いていました。なんとも心温まるサービスでした。

サンタクロースと共に(両サンタに挟まれているのが筆者)

盛りだくさんなサービスを受けているうちに、あっという間にヘルシンキに到着です。うーん、もっと乗っていたい! いつもなら早く降り立ちたいと思うのに、今回はなんだか降りるのが惜しい気持ちに。それも、フィンエアーからいただいた、様々な心遣いのおかげです。

ホテルにチェックイン後、ヘルシンキの街へ繰り出した。冬は日が短く、午後4時ごろでも真っ暗。

今まで旅先までの「移動」には、あまり快適さを求めてこなかったけれど、旅のはじめが快適だと、目的地に到着してからの心も足取りも軽くなりました。次にヨーロッパを旅する時は、またフィンエアーを利用してみたいと思いました。

(取材協力 フィンエアー

PROFILE

大賀有紀子

&TRAVEL編集部員。学生時代に朝日新聞記者の講義を受けたことがきっかけで文章を書く楽しさを知り、2014年に自分も記者職で入社。横浜→盛岡→東京社会部立川支局を経て2019年10月より現職。高校野球大好き。趣味は料理、ミュージカル鑑賞、散歩。いままで海外旅行には2年に1回出かける程度だった初心者。手に持っているのは朝日新聞デジタルのキャラクター「デジモ」です。

フィンエアー 札幌―ヘルシンキ線

2019年冬期運航スケジュール
(日本時間2019年12月16日~2020年3月27日)
札幌(新千歳)出発の便は、月曜日と金曜日の午前11時35分発、ヘルシンキへは午後2時10分(現地時間)に到着する。ヘルシンキ出発の便は木曜日と日曜日の午後5時5分発(現地時間)、札幌(新千歳)には翌午前9時5分に到着する。札幌線は通年運航で、2020年夏季運航スケジュールでは運航曜日や時間が異なる。
フィンエアー https://www.finnair.com/jp-ja