クリトモのさかな道

旬のニシンをパスタに、マリネに

  

子供の頃、数の子を食べるとき、よく父が「かっちゃん数の子にしんの子……」という歌を歌っていました。昔から数の子ってそんなに得意ではないんですよね。コリコリしていて、塩味で、なんというか、うーん。あんまり好みの味ではないんですが、母体であるニシン! これは大好物! いえ、大好物になったんです! 今回はニシンのお話。

今まで食べたことのあるニシンは、高校の時に研究旅行で行った名古屋でなぜか食べたニシンそば、それと身欠きニシン(ニシンの干物)くらいでしょうか。北海道には、戦後、ニシン漁が最盛期だった頃に財をなした漁師さんたちが立てた大邸宅、「ニシン御殿」と呼ばれるものがあるとか。そんなにおいしかったっけ? なんと言うか、ニシンって「地味」な印象ですよね。(私だけかな?)

  

骨もバサバサで食べるのが面倒だったのですが、先日朝ご飯のまかないに、白子を蓄えた雄のニシンの塩焼きが出てきたんです。そのニシンのおいしいこと! あれ?ニシンってこんなに風味があったっけ? こんなに身がフワフワだったっけ? 白子ってこんなに甘くておいしいの? それからというもの、ニシンに夢中。そう、ニシンは今が旬、まっただ中!

今回は皆さんにもニシンを食べていただきたく、私が作ったものをご紹介します。

  

■ニシンのマリネ
まずニシンを3枚におろして、身を骨切りをします。ヨーグルトの上澄み液とヨーグルト少しを水に薄く溶きます。その液に、ディル、ピンクペッパー、コリアンダーシード、赤玉ねぎ、塩少々を入れてマリネ液を作ります。そこへニシンを漬け込んで、2日目から食べられます。ニシンは細かく包丁を入れて骨切りをしないと、刺身などの生で食べるには骨が多過ぎます。これが私が苦手な原因だったんです。ディルとスパイスの風味が口に入れた瞬間ふわ~っと。サラダに添えても、コールスローサラダと一緒に食べてもおいしいです。
 

  

■ニシンのパスタ
ニンニクとたまねぎのみじん切りをオリーブオイルで炒めて、そこへケッパーのみじん切りと白ワイン、仕上げにバターを入れ、茹でたパスタと合わせます。その上に、塩こしょうをしてフライパンで焼いたニシンを乗せて、一緒に食べます。シンプルだけどふわっとしたニシンの身の食感と甘い風味を楽しんでいただけると思います。イタリアンパセリをたっぷりふって。
 

今回使ったニシンは北海道産。子持ちのニシンは、内臓を取り出すときになるべく卵の部分を傷つけないように気をつけて下さいね。卵の袋が破けると手にべったりとつくし、水で洗い流そうとしてもなかなか落ちなくてお台所が汚れちゃうんです。

でも魚って、オスのほうがおいしいんですって!メスは卵に養分取られちゃうからなのかな?

旬は春先まで。まだしばらく楽しめますね。
 

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PROFILE

栗原友

料理家
1975年生まれ、東京都出身。料理家。母は料理家の栗原はるみさん、父は元キャスターの故栗原玲児さん。弟の心平さんも料理家。37歳で築地の水産会社に飛び込み、魚料理についてつづった&wの連載コラム「クリトモのさかな道」が、『クリトモのさかな道:築地が教えてくれた魚の楽しみ方』(朝日新聞出版)として出版されている。現在、目黒の飲食店「クリトモ式混ぜ麺」「クリトモ式ツナマヨ混ぜカレー」、築地の鮮魚店「クリトモ商店」を営む傍ら、コンサルティングやメニュー開発などで活躍中。

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