リノベーション・スタイル

<18>アンティークの床とガス暖炉

 若いご夫婦は2人とも使い込まれた感じのものが好きで、物件自体もかなり吟味して探していらっしゃいました。単に立地だけじゃなく、外観なども含めて、建物全体から感じられる雰囲気にこだわっていました。

 ご主人がインテリアに詳しく、レンガやアンティーク仕上げのフローリング、タイル、暖炉など使いたい素材が明確にあったので、それらをうまく配置して居心地のよい空間を組み立てていきました。

 部屋の中心にコンクリート壁があったので、基本的なゾーニングはそれほど変えていません。玄関を入ってすぐの空間はワーキングスペースにし、将来は子ども部屋にもできるようにしています。フローリングは板の幅の違うものを組み合わせたアンティーク仕上げ。ステンレスのキャビネットは、医療用器具を作っている町工場で特注しました。

 廊下の両脇には寝室とサニタリールームがあり、LDKとはコンクリートブロックで仕切られています。真鍮(しんちゅう)フレームの室内窓をはめ込み、リビングまで視界が抜けるようにしました。床は磁気質タイルを敷き、ここまでは半屋外のような感じです。

 リビングの床もアンティーク加工。ナラのフローリングを白で染色して拭き取り、使い込まれた感じを出しています。片方の壁には、一面にレンガタイルを使用。ガス暖炉は、人口大理石を使ってモダンにまとめています。

 リビングのテーブルは、ワインボックスの上に天板をのせたもの。 “toolbox”というサイトで買えます。ワインボックスは靴箱や引き出しにできて便利です。最近人気があるので、タダでもらえることはなかなかなく、酒屋やネットで買う人が多いようです。

 ドアに貼っている部屋名プレートや、“vacant”表示グッズなど、インテリアのパーツは最近の流行り。いろいろなものが売られています。

 多くの時間を費やして、おふたりで素材を吟味して作ったお部屋は、暖かみのある居心地のよい空間になっていますね。(談)

(構成・宇佐美里圭)

PROFILE

石井健

「ブルースタジオ」執行役員
1969年、福岡県生まれ。「ブルースタジオ」執行役員。日本のリノベーション・シーンの創世期から600件以上を手がけてきた。「カンブリア宮殿」(テレビ東京系)でも「古い物件の家賃を倍にする不動産集団!」として紹介される。「郷さくら美術館」(東京・中目黒)で2012年度グッドデザイン賞受賞。また「賃貸アパート改修さくらアパートメント」(東京・経堂)で2014年度グッドデザイン賞受賞。 著書に『リノベーション物件に住もう』(共同編集/ブルースタジオ)、『MUJI 家について話そう』(部分監修)、『リノベーションでかなえる、自分らしい暮らしとインテリア LIFE in TOKYO』(監修)。
ブルースタジオへのリノベーションのご相談は、隔月開催のセミナーや、個別相談で承っています。
http://www.bluestudio.jp/

<17>58m²に、二つの音楽スタジオが

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<19>バスルームからキッチンまで続く開放感

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