リノベーション・スタイル

<19>バスルームからキッチンまで続く開放感

 Cさんにとっては2度目のリノベーション。以前、住んでいたカラフルでポップな雰囲気の部屋は賃貸に出し、新たに大人っぽい雰囲気の部屋を作ることになりました。

 一人暮らしにしては広い部屋なので、ゆったりと贅沢な間取りになっています。玄関を入ると、大きなシュークローゼットがあり、洋服やバッグなどの収納もたっぷり。アメリカドラマの『SEX and the CITY』のような雰囲気です。玄関からまっすぐ進むとリビング、ダイニング、キッチンが一続きとなった広い空間があり、右側に赤い壁の書斎、左側にベッドルームとバスルームが隣り合っています。

 バスルームには両開きのガラスの窓がついていて、窓を開けるとベッドルームとつながります。ベッドルームにもキッチンとつながる両開きのドアがあるので、すべて開ければ、バスルームからキッチンまでが一つになり、かなり開放感を味わえます。

 窓際にはセントラルヒーティングのエアコンがあるので、それを隠すために石を置いてみました。バルコニーがないので、小さな庭を室内にもってきたようですよね。

 キッチンも広々として使いやすくなっていますが、ポイントはダイニングテーブル。ガスコンロやオーブンを組み込んでいるので、友人とおしゃべりをしながらご飯を作ることができます。これができてから、飲み会のシメにはよく釜飯を炊くようになったそうです(笑)。シンク側には洗濯機や冷蔵庫などの家電をすべてまとめました。

 壁の色は、落ちついたグリーングレーで統一。所々に置いた赤い小物がアクセントになっています。初めてのリノベーションだと、結婚や出産したばかりの方が多く、みんな明るい部屋を求めがちです。でも、2度目だと、より自分の好みがわかり冒険もしやすい。今回のような落ち着いたトーンの壁も、海外のアパートメントのようですてきです。

 日本人のなかには、壁に色を使うことに抵抗がある人が多いと感じますが、海外では当たり前。気に入らなかったり、飽きてしまったら、塗り替えればいいだけのこと。リノベーションだからこそ、思い切って色を使ってみるというのもありだと思います。ちなみに、トイレの中だけ色を塗り替える人もけっこういます。みなさんも冒険しやすいところからチャレンジしてみてはいかがでしょう。

(構成・宇佐美里圭)

PROFILE

石井健

「ブルースタジオ」執行役員
1969年、福岡県生まれ。「ブルースタジオ」執行役員。日本のリノベーション・シーンの創世期から600件以上を手がけてきた。「カンブリア宮殿」(テレビ東京系)でも「古い物件の家賃を倍にする不動産集団!」として紹介される。「郷さくら美術館」(東京・中目黒)で2012年度グッドデザイン賞受賞。また「賃貸アパート改修さくらアパートメント」(東京・経堂)で2014年度グッドデザイン賞受賞。 著書に『リノベーション物件に住もう』(共同編集/ブルースタジオ)、『MUJI 家について話そう』(部分監修)、『リノベーションでかなえる、自分らしい暮らしとインテリア LIFE in TOKYO』(監修)。
ブルースタジオへのリノベーションのご相談は、隔月開催のセミナーや、個別相談で承っています。
http://www.bluestudio.jp/

<18>アンティークの床とガス暖炉

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<20>玄関になんと3千冊収容の本棚

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