リノベーション・スタイル

<53>リノベして売却。3年分の家賃タダに

[Trezeguet]
Tさん
東京都世田谷区
築33年 / 44.27㎡

「家賃を払うのがもったいないから、そろそろ家を買いたい」。そんなことを考えていた頃、Tさんは、友人が中古物件をリノベーションして自宅にワインバーを作ったことを知ります。そんな友人に感化され、Tさんも古いマンションを買ってリノベーションをすることになりました。
半年ほど物件を探していた末に、斜めになっているリビングの壁と大きな梁(はり)に魅せられて、この物件に決めたそうです。
Tさんはパートナーと2人で暮らす予定でしたが、この場所にはもともとあまり長く住むつもりはありませんでした。そこで、将来的に賃貸に出しやすい、もしくは売りやすいということを前提に、リノベーションのプランを練ることに。
基本的な間取りはベーシックにしつつ、「これはアップグレードしたい」「ここは収納を増やしたい」といった部分をアレンジしていきました。自分だけにしかフィットしないものを造るのではなく、商品性の高さをベースにしながら、カスタマイズしていったような感じです。
大きく変えたのは、キッチンと寝室です。キッチンは斜めになった壁の角の三角形を生かすために、シンクとダイニングを一体にしたテーブルをバルコニー側に出し、ダイニングキッチンにしました。どこかカフェっぽい空間です。
寝室は黒いタイルの壁で仕切りつつも、上部を開けて開放感を出しました。床を上げて少し高い位置に寝室を設置したので、下にはモノを収納できます。ロフトのような空間で、小さい空間に2階があるような感じです。
黒いタイルの壁は“タイルが好き”というTさんのチョイス。白い壁の部屋に黒いタイルの壁が映え、コントラストが印象的です。
ゾーニングはリノベーション前とほとんど変えていないのですが、雰囲気はかなり変わりました。
結局、Tさんたちは3年ほど住んでから売却しました。駅から徒歩8分という好条件もあり、すぐに買い手がついたそうです。リノベーションにかかった費用と物件購入費を合わせても、実質タダで3年間住めたような感じだったとか。
中古物件のリノベーションは、結果的に賢い選択でしたね。

(構成・宇佐美里圭)

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PROFILE

石井健

「ブルースタジオ」執行役員
1969年、福岡県生まれ。「ブルースタジオ」執行役員。日本のリノベーション・シーンの創世期から600件以上を手がけてきた。「カンブリア宮殿」(テレビ東京系)でも「古い物件の家賃を倍にする不動産集団!」として紹介される。「郷さくら美術館」(東京・中目黒)で2012年度グッドデザイン賞受賞。また「賃貸アパート改修さくらアパートメント」(東京・経堂)で2014年度グッドデザイン賞受賞。 著書に『リノベーション物件に住もう』(共同編集/ブルースタジオ)、『MUJI 家について話そう』(部分監修)、『リノベーションでかなえる、自分らしい暮らしとインテリア LIFE in TOKYO』(監修)。
ブルースタジオへのリノベーションのご相談は、隔月開催のセミナーや、個別相談で承っています。
http://www.bluestudio.jp/

<52>ベルギーのアンティークなレンガで

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<54>DJブースとキッチンを斜めにしたら

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