リノベーション・スタイル

<56>レトロに暮らしをパッチワーク

[cento]
山田さん夫妻(夫44歳、妻37歳)
東京都世田谷区
築35年 / 64.41m²
工事費850万円

ご紹介するのは、昔のアメリカの住宅っぽいような、古い学校のような雰囲気が漂う部屋。ご夫婦の「レトロな雰囲気で」という要望に沿い、おふたりのセンスを生かして全体をまとめていきました。

とても落ち着いた雰囲気ですが、ポイントはモスグリーンのカーペットや木の色の組み合わせ、そしてソファや家具の置き方にあります。ソファとテレビを対面させないというのは、インテリア上級者ですね。

リビングに隣り合わせのキッチンシンクは、コの字型の木のカウンターつき。スツールをおいて、バーのように使うことができます。シンクの壁は木だけにするとのっぺりしてしまうので、スチールのバーを加えました。こうすることによって締まった印象になります。キッチンの隣にはパントリースペースがあり、食器などをたくさん収納できます。

ソファの後ろにある白い“箱部屋”は寝室。ベッドを白い壁で囲んでいます。ウオークスルー・クローゼットと一体になっていて、クローゼットを通り抜けてぐるりと回遊できるのです。

洗面所などは既存のものを活用していますが、木や金の金具などのディテールは、部屋の雰囲気に合わせて少し変えました。

床は、キッチンとダイニングに細かいパーケット、ワークスペースにコルクタイル、トイレに塩ビタイルを使いました。おふたりの「レトロな雰囲気で」という要望に応えながら、用途やシーンに応じて床を切り替えました。“暮らしのパッチワーク”が落ち着いた雰囲気の中にうまくとけ込んでいますよね。

今回は、最初の打ち合わせで方向性がほぼ決まり、物件購入前にほとんどプランが固まっていました。その分、素材などのディテールをあれこれ吟味することができました。

色や素材の組み合わせ方、モノの置き方などあちこちに住み手のセンスがあふれています。いろいろと参考になりそうですね。

(構成・宇佐美里圭)

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PROFILE

石井健

「ブルースタジオ」執行役員
1969年、福岡県生まれ。「ブルースタジオ」執行役員。日本のリノベーション・シーンの創世期から600件以上を手がけてきた。「カンブリア宮殿」(テレビ東京系)でも「古い物件の家賃を倍にする不動産集団!」として紹介される。「郷さくら美術館」(東京・中目黒)で2012年度グッドデザイン賞受賞。また「賃貸アパート改修さくらアパートメント」(東京・経堂)で2014年度グッドデザイン賞受賞。 著書に『リノベーション物件に住もう』(共同編集/ブルースタジオ)、『MUJI 家について話そう』(部分監修)、『リノベーションでかなえる、自分らしい暮らしとインテリア LIFE in TOKYO』(監修)。
ブルースタジオへのリノベーションのご相談は、隔月開催のセミナーや、個別相談で承っています。
http://www.bluestudio.jp/

<55>箱の中に箱がある47m²のワンルーム

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<57>天板3枚重ねのオリジナルテーブルを

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