リノベーション・スタイル

<60>壁一面の本棚 2歩進んだリノベとは

[Nogi]
Aさん(40代)
東京都港区
築29年 / 49m²

Aさんは、外資系の企業にお勤めのとてもアクティブな女性。海外旅行や海外出張が多く、インターナショナルな感覚を持っている方です。
彼女が購入されたマンションは、日本では珍しく天井の高い部屋。普通、天井高は2.4メートル程度ですが、こちらは2.8メートルほどありました。
リノベーションに際して彼女から出た要望は、「壁一面の本棚が欲しい」ということでした。イメージとしては、“ブルックリンスタイル”。インテリア写真集『BROOKLYN STYLE』のカバー写真のような感じです。
そこで、壁一面の本棚をつくり、部屋をプライベートスペースとパブリックスペースに分けるプランを提案しました。
間取りは比較的シンプルです。玄関に入るとすぐ右側に水回りがあり、正面がリビング。壁一面の本棚の反対側が寝室です。
本棚の壁には1カ所、出入り口があります。引き戸になっていますが、普段は開けっ放し。厚い壁があるため、扉を閉めなくても分かれているように感じられます。
大幅に変更したのはキッチンの位置です。ベランダの横にサンルームのような空間があったので、思い切ってそこにキッチンを造りました。よくアメリカなどのキッチンには小さなテーブルもあって、朝食をそこで食べたりしますが、まさにそんなイメージです。
キッチンはコンパクトですが、かなり凝っています。扉はすべて木目に統一し、床は黒い天然石。冷蔵庫と冷凍庫はAEGというドイツメーカー製で、食洗機はミーレです。両方ともカウンターの下にはめ込みました。コンロはフランス製です。
トイレやシャワー、洗面器なども、Aさんはご自分で香港などに買い付けにいかれていました。事前につながるかどうかさえ確認すれば、日本で手に入らないものも使うことができます。

今回は「2歩進んだ」リノベーションと言えるかもしれませんね。Aさんはインテリアのリテラシーがあり、プロフェッショナルに頼りながらも、自分のビジョンが明確にあります。そうすると、造るプロセスそのものも積極的に楽しむことができます。こういう方が増えると、日本の住生活もさらに素敵になりますね。

(構成・宇佐美里圭)

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PROFILE

石井健

「ブルースタジオ」執行役員
1969年、福岡県生まれ。「ブルースタジオ」執行役員。日本のリノベーション・シーンの創世期から600件以上を手がけてきた。「カンブリア宮殿」(テレビ東京系)でも「古い物件の家賃を倍にする不動産集団!」として紹介される。「郷さくら美術館」(東京・中目黒)で2012年度グッドデザイン賞受賞。また「賃貸アパート改修さくらアパートメント」(東京・経堂)で2014年度グッドデザイン賞受賞。 著書に『リノベーション物件に住もう』(共同編集/ブルースタジオ)、『MUJI 家について話そう』(部分監修)、『リノベーションでかなえる、自分らしい暮らしとインテリア LIFE in TOKYO』(監修)。
ブルースタジオへのリノベーションのご相談は、隔月開催のセミナーや、個別相談で承っています。
http://www.bluestudio.jp/

<59>7畳の収納スペースつくり、LDKを広く

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<61>DK一体型の細長いキッチンカウンター

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