リノベーション・スタイル

<80>港町っぽい部屋に自転車5台

 [Bryggen]
 Nさん一家(夫40歳、妻35歳、長男3歳)
 東京都板橋区
 築33年 / 66.81m²
 工事費 1200万円

 ご夫婦の趣味は自転車。おふたりの自転車は5台あって、「部屋の中に置きたい」とのことだったので、まずは部屋に「駐輪場を作っちゃいましょう」というところからスタートしました。

 物件は、緑地の前に建つビンテージマンションです。窓の外には緑が広がっていて、とても気持のいい住空間。そこで、緑を“海”に見立て、“桟橋”のスロープをあがって“波止場”のワークスペースへ、という構成を考えました。

 駐輪場は玄関から入ってすぐの土間スペースに設置。手すりが波止場で、自転車はそこにつながれた船のような見立てです。

 狭い廊下のスロープをあがると、広々としたリビングへ。ミモザのフローリングと白でまとめられた空間に外の緑が映えます。寝室やバスルーム、トイレはすべて白い羽目板の壁の向こう側にまとめました。

 リビングのインテリアは、ご夫婦が好きだったジャズ喫茶を参考にしています。そもそもおふたりが出会ったのがそのお店で、椅子やスピーカーはマスターから譲り受けたものだそうです。白い羽目板の壁はお店の内装をそのまま真似ています。テーブルは椅子に合うよう、おふたりで手づくりしました。

 玄関からリビングにつながる廊下の照明は、すずらん灯。工事現場などで使う照明用分岐ケーブルでつないでいます。どこか港っぽいですよね(笑)。リビングのランプは、おふたりが見つけてきたもので、イカ釣りランプをモチーフにしているとか。全体的に海の香りがします。

 あとで聞いてわかったことですが、おふたりの生まれは静岡と北海道の港町。「だからしっくりきたんだ!」とみんな納得しました(笑)。

 趣味の自転車に、お気に入りの喫茶店、港町の雰囲気……。おふたりのストーリーが詰まった部屋になりました。

(構成・宇佐美里圭)

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PROFILE

石井健

「ブルースタジオ」執行役員
1969年、福岡県生まれ。「ブルースタジオ」執行役員。日本のリノベーション・シーンの創世期から600件以上を手がけてきた。「カンブリア宮殿」(テレビ東京系)でも「古い物件の家賃を倍にする不動産集団!」として紹介される。「郷さくら美術館」(東京・中目黒)で2012年度グッドデザイン賞受賞。また「賃貸アパート改修さくらアパートメント」(東京・経堂)で2014年度グッドデザイン賞受賞。 著書に『リノベーション物件に住もう』(共同編集/ブルースタジオ)、『MUJI 家について話そう』(部分監修)、『リノベーションでかなえる、自分らしい暮らしとインテリア LIFE in TOKYO』(監修)。
ブルースタジオへのリノベーションのご相談は、隔月開催のセミナーや、個別相談で承っています。

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