花のない花屋

テレビでも活躍する気象予報士の同級生に

  

〈依頼人プロフィール〉
高倉沙也子さん(仮名) 39歳 女性
愛知県在住
主婦

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私と彼は高校、予備校、大学が同じでした。特別な関係というわけではありませんが、節目ごとにみんなで集まっては楽しい時間を過ごす友人でした。ただ、就職をしてからはみんなバラバラになり、彼の行方も知りませんでした。

私は就職から1年半で寿退社。相手がインド人だったので、これまで2回、足掛け6年ほどインドで暮らしてきました。現地ではハイテクとは無縁の生活だったので、ほとんど“浦島花子”状態で帰国。「みんなどうしているのかなあ」と日本の友達が恋しくなり、半年前くらいにフェイスブックのアカウントを作りました。

中高時代の友達とつながることができたのですが、彼だけはなかなか見つからず。ある日ぼんやり検索していると、wikipediaで名前がヒットしました。

サイトを開いてみると、彼が2004年に気象予報士の資格を取得、13年からは全国版のニュースにキャスターとして出演していることがわかりました。びっくりです。確かに、彼は大学を卒業した年の高校のクラス会で、「ゆくゆくは気象予報士になってテレビに出る」と語っていたのを思い出しました。

夢を語る人はいても、実現する人はそう多くはありません。あの頃語っていた通りになった太谷智一さん、おめでとうございます。夢を叶えた人が身近にいたと知り、私自身とても勇気づけられました。
少し遅いですが、初志貫徹して気象予報士になったお祝いと、3月が誕生日のようなので、誕生日のお祝いもかねて花を贈りたいです。

  

花束を作った東信さんのコメント

気象予報士になった級友へということだったので、空をイメージしてアレンジしました。メインはブルーの紫陽花(あじさい)です。普通より花びらが細かいものを使っています。一つの房は割と大きいので、拳の大きさ三つほどに分け、細かく差していきました。そうすることできれいに丸みを作ることができます。

トップにのせたのはキセログラフィカ。力強いイメージを加えるため、アクセントとして使っています。実はエアープランツの“エアー”と空をかけているんです(笑)。これはお花が終わった後も、そのまま育てることができます。

女性から男性に贈るお花なので、もらった方もあまり重くならないようにシンプルにアレンジしました。

  

  

  

  

(写真・椎木俊介/ライター・宇佐美里圭)

>>これまでの「花のない花屋」をまとめ読み

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「&w」では、読者のみなさまから「物語」を募集しています。
こんな人に、こんな花を贈りたい。こんな相手に、こんな思いを届けたい。
花を贈りたい人とのエピソードと、贈りたい理由をお寄せください。毎週ひとつの物語を選んで、東さんに花束をつくっていただき、花束は物語を贈りたい相手の方にプレゼントします。その物語は花束の写真と一緒に&wで紹介させていただきます。
詳しくは応募フォームをご覧のうえ、お申し込みください。

フラワーアーティスト・東信 (あずままこと)

テレビでも活躍する気象予報士の同級生に

1976年生まれ。
2002年より花屋を営み続け、現在は東京・南青山にてオートクチュールの花屋「JARDINS des FLEURS」を構える。2005年よりフラワーアーティストとして、ニューヨーク、パリ、ドイツ、ブラジル等、国内外で精力的な活動を展開。独自の視点から花や植物の美を表現し続けている。
近著に作品集「ENCYCLOPEDIA OF FLOWERS Ⅳ 植物図鑑」(青幻舎)など。

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http://azumamakoto.com/

PROFILE

椎木 俊介(写真)

ボタニカル・フォトグラファー

2002年、東信とともに、銀座にオートクチュールの花屋「JARDINS des FLEURS」を構える。東が植物による造形表現をはじめると時期を同じくして、カメラを手にし、刻々と朽ちゆき、姿かたちを変容させていってしまう生命のありようを写真に留める活動に傾倒していく。日々、植物に触れ、その生死に向き合ってきたからこそ導き出すことのできる、花や植物のみが生来的に有する自然界特有の色彩や生命力、神秘性を鋭く切り取っていく。

2011年に初の作品集となる東信との共著『2009-2011 Flowers』(青幻舎)を発表以降、常に独特の視点ですべての東の作品を捉え続け、近年は映像制作にも力を入れ、多岐にわたる活動を行っている。


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