あゆみ食堂のお弁当

<2>期限付き別居の夫へ、元気が出る定番のお弁当を

  

〈依頼人プロフィール〉
下田絵美子さん 34歳 女性
大阪府在住
医師

    ◇

昨年の10月に結婚をしました。結婚が決まったとき、彼から「ひとつだけお願いがある」と言われたのですが、それは「毎日お弁当を作ってほしい」ということでした。

高校時代から親元を離れ一人暮らしをしていた夫にとって、お弁当を作ってもらった記憶はほとんどないそうです。就職後も職場での昼食はいつもカップ麺やコンビニ弁当。同僚からは「早くお嫁さんをもらって、弁当を作ってもらえ!」と、言われ続けてきたとか。やさしい性格で、あまり頼みごとをしてこない人だったので、お弁当作りを頼まれたときは、とてもうれしかったです。

結婚後、早速お弁当作りが始まりました。張り切って「冷凍食品は使わない!」と宣言した手前、毎朝5時半に起きて頑張りました。医師という職業柄、私が家に帰れるのは、週の半分は夜10時ごろ。そんな私を気づかってか、彼は「疲れているときはお弁当はいらないよ」と言ってくれましたが、勤務時間が長く不規則な私にとって、お弁当作りは妻として彼にして唯一してあげられること。どんなに疲れていても、続けようと心に決めていました。

ところが結婚2カ月後、2カ月間の海外研修に行くことになってしまったのです。彼は快く送り出してくれましたが、その優しさが逆に心苦しくもありました。

離れてしばらくすると、テレビ電話で見た夫はげっそりと痩せていました。またコンビニ弁当中心の生活に戻ってしまったのかもしれません。その姿を見て、心配と申し訳なさでいっぱいになり、彼に何度も謝りました。
翌日、彼から「自分でお弁当作ってみたよ!」と、写真付きのメールが届きました。明太子入りの卵焼きとウインナー、野菜炒め。正直上手とは言えない出来ばえでしたが、夫ひとりでもお弁当を作れることがわかれば、私の後ろめたい気持ちも和らぐと思ったのでしょうね。そんな彼の気づかいに涙がでそうでした。その後も毎日自作のお弁当を写真に撮って送ってくれている夫。だんだん料理の腕も上達してきたようで、献立を見るのが単身赴任中の楽しみになっています。

医師として働くということは、どうしても仕事が中心になりがちです。そんな私をいつも励まし、支えてくれる夫に、今度は私から元気をあげられるようなお弁当を贈りたいです。お弁当を作ってもらった経験がほとんどない夫なので、献立は「お母さんの味」というか、定番のおかずを入れてあげると喜ぶと思います。あと、職場でお弁当をのぞかれることが多いそうです(笑)。同僚にも自慢できるような、彩りがきれいな盛り付けをしていただけるとうれしいです。どうぞよろしくお願いします。

作った人の想いを包むおにぎり

  

<献立>
おにぎり2種(黒胡麻塩、春キャベツとタラコ)
鶏の唐揚げ甘辛ネギタレ
ブロッコリーの梅おかか和え
ほうれんそうのナムル
大根のシークワサー塩麹漬け
新玉ねぎとジャガイモの卵焼き

<お弁当を作った大塩あゆ美さんのコメント>

今まで、手作りのお弁当と縁遠かった旦那様に奥様から贈るお弁当ということで、おにぎりを中心に献立を考えました。おにぎりは作った人の想いがそのまま包まれている、そんなふうに思えるものです。

職場の方にのぞかれてもいいように(笑)、おにぎりはひと手間加えた2種類を。

春キャベツとたらこのおにぎりは彩りもきれいで、黒ごま塩のおにぎりと交互に入れると、よりにぎやかな印象になります。

おかずは、お弁当定番の唐揚げに甘辛いタレをからめ、ごはんが進む味付けに。

唐揚げの味がしっかりとしているので、そのほかの副菜はほんの少しの味付けで、シンプルに彩りよく詰めました。

遠く離れて暮らしていても、毎日のお弁当を通していっそう絆を深めているおふたり。今までひとりでは出来なかったことも、これからはきっとふたりで乗り越えていけるのでしょうね。これからも毎日のお弁当作りをひとつのコミュニケーションとして、気張らずに楽しんでもらえたらと思います。

<献立>おにぎり2種(黒胡麻塩、春キャベツとタラコ)/鶏の唐揚げ甘辛ネギタレ/ブロッコリーの梅おかか和え/ほうれんそうのナムル/大根のシークワサー塩麹漬け/新玉ねぎとジャガイモの卵焼き


<献立>おにぎり2種(黒胡麻塩、春キャベツとタラコ)/鶏の唐揚げ甘辛ネギタレ/ブロッコリーの梅おかか和え/ほうれんそうのナムル/大根のシークワサー塩麹漬け/新玉ねぎとジャガイモの卵焼き

献立と同じく、お弁当箱も“定番”のわっぱ。たくさん食べてもらいたので、ごはんもおかずもたっぷり入る2段式に


献立と同じく、お弁当箱も“定番”のわっぱ。たくさん食べてもらいたので、ごはんもおかずもたっぷり入る2段式に

(ライター/小林百合子)

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