あゆみ食堂のお弁当

<18>イギリス留学する息子が、自分で作れるお弁当

  

〈依頼人プロフィール〉
奥田歌純さん 44歳 女性
神奈川県在住
主婦

    ◇

私には高校3年生の息子がいます。彼は来年の秋にイギリスへ留学予定です。

息子が海外の大学に留学したいと言い出すなんて、夢にも思っていませんでした。真面目で、ある意味普通の男の子だと思っていたので、母にとっては青天の霹靂。高校に入ってすぐの進路相談会で、担任の先生から息子の意思を聞かされた時には、びっくりするやらショックやらで、もう大変でした。

「なぜ外国の大学に行かなくちゃいけないの? どうして他の子と同じように生きていくのじゃダメなの?」。息子と離れて暮らす不安と焦りで、そんな風に問いただしたこともありました。そんな私に対して息子は、将来、自分は英語を使う仕事に就きたいこと、英語という言語の美しさや面白さ、後悔しない人生を送りたいことなどを、一晩かけて切々と語りました。

正直、息子がこれほどまでにきちんと将来について考えているとは思っていませんでした。中学生の頃は反抗期がひどく、全く口をきかなかった子が……。いつの間にか立派な大人になっていたのですね。そこまで強く心に決めているならと根負けし、今では私も留学を前向きに応援しています。

その後、息子は自分で行きたい学校を本やインターネットで調べ、ジャーナリズムや社会学に強い学校を選んで願書を出しています。将来は難民問題を解決するために、通訳として力になりたいと考えているようです。クイーンズイングリッシュを学びたいということで、行き先はイギリスのロンドンに決めました。幼い頃からサッカーの好きな子だったので、もしかしたらその誘惑もあるのかな(笑)。いずれにせよ、渡英に向けて楽しそうに準備を進めています。

そんな姿を頼もしく思いつつも、心配ばかりが募る日々。日本を離れると誰でも、慣れない生活や食事に辟易すると聞きます。せめて下宿先でも自炊ができるように、自分で簡単に作れるおかずを今から少しずつ教えていきたいと考えています。

息子は山登りが趣味で、各地の山へ行くたび、そこで見つけた山菜やきのこについて、楽しそうに話してくれます。イギリスでもハイキングやキャンプなどのアウトドアも、たくさん楽しんでほしいなと思います。趣味や勉強を通じて、たくさんのお友達と出会い、毎日を笑顔で過ごせますように。そんな願いを込めて、お弁当を贈りたいと思います。

高校3年生ということで、まだまだ育ち盛り。特に豚肉の料理が大好きです。ちょっとこってりめで、飽きのこないメニューだといいかなと思います。野菜も一緒にとれたら、なお嬉しいです。お弁当という玉手箱が、息子の留学に彩りを添えてくれることを祈りつつ。どうぞよろしくお願いします。

見た目も楽しい豚肉と卵とバジルの「おにぎらず」

海苔は自分に向かってひし形になるようにセットすると、隙間なくご飯と具を巻き込めます。ご飯と具は中央部分に置くとうまく包めます


海苔は自分に向かってひし形になるようにセットすると、隙間なくご飯と具を巻き込めます。ご飯と具は中央部分に置くとうまく包めます

<献立>
ポークジンジャーとスクランブルエッグとバジルのおにぎらず
コールスローサラダ
ビーツのマリネ

<あゆみさんのコメント>
高校卒業後、留学される息子さん。イギリスへ行っても楽しい毎日が送れるようにということで、見た目にも楽しい「おにぎらず」でお弁当を作りました。

パンの代わりにご飯を使って具をサンドして海苔で巻く。サンドイッチみたいな形に海外の友人達も喜んでくれるのでは?

具材は息子さんの好きな豚肉と卵とハーブ。ポークジンジャーはタレを作り置きしておけばすぐに作れてご飯もすすむので、便利です。コールスローサラダやビーツのマリネも多めに作って、作り置きもできます。

息子さんの事が心配なお母さん、どうぞ渡航までの間に料理を教えるだけでなく、一緒にたくさん時間を過ごして、楽しい思い出を作ってください。そして、息子さんが渡航するその日には、このお弁当を渡してもらえたら嬉しいです。私も息子さんの有意義な留学生活を祈っています。

ポークジンジャーとスクランブルエッグとバジルのおにぎらず/コールスローサラダ/ビーツのマリネ


ポークジンジャーとスクランブルエッグとバジルのおにぎらず/コールスローサラダ/ビーツのマリネ

竹を編んだカゴは和風っぽさもありつつ、バスケットのような趣もあります。おにぎりだけど、サンドイッチ? きっと海外の友人もびっくりするはず。


竹を編んだカゴは和風っぽさもありつつ、バスケットのような趣もあります。おにぎりだけど、サンドイッチ? きっと海外の友人もびっくりするはず。

(ライター/小林百合子)

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