花のない花屋

3人子育て中のワーママ わたしが元気でいるために

  

〈依頼人プロフィール〉
加藤理子さん 41歳 女性
東京都在住
会社員

    ◇

6歳、4歳、1歳の3人の子どもを育てながら働いているワーキングママです。両親が近くにおらず、保育園と区の子育て支援サービスを頼りながら、なんとか毎日を乗り切っています。

朝は6時に起き、子どもたちを保育園に送ってから出勤。お風呂掃除や洗濯は夫が担当していますが、共働きで家事をまわすのはいつもギリギリです。上の二人はだいぶ丈夫になりましたが、1歳の子はまだまだ病気がちで、何回も保育園から呼び戻され、本当にくじけそうになります。どうしようもないときは、3人を自転車に乗せて“サーカス状態”。雨の日は怖いくらいです。

土曜日は、4歳の子が水泳と幼児教育教室へ、6歳の子が英語の教室へと、習い事がつまっているので、結局、午前も午後も休むヒマがありません。3人を連れて病院へ行くときなどは、かなりつらいものがあります。

独身だった30歳の頃は、3年ほどフラワースクールに通ってアレンジメントを勉強していました。モーレツOLで頑張っていた私には、集中して作品を作る時間が本当に心の癒しでした。

子どもが生まれてからは通えなくなり、今ではすっかり花も買わない生活です。洋服はユニクロでしか買いません。小さい子がいると自分のために使える時間がなく、ゆっくり買い物に行く余裕もありません。

「きっとなにかの修行に違いない!」そう自分に言い聞かせて、毎日頑張っています。そんな私に東さんの花を贈っていただけないでしょうか。

モクレンやミモザなど木に咲く花が好きなので、この季節にある木の花と、3人の子どもの象徴のような植物を入れてもらえたらうれしいです。カラフルというより、シックな感じが好きです。よろしくお願いします。

  

花束を作った東信さんのコメント

ご希望の通り、枝モノだけでアレンジしました。ミモザ、コデマリ、ツツジ、エニシダ、マンサクの5種類の木花を挿しています。

枝モノはどうしても大ぶりになるので、全体のバランスを取るのが大切です。作り込みすぎず、枝を“流す”ことで自然な動きも出てきます。

お子さんが3人いらっしゃると、確かに大変ですよね。水をあげる時間もないでしょうから、ある程度楽しんだら水をやらないのも手です。カリカリに枯らせれば、ドライフラワーとしても楽しめます。

今回のように、たまには自分へ贈る花というのもいいものですよね。お母さんが元気だと子どももうれしいはず。疲れてしまったら、お花を見て元気を出してくださいね!

  

  

  

  

(写真・椎木俊介/ライター・宇佐美里圭)

>>これまでの「花のない花屋」をまとめ読み

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「&w」では、読者のみなさまから「物語」を募集しています。
こんな人に、こんな花を贈りたい。こんな相手に、こんな思いを届けたい。
花を贈りたい人とのエピソードと、贈りたい理由をお寄せください。毎週ひとつの物語を選んで、東さんに花束をつくっていただき、花束は物語を贈りたい相手の方にプレゼントします。その物語は花束の写真と一緒に&wで紹介させていただきます。
詳しくは応募フォームをご覧のうえ、お申し込みください。

フラワーアーティスト・東信 (あずままこと)

3人子育て中のワーママ わたしが元気でいるために

1976年生まれ。
2002年より花屋を営み続け、現在は東京・南青山にてオートクチュールの花屋「JARDINS des FLEURS」を構える。2005年よりフラワーアーティストとして、ニューヨーク、パリ、ドイツ、ブラジル等、国内外で精力的な活動を展開。独自の視点から花や植物の美を表現し続けている。
近著に作品集「ENCYCLOPEDIA OF FLOWERS Ⅳ 植物図鑑」(青幻舎)など。

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PROFILE

椎木 俊介(写真)

ボタニカル・フォトグラファー

2002年、東信とともに、銀座にオートクチュールの花屋「JARDINS des FLEURS」を構える。東が植物による造形表現をはじめると時期を同じくして、カメラを手にし、刻々と朽ちゆき、姿かたちを変容させていってしまう生命のありようを写真に留める活動に傾倒していく。日々、植物に触れ、その生死に向き合ってきたからこそ導き出すことのできる、花や植物のみが生来的に有する自然界特有の色彩や生命力、神秘性を鋭く切り取っていく。

2011年に初の作品集となる東信との共著『2009-2011 Flowers』(青幻舎)を発表以降、常に独特の視点ですべての東の作品を捉え続け、近年は映像制作にも力を入れ、多岐にわたる活動を行っている。


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