リノベーション・スタイル

<128>横浜で選ぶ、19畳のリビングダイニング生活

[H邸]
Hさん一家(夫37才、妻37才、長男3才)
神奈川県横浜市 築24年/93.20m²/総工費 非公開

前回は都心のコンパクトな暮らしを紹介しましたが、今回はその真逆。“郊外でのびのび”を選んだHさん一家のリノベーションです。

Hさんが住むマンションは、駅から2kmほどあり、歩くと20分はかかる距離です。その代わりバスはたくさん通っていて、最寄りの駅には比較的スムーズに出られます。マンションのまわりは緑が多くてゆったりとした雰囲気。建物自体も管理が行き届き、共有部が充実しています。一般的にバスは敬遠されますが、実は見直してみると、こういった魅力的な物件を手に入れられることもあるのです。

Hさん一家はもともとこちらのマンションに住んでいましたが、二人目のお子さんの出産を控えて、広い部屋を探していました。ちょうどそのタイミングで同じ建物の広い部屋が売りに出たため、そちらを購入してリノベーションすることに。

リノベーションに際しての要望は大きく二つありました。まず、奥様が料理好きなので、キッチンを広くして使い勝手をよくしたいということ。そして、もう一つは広々とした空間で暮らしたいということ。

キッチンは、Ⅰ型をご希望でしたが、お子さんと一緒にパンを作ることがあるので、作業台をもうけることにしました。この作業台は、朝食を食べるダイニングにもなります。キッチンの横にはアーチ型の入り口のパントリーを造り、中には5段棚を設置しました。食料や調理道具をたっぷりと収納できます。

また、部屋全体を広くするために、11畳大のリビングダイニングと8畳の和室をつなげて広いリビングダイニングに。PS(パイプシャフト)があるところは細かく収納を作り込み、できるだけスペースができるようにしました。ほとんどの家具は以前から使っていたもので、設計前にそれらのサイズをはかってどこに置くかも計算しています。

玄関もゆったりとスペースをとり、ヘキサゴンタイルを貼りました。右側の引き戸を開けると、1.3畳のシューズインクローゼットがあります。さらに玄関の壁にも大きな下足入れを設置しました。玄関ホールへ入り、右扉を開けるとウォークインクローゼットを通って寝室へ、正面扉を開けるとキッチンへ、左扉を開けるとサニタリールームへつながります。

寝室も8.8畳あり、現在は二つのベッドをつなげて置いていますが、将来的には二部屋に仕切ることもできます。

不動産価格が上がっている今、必ずしも住みたいところに住めるわけではないという現実があり、コンパクトな新築が増える一方、郊外を選ぶ人も増えています。バジェットを変えずに「のびのびした暮らし」を実現するには、場所を見直してみるのも必要なことですね。妥協ではなく、もう一度自分にとって大事なものは何なのかというのを整理していくと、違った暮らしが見えてきます。

(構成・宇佐美里圭)

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PROFILE

石井健

「ブルースタジオ」執行役員
1969年、福岡県生まれ。「ブルースタジオ」執行役員。日本のリノベーション・シーンの創世期から600件以上を手がけてきた。「カンブリア宮殿」(テレビ東京系)でも「古い物件の家賃を倍にする不動産集団!」として紹介される。「郷さくら美術館」(東京・中目黒)で2012年度グッドデザイン賞受賞。また「賃貸アパート改修さくらアパートメント」(東京・経堂)で2014年度グッドデザイン賞受賞。 著書に『リノベーション物件に住もう』(共同編集/ブルースタジオ)、『MUJI 家について話そう』(部分監修)、『リノベーションでかなえる、自分らしい暮らしとインテリア LIFE in TOKYO』(監修)。
ブルースタジオへのリノベーションのご相談は、隔月開催のセミナーや、個別相談で承っています。
http://www.bluestudio.jp/

<127>一人でも「毎日きちんと作って食べる」ための部屋

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