あゆみ食堂のお弁当

<32>妊活しながら再就職。これからも夫と一緒に

あゆみ32-1-2

〈依頼人プロフィール〉
寺西舞子さん 33歳 女性
東京都在住
会社員

    ◇

2年前から不妊治療を始めました。20代は仕事一筋。時間的にも体力的にもキツイ仕事ではありましたが、大きなプロジェクトを成功させたときのやりがいや楽しさは何にもかえられないものでした。

30歳を過ぎ、そろそろ子供が欲しいよねということで、一度仕事を辞め、妊活することにしました。これまでの努力や、仕事で築いてきた人間関係を失うのは正直怖かったのですが、体に負担をかけるよりは、一度すっぱり辞めて、子供が生まれてからまた働けばいいと思っていました。

でも、家庭に入って2年経っても、子供に恵まれませんでした。同じ年ごろの友人は、すでに子供がいて子育てを楽しんでいる組か、子供を持たずバリバリと働いているキャリアウーマン組のどちらか。仕事もせず、子育てもしていない自分が中ぶらりんに思えて、家に閉じこもる日々が続きました。

仲のいい友人から届く「赤ちゃんができました!」という知らせを素直に祝福できない自分がいて、気持ちはどんどん暗くなるばかり。妊活を始めたらすぐに子供ができるものだと信じていたので、なんで自分だけ、と落ち込むこともありました。

2年間の不妊治療を経て、今は徐々に「子供のいない人生」という可能性を現実的に考えるようになりました。継続的に治療は続けてはいますが、あまり思い詰めず、外の世界にも目を向けて楽しく暮らしたほうがいいと思うようになったのです。「子供がいてもいなくても、後悔しない人生を送ろう」。そう決めてからは、毎日が生き生きと輝きを取り戻しました。以前から興味のあったインテリアや住宅関係の仕事に就き、また充実した日々を送っています。

そんな私をずっと応援してくれたのが夫でした。医師である夫は、医者の不養生を地で行く生活。当直や患者さんの急変対応のために夜中に病院に戻ったりと、過労が極限に達していました。

この春、私が再就職したタイミングで、夫も臨床の場を離れ、大学院で専門研究を行うことになりました。ふたりそろっての環境変化をプラスに捉えて、はじめてのお弁当生活を始めることにしました。

お互いの健康面を思ってのこともありますが、将来ずっと二人きりでそれぞれが忙しく働く人生でも、夫婦が離れ離れにならないように、という思いも込めて、お弁当を作り続けていけたらと思っています。

なにせお弁当初心者ですのでレパートリーが少ないのが悩み。手際もよくないので、作り置きが増えるのですが、それも同じものの繰り返しになってしまいます(野菜が多め)。夫は太りやすい体質なので、炭水化物控えめで良質のタンパク質が取れる献立のヒントを教えていただけるとうれしいです。どうぞよろしくお願いします。

夏のおかずにおすすめ、さわやかバジルしょうゆ

マリネに使ったバジルしょうゆは、しょうゆにたっぷりのフレッシュバジルを入れるだけという超簡単調味料。バジルの爽やかな香りがしょうゆに移って、夏らしい風味を加えてくれます


マリネに使ったバジルしょうゆは、しょうゆにたっぷりのフレッシュバジルを入れるだけという超簡単調味料。バジルの爽やかな香りがしょうゆに移って、夏らしい風味を加えてくれます

<献立>
ゆで鶏
合わせ薬味(大葉、しょうが、みょうが、みつ葉)
にんじんとエゴマしょうゆ漬けの和え物
ズッキーニとパプリカのバジルしょうゆ漬けマリネ
小えびと小ねぎの卵焼き
鶏の出汁(だし)で炊いたごはん

<あゆみさんからのメッセージ>
栄養バランスがとれたお弁当を、長く作っていきたいという奥様のリクエスト。今回は作り置きできるお肉の献立と、ちょっと新しい風味を感じられるストック調味料などを考えてみました。

まず作り置きの定番、ゆで鶏はゆで汁に香味野菜を足すことでスープストックになります。ご飯を炊くときに使うとほんのり鶏のうまみの入ったご飯に。ゆで鶏と一緒に入れた合わせ薬味とタレをかけて食べると、シンガポールチキンライス風でおいしいんです。

夏野菜のマリネには、爽やかな香りのバジルしょうゆを使います。前日に仕込んで冷蔵庫に入れておけば、ほどよく味がなじみますよ。定番の食材でも、調味料や付け合わせにひと工夫するだけで新しいおかずになります。ぜひ試してみてください。

■ズッキーニとパプリカのバジルしょうゆ漬けマリネ
*材料(作りやすい分量)
マリネ液
バジルしょうゆ* 大さじ2
バルサミコ酢 大さじ1
しょうゆ漬けのバジルの葉(みじん切り)4~5枚
にんにく(潰しておく)1/2片
エクストラヴァージンオリーブオイル 50cc

*バジルしょうゆ
バジル 30g(葉のみ)
濃い口しょうゆ 200cc
1 バジルの葉を洗ってキッチンペーパーなどで水気をふき取る。
2 瓶など密閉できる容器にバジルの葉と濃い口しょうゆを入れる。
*冷蔵庫で10日間ほど保存可能。

*作り方
1 ズッキーニは1.5㎝ほどの輪切りにし、パプリカは縦に6~8等分に切る。

2 マリネ液の材料のオリーブオイル以外をボウルに入れる。ホイッパーなどで
しっかり混ぜながら、少量ずつオリーブオイルを加える。

3 1の野菜を焼き網で焦げ目がつくくらいに焼き、熱いうちに2の中に加える。

4 3をタッパーなどに入れ、粗熱が取れたら冷蔵庫で一晩置いてなじませる。
*冷蔵庫で3~4日保存可能。

茹で鶏/合わせ薬味(大葉、しょうが、みょうが、みつ葉)/にんじんとエゴマしょうゆ漬けの和え物/ズッキーニとパプリカのバジルしょうゆ漬けマリネ/小えびと小ねぎの卵焼き/鶏の出汁で炊いたごはん


茹で鶏/合わせ薬味(大葉、しょうが、みょうが、みつ葉)/にんじんとエゴマしょうゆ漬けの和え物/ズッキーニとパプリカのバジルしょうゆ漬けマリネ/小えびと小ねぎの卵焼き/鶏の出汁で炊いたごはん

こちらも爽やかな白木のわっぱ。使うほどの味が出てくるので、どうぞこの先も夫婦仲良く、楽しいお弁当生活を送ってくださいという願いを込めて


こちらも爽やかな白木のわっぱ。使うほどの味が出てくるので、どうぞこの先も夫婦仲良く、楽しいお弁当生活を送ってくださいという願いを込めて

(ライター/小林百合子)

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