花のない花屋

15年来の親友、新しい門出を華やかに祝いたい

  

〈依頼人プロフィール〉
峰典子さん 31歳 女性
東京都在住
フリーライター

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私には3歳年上の親友がいます。出会ったのは15年ほど前。私はまだ高校生、彼女は沖縄から出てきたばかりの大学生でした。共通の知人を通して知り合い、すぐにウマがあって仲良くなりました。私も彼女も音楽好きで好奇心が強く、アクティブにどんどん外へ出て行く性格が似ていたからかもしれません。

あれから15年。お互い社会人になりずいぶん経ちました。濃密にしょっちゅう会っていた時期もあれば、忙しくてほとんど会わないまま1年が過ぎていった時期もあります。そんな私たちの関係をつなぎとめたのが、誕生日でした。

生まれ年こそ違うものの、二人とも4月11日生まれ。出会ってからは、毎年一緒に誕生日をお祝いしてきました。5年ほど前は、バーを貸し切ってお互いの友達を招待し、20人ほどで盛大なパーティーをしたこともあります。ダンスやパントマイムが得意な彼女が、会場で見事なマイケル・ジャクソンのダンスを披露してくれたのは、今でも忘れられません。

そんな彼女が、この春に転職を決めました。ちょっと前から、「次のステップに進みたいなあ」と言っていたので、本当によかったです。今年は転職と誕生日の時期が重なり、一緒にお祝いができませんでしたが、いま改めて彼女におめでとうという気持ちを伝えたいです。

転職と誕生日のお祝いの気持ちを込めて、ステキな花束を作ってもらえないでしょうか。引っ越したばかりなので、新居に花を飾ってもらえたらと思っています。

彼女は沖縄出身で目鼻立ちがはっきりとしていて、ビビッドな色のファッションが大好きです。性格もとてもエネルギッシュです。彼女の故郷、沖縄の花を入れてアレンジしてもらえるとうれしいです。どうぞよろしくお願いします。

  

花束を作った東信さんのコメント

2人の関係性、そして峰さんのお友達の出身地である沖縄……そんな二つの要素を考えてアレンジしました。テーマは“南国”です。ご希望の通り、沖縄や南国にある花をメインに使っています。

中心に挿したのは、バナナの花、沖縄が名産地のストレチア、食虫植物のサラセニア、グズマニア、プロテア、エクメアの実など、個性的で大ぶりな花々。いかにも南国らしさが漂ってきます。

そんな大ぶりな花のまわりに、小さなセントーレアや渋い色のブラックベリー、小さな紫色のランなどを挿していきました。これによって、ガツン! とインパクトのある派手さはありつつも、どこかしっとりとした質感が出ます。

南国の花は持ちもいいので、新居でもしばらく楽しめるはず。枯れていく姿も美しいので、時間とともに変わっていく様子を楽しんでくださいね。

  

  

  

  

(写真・椎木俊介/ライター・宇佐美里圭)

>>これまでの「花のない花屋」をまとめ読み

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フラワーアーティスト・東信 (あずままこと)

15年来の親友、新しい門出を華やかに祝いたい

1976年生まれ。
2002年より花屋を営み続け、現在は東京・南青山にてオートクチュールの花屋「JARDINS des FLEURS」を構える。2005年よりフラワーアーティストとして、ニューヨーク、パリ、ドイツ、ブラジル等、国内外で精力的な活動を展開。独自の視点から花や植物の美を表現し続けている。
近著に作品集「ENCYCLOPEDIA OF FLOWERS Ⅳ 植物図鑑」(青幻舎)など。

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PROFILE

椎木 俊介(写真)

ボタニカル・フォトグラファー

2002年、東信とともに、銀座にオートクチュールの花屋「JARDINS des FLEURS」を構える。東が植物による造形表現をはじめると時期を同じくして、カメラを手にし、刻々と朽ちゆき、姿かたちを変容させていってしまう生命のありようを写真に留める活動に傾倒していく。日々、植物に触れ、その生死に向き合ってきたからこそ導き出すことのできる、花や植物のみが生来的に有する自然界特有の色彩や生命力、神秘性を鋭く切り取っていく。

2011年に初の作品集となる東信との共著『2009-2011 Flowers』(青幻舎)を発表以降、常に独特の視点ですべての東の作品を捉え続け、近年は映像制作にも力を入れ、多岐にわたる活動を行っている。


娘へ あの日から5年、希望の花束を

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