あゆみ食堂のお弁当

<50>肺炎リハビリ中のお母さん、元気になってね

  

〈依頼人プロフィール〉
本間浩二さん 56歳 男性
新潟県在住
会社員

    ◇

93歳になる母親は、昨年の4月に突然肺炎で入院し、ずっと入院生活が続いています。脚、腰などいろいろ不自由なところはあったものの、入院する前日まで、家の近くの畑で野菜作り、花作りをして一人で生活をしていました。

食べることが大好きで、町へたまの買い物へ出かけるおりなどは、ラーメン、丼もの、ソバなど一人分をきれいに平らげていました。幼いころより海のすぐ近くで暮らしていたからでしょうか、なにより魚が好きです。地元名産のサケをはじめ、どんな魚でも煮たり、焼いたりよく食べていました。自分が畑で作った大根、ネギ、カボチャなども大好きでした。

そんな母親が突然、ずっと入院することになってしまいました。肺炎ということもあり、病院での食事はミキサー食というどろどろの流動食。その食事ですっかり食欲がなくなってしまったようです。せめて果物やジュースでもと思い持っていくのですが、それも受け付けません。それでも本人が好きだったものをと、姉弟でアイスクリームやうどん、漬物、茶わん蒸しなど差し入れして、少しずつ食べさせてきました。

そのかいもあり、少しずつ食欲が戻り、3カ月で肺炎が完治。リハビリの専門の病院に転院になりました。ベッド暮らしが長くなったためか、入院前にはできていた立ち居振る舞いも以前のようにできず、苦労していましたが、8月には5カ月ぶりに一時帰宅することができました。2泊の宿泊でしたが、久しぶりの自宅でのごはんをとてもおいしそうに食べていました。

とはいえ、以前のように生活できるまでにはまだまだ回復できていません。しばらくは入院生活が続くことになると思います。そこで、病院の談話室でも食べられるように、見た目もきれいで、また畑にも出たいと思うような元気の出るお弁当を食べさせてあげたいと思います。

母親は花、きれいな布、包装紙など大好きで、不要と思える包装紙まで大事に取っています。食べ物もパスタ、グラタンなど洋物も含めていろいろ興味があり、好き嫌いはほとんどありません。歯も丈夫で硬い豆菓子など食べています。カラフルで気持ちも明るくなるようなお弁当をあゆみ食堂様、どうぞ作ってあげてください。よろしくお願い致します。

ピーナツ・クレソン・菜の花……小さな驚きをちりばめて

ピーナツは焦げやすいので、弱火でじっくり火をとおします。色が変わったら火を止めましょう


ピーナツは焦げやすいので、弱火でじっくり火をとおします。色が変わったら火を止めましょう

<献立>
クレソンごはん
紅しょうが
サケ塩焼き
ホウレン草ピーナツあえ
菜の花とにんじんの豚肉巻き
卵のみそ漬け
エリンギと長ねぎのクリーム煮

<あゆみさんからのメッセージ>
90代のお母様、食に対して好奇心があり、洋食もお好きとのことで、驚きました。今回は入院中に召し上がるお弁当ということで、シンプルな焼き鮭をメインに、家庭の味を懐かしめる献立を考えました。素材は奇をてらわず、味つけや調理法にひと工夫を加えることで、小さな驚きをちりばめました。
クレソンご飯は、太白ごま油でサッと和えたクレソンを混ぜ込み、春らしい色合いと香りに。菜の花はにんじんと一緒に豚肉巻きにして、春の香りを閉じ込めました。その後お母さまの体調はいかがでしょうか? もうすぐ桜の綺麗な春がやってきます。うららかな春の日に桜を眺めながら、笑顔でお弁当を食べてもらえますように。

■ほうれん草ピーナツあえ
*材料(2~3人分)
ほうれん草…1束(150g)
ピーナツ(市販の素炒りのもの)…25g
米油…大さじ1

黒酢…大さじ1
しょうゆ…大さじ1
メープルシロップ…大さじ1/2

*作り方
1 ほうれん草は全体を水に浸して汚れを落とす。ピーナツは薄皮までむいておく。

2 鍋に湯を沸かして塩(分量外)を入れ、ほうれん草をゆでる。まず茎の部分だけ10秒ゆで、その後全体を沈め、鮮やかな緑色になったら冷水にとって冷ます。冷めたら水をしっかり絞り、3cm程度に切る。

3 ボウルにAを入れ、混ぜ合わせたところに3を加えてあえる。

4 ピーナツと米油をフライパンに入れ、中火にかけ、ピーナツがほんのり色づいて香ばしい匂いがするまで揚げる。

5 4が熱いうちに油ごと3に加えてあえ、10分ほどなじませる。

*弁当箱に詰めるときは水気を適度に絞るとよい。

クレソンごはん/紅しょうが/サケ塩焼き/ホウレン草ピーナツあえ/菜の花とにんじんの豚肉巻き/卵のみそ漬け/エリンギと長ねぎのクリーム煮


クレソンごはん/紅しょうが/サケ塩焼き/ホウレン草ピーナツあえ/菜の花とにんじんの豚肉巻き/卵のみそ漬け/エリンギと長ねぎのクリーム煮

お弁当箱は四角くキュッと小さいながらも、綺麗な佇まいのものを選びました。蓋が開かないようにするためのゴムの飾りも可愛らしいです


お弁当箱は四角くキュッと小さいながらも、綺麗な佇まいのものを選びました。蓋が開かないようにするためのゴムの飾りも可愛らしいです

(ライター/小林百合子)

<49>家を出た優しい異母姉に、感謝の気持ちを

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