冷水料理相談室

家族の健康のために、脱レトルトで作る炒め物

  
〈相談者プロフィール〉
片山聖さん 28歳 女性
兵庫県在住
主婦
    ◇
 結婚2年目の主婦です。お恥ずかしい話なのですが、私は料理の味付けのほとんどをレトルトに頼っています(夫には内緒)。

 たいていは冷蔵庫にある野菜と肉を炒めて、味付けはできあいのソースを混ぜるだけ。じつは私の母もそういった便利品を多用していたため、自分にとってはレトルトソースがもはや「家庭の味」なのですが、やっぱり夫に食べさせるとなると添加物や塩分などが気になってしまいます。

 先日、一念発起してレシピ本を購入し、レトルトを使わずに作る麻婆豆腐にチャレンジしてみたのですが、調味料の数が多いうえ、工程が複雑でうまく作れず、挫折。

 これまできちんと料理をやってこなかった自分には、やっぱりハードルが高いのかなあと自信喪失中です。

 せめて炒め物など、簡単なものからでいいので、少しずつレトルトを脱したいと思っているのですが、結局しょうゆ味とか塩味とか、代わり映えのしない味になってしまい、夫にも不評です(涙)。

 レトルトのソースは味が濃く、うまみ成分もたくさん入っているため、家族もその味に慣れてしまっているのだと思います。自分でまいた種とはいえ、どうやって脱レトルトしたらいいのか、途方に暮れているところです。

 レトルトなしの料理は初心者なので、家にある基本的な調味料を使って、奥深い味を出せるのが理想なのですが、もしいいアイデアがあれば、ぜひ冷水さんに教えていただけたらと思っています。

 ちなみに夫は白ごはんが大好きです。このごろ、暑い日が続き、ちょっと食欲不振がちなので、ぜひごはんが進む味付けの炒め物を教えていただけたらうれしいなと思っています。どうぞよろしくお願いいたします。

牛肉とズッキーニの炒め物 中華料理店みたいに作るコツは

  

<冷水先生からのメッセージ>
 「炒め物=簡単・手軽」と思っている方、きっと多いと思います。でも、じつは炒め物は、意外と手間のかかるお料理なんです。

 中華料理店で食べる肉と野菜の炒め物、すごくおいしいですよね。強い火力で一気に炒めるという点もそうなのですが、お店では野菜類をさっと油通しして、肉類は下味をつけて、野菜とは別に炒めます。そして最後に両者を合わせて、仕上げに味を調えるというのが一般的です。

 肉と野菜では火の通り方も調味料の入り方も違いますから、別々に調理するというのはうなずけます。

 でも家庭の場合はついつい肉も野菜も一緒に炒めがち。肉に火が入る頃には野菜はくたくたになっていますし、肉に合わせて味付けすると、どうしても味が濃くなって、野菜の風味が失われてしまうんです。

 炒め物をおいしく作るコツは、肉と野菜を分けて炒めること、そして肉にしっかり下味をつけて、野菜には仕上げの調味料だけで味付けすること。この2点です。

 肉に下味をつけるときは、調味料を加える都度、しっかりもみこむのがポイント。少し手間がかかりますが、格段においしく仕上がりますので、ぜひお試しください。

味に奥行きを出す秘訣(ひけつ)は、だし。干しエビのだしは熱湯につけるだけで簡単にとれるので、家庭料理の強い味方です


味に奥行きを出す秘訣(ひけつ)は、だし。干しエビのだしは熱湯につけるだけで簡単にとれるので、家庭料理の強い味方です


ズッキーニとピーマンは食感を損なわない程度にさっと炒めます。この段階の味付けは塩少々だけ


ズッキーニとピーマンは食感を損なわない程度にさっと炒めます。この段階の味付けは塩少々だけ

■牛肉とズッキーニの炒め物
◎材料(2人分)
牛切り落とし…120g
A 塩…ひとつまみ
  しょうゆ…小さじ1/2
  酒…小さじ2
  片栗粉…小さじ1
  油…小さじ2

ズッキーニ…1本
ピーマン…2個
長ネギ…5㎝
しょうが…1片
干しエビ…10g
赤とうがらし…1/2本
熱湯…50ml
酒…大さじ2
塩…少々
しょうゆ…小さじ1
砂糖…小さじ2/3
油…大さじ1と1/2

◎作り方
1 牛肉にAを順番にもみ込み、15分おく(*すべて一緒に入れてもみ込むのではなく、調味料を入れるごとにもみ込むと、よく味がなじみます)。
2 干しエビを熱湯につけ、粗熱が取れたら水気を拭いてみじん切りにする(戻し汁はとっておく)。
3 ズッキーニは縦半分に切り、5㎜幅の半月切りにする。ピーマンは2㎝大に切る。長ネギとしょうがはみじん切りにする。
4 フライパンに油大さじ1を入れてズッキーニとピーマンを炒め、塩少々で味付けして取り出す。
5 4のフライパンに油大さじ1/2を足して長ネギとしょうが、赤唐辛子、干しエビを炒め、香りが出てきたら1の牛肉を加えて炒める。
6 牛肉の色が変わり始めたら酒と干しエビの戻し汁大さじ1を加える。4のズッキーニとピーマンを戻し入れて、しょうゆと砂糖を加えて味を調える。

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PROFILE

家族の健康のために、脱レトルトで作る炒め物

冷水希三子(ひやみず・きみこ) 料理家

料理家・フードコーディネーター。レストランやカフェ勤務を経て独立。季節の食材を使ったやさしい味の料理が評判を呼び、雑誌や広告などで活躍中。器選びや盛り付けに至るまで、その料理の美しさでも注目を集めている。著書に『ONE PLATE OF SEASONS-四季の皿』(アノニマ・スタジオ)、『スープとパン』『さっと煮サラダ』(ともにグラフィック社)など。

PROFILE

  • 小林百合子

    編集者
    1980年兵庫県生まれ。出版社勤務を経て独立。山岳や自然、動物、旅などにまつわる雑誌、書籍の編集を多く手がける。女性クリエイター8人から成る山登りと本づくりユニット〈ホシガラス山岳会〉発起人。著書に『最高の山ごはん』(パイ・インターナショナル)、『いきもの人生相談室』(山と溪谷社)、野川かさねとの共著に『山と山小屋』(平凡社)など。

  • 関めぐみ(写真)

    写真家。アメリカ、ワシントンDC生まれ。スポーツ誌、カルチャー誌、女性誌などで活躍。また、広告やカタログ、CDジャケット、俳優の写真集なども担当。書籍に『8月の写真館』『JAIPUR』など。

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