冷水料理相談室

思い出詰まったアジアの味を家庭で楽しむには?

  
〈相談者プロフィール〉
山田萌絵さん 28歳 女性
東京都在住
会社員

    ◇

 お料理相談室、毎回楽しみに拝読しております。私の料理にまつわる悩みはなんだろうと、ふと考えてみました。
 私は結婚3年目、子供は1人で現在2歳です。昨年から仕事に復帰し1年、仕事、子育て、家事と、何とか程度がわかってきた時期です。
 私は食べることが大好きで、学生時代は毎年のように海外旅行へ行くほど各地域の料理が大好きでした。特にアジアの生き生きとした料理は食べると元気が出て、世界にはこんな食材や味があるんだといつも感動します。
 ベトナムのハーブや生もやしが入った麺類や、台湾の豆花(トウファ)、コショウ餅、タイのパッタイ…。口に入れた瞬間にそれぞれの国の雰囲気や香り、温度が鮮明に思い出せます。
 子供が生まれ仕事にも復帰すると、海外旅行はなかなか難しくなりました。とにかく今は子供優先。いつかまた家族で行けたらと考えていますが、それまでは大好きなアジアの国々の料理を家で楽しめたらいいなと思っています。
 けれど異国の料理を家で作るのは腰が重く、一品作れても付け合わせはどうしたらいいかなと、どこかちぐはぐした食卓になってしまいます。また子供にも食べられるものと思うと、辛いものやハーブ類はなかなか挑戦できません。
 料理のアレンジができるほどまだ心と時間に余裕がないため、普段の食事は結局定番の和食ばかり。アジア料理の本を眺めているもののたくさんの調味料に挫折し、せっかく買ったパクチーもなかなか生かせず冷蔵庫の底でしおれてしまう始末です。
 冷水さん、こんな私にぴったりな料理があればぜひ教えてください。ちなみにアジアの中でも一番思い出深いのはベトナムです。プロポーズを受けた思い出の場所です。現地で毎日食べていたバインミー(フランスパンに野菜のなますなどを挟んだベトナム風サンドイッチ)は、今では主人の得意料理です。

手に入りやすい材料で作る、ひんやりアジア麺

  

<冷水先生からのメッセージ>

 旅先で感動した味は、時間が経っても忘れられないものですよね。とくにハーブをたっぷり使った東南アジアのお料理は、私も大好きです。

 東南アジアのお料理のおいしさの根底には「甘い、酸っぱい、辛い」という要素が絶妙に絡み合っているところがあります。

 でもじつは、手に入りやすい調味料でもこうした味を再現することはできるんです。今回はナンプラーをベースにした調味料を混ぜておいて、麺にかけるだけのとても簡単なベトナム風冷麺を考えてみました。

 ポイントはそうめんより太く、歯ごたえがあるひやむぎを使うこと。ソースの味がしっかりしているので、風味の強いひやむぎのほうがバランスよく仕上がります。

 仕上げにはハーブをどっさりと(パクチーもたっぷり使うので、冷蔵庫でしおれる心配もありませんよ)。たくさん種類をそろえるのは大変でしょうから、大葉やみょうが、新しょうがなどを入れてもOK。

 もしミントが手に入れば、ぜひ少し加えてみてください。爽やかな香りが際立って、暑い夏に涼やかな風を運んでくれるはずです。

牛肉は火が通り過ぎるとかたくなるので、ゆでるお湯の温度は少しぬるめにするのがコツ。沸騰後に火を止め、数分おいた湯に牛肉をくぐらせるくらいがちょうどいいでしょう


牛肉は火が通り過ぎるとかたくなるので、ゆでるお湯の温度は少しぬるめにするのがコツ。沸騰後に火を止め、数分おいた湯に牛肉をくぐらせるくらいがちょうどいいでしょう


ゆで上がったひやむぎは氷水を入れたボウルでしっかりと冷やします。水気が残っているとせっかくのソースの味が薄まってしまうので、最後はしっかり水気を切ってくださいね


ゆで上がったひやむぎは氷水を入れたボウルでしっかりと冷やします。水気が残っているとせっかくのソースの味が薄まってしまうので、最後はしっかり水気を切ってくださいね

■牛しゃぶとハーブのベトナム風冷麺
◎材料(2人分)
ひやむぎ…200g
牛肉しゃぶしゃぶ用もも肉…100g
好みのハーブ…適量
※今回はパクチー(コリアンダー)、ミント、大葉、みょうが、新しょうがを使用

A(ソース)
ナンプラー…大さじ1
砂糖…大さじ1
レモン汁…大さじ1
水…30ml
粗びき赤唐辛子…ひとつまみ

◎作り方
1 Aをボウルなどに入れ、混ぜ合わせておく。
2 牛肉は熱湯よりぬるめのお湯でさっとゆでておく。ハーブは食べやすい大きさに切る。
3 ひやむぎをゆでる。ゆで上がったら氷水にとり、冷水でしめて水気を切る。
4 3のひやむぎを皿に盛り、2の牛肉とハーブを乗せてから1のソースを好みの量かける。

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PROFILE

思い出詰まったアジアの味を家庭で楽しむには?

冷水希三子(ひやみず・きみこ) 料理家

料理家・フードコーディネーター。レストランやカフェ勤務を経て独立。季節の食材を使ったやさしい味の料理が評判を呼び、雑誌や広告などで活躍中。器選びや盛り付けに至るまで、その料理の美しさでも注目を集めている。著書に『ONE PLATE OF SEASONS-四季の皿』(アノニマ・スタジオ)、『スープとパン』『さっと煮サラダ』(ともにグラフィック社)など。

PROFILE

  • 小林百合子

    編集者
    1980年兵庫県生まれ。出版社勤務を経て独立。山岳や自然、動物、旅などにまつわる雑誌、書籍の編集を多く手がける。女性クリエイター8人から成る山登りと本づくりユニット〈ホシガラス山岳会〉発起人。著書に『最高の山ごはん』(パイ・インターナショナル)、『いきもの人生相談室』(山と溪谷社)、野川かさねとの共著に『山と山小屋』(平凡社)など。

  • 関めぐみ(写真)

    写真家。アメリカ、ワシントンDC生まれ。スポーツ誌、カルチャー誌、女性誌などで活躍。また、広告やカタログ、CDジャケット、俳優の写真集なども担当。書籍に『8月の写真館』『JAIPUR』など。

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