冷水料理相談室

毎日深夜帰宅の夫へ。体に負担をかけない肉料理を

  

〈相談者プロフィール〉
松阪真美さん 34歳 女性
東京都在住
主婦

    ◇
 結婚して5年の専業主婦です。3歳の息子と夫の3人暮らしです。

 営業職として働く夫は、連日の接待や残業で帰宅は毎日0時を過ぎた終電近く。新婚当初は私も仕事を持っていたので、夫の夕食(というか夜食)は作らず、夫が好きなものを買ってきて食べるというスタイルでした。

 子どもが生まれ、専業主婦になったことと、毎晩コンビニ食の夫の健康が気になってきたということもあり、ここ数年は寝る前に夫の夜食を作り置きしています(私は息子と一緒に寝てしまうので)。

 とにかく肉が好きな人で、夜食であろうとも焼き魚や野菜のおかずを作っておくと、「食べた気がしない」と不満げです。深夜に高カロリーで油分の多い食事をとることが健康面で心配です。

 鳥のささ身など脂分が少ない肉を使ったメニューなども試しているのですが、「味がない」とか、「ごはんに合わない」などお気に召さない様子。結局ヘルシーな部位を使っても味付けが濃くなってしまい、どうしたものかと途方に暮れています。

 そこで冷水先生に、肉を使いつつも、できるだけカロリーや油を抑えた夜食のアイデアがあればぜひ教えていただきたいと思っています。

 接待が多い仕事柄、昼も夜も外食で焼き肉や鉄板焼きなど、胃に負担をかける食事ばかりの日々が続いている夫です。本人も家で食事をするときには「和食がいいなあ」とつぶやくことが増えている今日このごろ。

 疲れて帰ってきた夜。ほっとひと息つけるような温かい食事を用意してあげることが、せめて私が彼のためにしてあげられることなのかなと思っています。

 わがままなリクエストで恐縮なのですが、お知恵拝借できると幸いです。どうぞよろしくお願いいたします。

低脂肪の豚ヒレで、しみじみおいしい治部煮を

  

<冷水先生からのメッセージ>

 働き盛りのお父さん。夜遅く帰ってきてももりもりご飯を食べたい気持ち、わかるような気がします。

 ほっと和める食事をと考えた時、やっぱり思い浮かぶのは煮物です。作り置きしたものを温め直してもおいしく、かつヘルシーにということで、今回は片栗粉でとろみをつけた治部煮をご紹介します。

 治部煮は金沢の郷土料理のひとつで、カモ肉や鶏肉を使うことが多いのですが、今回は脂肪分の少ない豚のヒレ肉を使います。

 片栗粉でとろみをつけることで火の通りがゆるやかになるので、温めなおしても肉や野菜がかたくなりにくいのです。

 ポイントは、豚肉に塩で下味をつけること。豚の臭みも減らせます。下味はあとからはつけられないので、減塩と思っても下味はつけるようにしてください。

 薄口しょうゆを使うので、とろみの色を薄く感じるかもしれませんが、しっかりとだしとしょうゆの味がついています。最後に生わさびや黒七味を添えると味のアクセントになりますよ。

里芋は塩でもみ洗いすることでぬめりを抑えます


里芋は塩でもみ洗いすることでぬめりを抑えます


豚ヒレ肉には下味の塩を忘れずに。豚肉の臭みも消してくれますよ


豚ヒレ肉には下味の塩を忘れずに。豚肉の臭みも消してくれますよ

■豚と秋野菜の治部煮

◎材料(3~4人分)
豚ヒレ肉…150g
薄力粉…少々
里芋…3個
にんじん…1/2本
シイタケ…4個
塩…少々
片栗粉…大さじ1
水…大さじ2

A
昆布かつおだし…400cc
酒…大さじ1
みりん…大さじ1
薄口しょうゆ…大さじ1強
砂糖…小さじ1
塩…少々

◎作り方
1 里芋は皮をむいて、1㎝幅の輪切りにする。塩でもみ、流水で洗い流してぬめりを抑える。にんじんは1㎝幅の輪切りにする。

2 豚ヒレ肉は1㎝の厚さに切り、塩をする。

3 鍋にAの薄口しょうゆ以外を入れ、沸いたら1の里芋とにんじんを加えて10分煮る。

4 3に薄口しょうゆとシイタケを入れ、10分煮る。

5 2の豚肉の水気を拭き、薄力粉を薄くはたいて4の鍋に入れる。さっと煮て倍量の水で溶いた片栗粉でとろみをつける。

6 5を煮汁ごと皿に盛り、好みでわさびを添える。

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PROFILE

毎日深夜帰宅の夫へ。体に負担をかけない肉料理を

冷水希三子(ひやみず・きみこ) 料理家

料理家・フードコーディネーター。レストランやカフェ勤務を経て独立。季節の食材を使ったやさしい味の料理が評判を呼び、雑誌や広告などで活躍中。器選びや盛り付けに至るまで、その料理の美しさでも注目を集めている。著書に『ONE PLATE OF SEASONS-四季の皿』(アノニマ・スタジオ)、『スープとパン』『さっと煮サラダ』(ともにグラフィック社)など。

PROFILE

  • 小林百合子

    編集者
    1980年兵庫県生まれ。出版社勤務を経て独立。山岳や自然、動物、旅などにまつわる雑誌、書籍の編集を多く手がける。女性クリエイター8人から成る山登りと本づくりユニット〈ホシガラス山岳会〉発起人。著書に『最高の山ごはん』(パイ・インターナショナル)、『いきもの人生相談室』(山と溪谷社)、野川かさねとの共著に『山と山小屋』(平凡社)など。

  • 関めぐみ(写真)

    写真家。アメリカ、ワシントンDC生まれ。スポーツ誌、カルチャー誌、女性誌などで活躍。また、広告やカタログ、CDジャケット、俳優の写真集なども担当。書籍に『8月の写真館』『JAIPUR』など。

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