冷水料理相談室

産後1ヶ月、怒涛の育児中でも作れるおいしい煮込み料理

  

〈相談者プロフィール〉
山田香織さん 33歳 女性
東京都在住
会社員

    ◇

 私は現在、第2子出産から1カ月を過ぎたところです。

 昔から産後1カ月は床上げしてはいけないと言われていることもあり、1カ月間は外出せず安静にしていたのですが、上の娘が2歳ということでじっとはしていられず、最近では下の子をベビーカーに乗せて外出したり、体調がいいときは上の子と自転車で出かけたりしています。

 上の子は早起きさんで、朝は6時前から起きて遊び相手を求めてくるので、夫と交代で早朝から散歩や公園に行くことも。上の子が退屈して泣いたりすると下の子も泣き始めて大合唱になることもあったりで、なかなかはなやかな毎日です。

 出産前は共働きで、上の子を保育園に預けていたのですが、育休を取得したことにより、保育園は一時退園ということになりました。これからは娘2人と過ごす毎日が始まるということで、平日2人育児をどうしようかと作戦を練っているところです。

 産後からずっと頭を悩ませているのは食事作りです。上の子が1人遊びをしている間はいいのですが、かまってほしがったり、空腹だったりするとキッチンの足元に来て騒ぐので、極力包丁を使わず、短時間で支度ができる煮込み料理が産後以来の定番メニューになっています。

 出産直後は睡眠不足の夜もあり、簡単に作れて栄養もとれるポトフを頻繁に作っていたのですが、最近はだんだん家族も飽き気味になってきてしまって……。

 小さい娘が2人いると買い出しにも頻繁に行けないので、煮込み用に骨つき肉を冷凍しておくことが多いのですが、味も単調で、お肉がパサパサになってしまうのも悩みの種です。

 2歳の娘は、骨つき肉にかぶりつくのが大好きなのですが、お肉がパサついてしまったときは食指が動かず、苦肉の策としてソーセージを一緒に煮込んだりしています。ポトフの上にチーズを溶かすという奥の手もあるのですが、チーズだけ食べられるということも(涙)。

 家族はもちろんなのですが、私自身も育児で疲れた体に染み入るような滋養のあるごはんが食べたいなあと思うこともあって、ぜひ冷水先生にアドバイスいただけたらと思い、応募してみました。

 うまみが溶け出して体に染み入るような、そして、手間がかかりすぎず、おいしい煮込み料理を教えていただけるとうれしいです。どうぞよろしくお願いします。

やわらか、ジューシー。スペアリブのトマト煮込み

  

<冷水先生からのメッセージ>

 小さなお子さんを育てながら家事をこなすお母さん、尊敬します!

 今回は育児をしながらでも作れる煮込み料理ということでしたが、じつは煮込み料理というのは、材料をお鍋に入れてただ煮込むだけではなかなかおいしく作れないのです。

 でも、ちょっとしたコツを抑えれば大丈夫。冷凍のお肉でも、やわらかく、ジューシーな煮込みが作れます。

 まず大切なのはお肉の解凍方法。前夜から冷蔵庫に移して自然解凍してもいいですが、密閉袋に入れたお肉をボウルに入れ、流水をかけて解凍するのもおすすめです。レンジなどで熱を入れると肉汁が出てしまい、パサつきの原因になるので注意してくださいね。

 もうひとつは煮込む前のひと手間。下味をつけたお肉の表面をフライパンで焼き(肉汁を閉じ込める)、白ワインを加えて5分ほど蒸し煮に(やわらかくする)。こうすることで、肉汁が逃げず、ほろほろとやわらかい食感に仕上がります。

 鶏肉でも豚肉でも考え方は同じです。これまでの煮込みがぐっとおいしくなると思いますので、ぜひ試してみてください。

野菜はピーマンとパプリカを使いましたがお好みで。トマト煮込みの場合は玉ねぎとにんにくは必須。甘みと香りが出るまでじっくり炒めることで、旨味とコクのある煮込みになります


野菜はピーマンとパプリカを使いましたがお好みで。トマト煮込みの場合は玉ねぎとにんにくは必須。甘みと香りが出るまでじっくり炒めることで、旨味とコクのある煮込みになります


豚肉は表面を焼いた後、白ワインで蒸し煮に。肉のパサつきを抑え、肉の旨味をぎゅっと閉じ込めます


豚肉は表面を焼いた後、白ワインで蒸し煮に。肉のパサつきを抑え、肉の旨味をぎゅっと閉じ込めます

■スペアリブとパプリカのトマト煮込み

◎材料(4人分)
豚スペアリブ…500g
玉ねぎ…1個
パプリカ…1個
ピーマン…4個
にんにく…1片
赤唐辛子…1本(種を取り除く)
シナモンスティック…1本(あれば)
ローリエ…2枚
トマト缶…200g
白ワイン…200ml
水…600ml
オリーブオイル…大さじ2
塩…適量

◎作り方
1 豚スペアリブに塩をもみ込んで30分ほどおく。
2 玉ねぎは薄くスライスしてざく切り、パプリカとピーマンは一口大に、にんにくは芯を取り除いて潰しておく。
3 鍋にオリーブオイル大さじ1とにんにく、玉ねぎを入れ、塩をひとつまみ加えて混ぜる。ふたをして弱火にかけ、玉ねぎが甘くなるまで時々かき混ぜながら蒸らし炒める。
4 3に赤唐辛子とシナモンスティック、ローリエ、トマト缶を加え、ふたをしてさらに10分ほど煮る。
5 4にパプリカとピーマンを加え、塩を少々振って再びふたをして10分ほど煮る。
6 フライパンに残りのオリーブオイルを入れ、1の豚肉を焼く。表面に火が通ったら余分な油をふき取り、白ワインを加えて中火で5分ほど煮る。
7 6の豚肉を煮汁ごと5の鍋に加え、分量の水を加えて中火にかける。沸いてきたらアクを取り、軽くふたをずらして4~50分煮る。塩で味を調える。

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PROFILE

産後1ヶ月、怒涛の育児中でも作れるおいしい煮込み料理

冷水希三子(ひやみず・きみこ) 料理家

料理家・フードコーディネーター。レストランやカフェ勤務を経て独立。季節の食材を使ったやさしい味の料理が評判を呼び、雑誌や広告などで活躍中。器選びや盛り付けに至るまで、その料理の美しさでも注目を集めている。著書に『ONE PLATE OF SEASONS-四季の皿』(アノニマ・スタジオ)、『スープとパン』『さっと煮サラダ』(ともにグラフィック社)など。

PROFILE

  • 小林百合子

    編集者
    1980年兵庫県生まれ。出版社勤務を経て独立。山岳や自然、動物、旅などにまつわる雑誌、書籍の編集を多く手がける。女性クリエイター8人から成る山登りと本づくりユニット〈ホシガラス山岳会〉発起人。著書に『最高の山ごはん』(パイ・インターナショナル)、『いきもの人生相談室』(山と溪谷社)、野川かさねとの共著に『山と山小屋』(平凡社)など。

  • 関めぐみ(写真)

    写真家。アメリカ、ワシントンDC生まれ。スポーツ誌、カルチャー誌、女性誌などで活躍。また、広告やカタログ、CDジャケット、俳優の写真集なども担当。書籍に『8月の写真館』『JAIPUR』など。

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