冷水料理相談室

朝仕込んで夜楽チン。ワーキングママの本格中華

  

〈相談者プロフィール〉
佐川トモコさん 39歳 女性
千葉県在住
会社員

    ◇
 私は平日フルタイムで働き、子ども3人(小学校3年生の女の子、小学校1年生の男の子、3歳女の子)を育てています。夕食は毎朝準備して出かけ、学童保育と保育園の迎えの後、さっと用意できるようにしています。

 涼しくなってくるとカレー、シチューなどの煮込み料理や、豚汁、具だくさんスープなどの汁物が多くなりますが、それ以外で、朝に仕込んでおけば、夜は短時間で食卓に出せる料理があればいいなあと思っている今日この頃です。
 平日は朝5時に起きて、学校と保育園の持ち物の支度。洗濯機を回しつつ、朝食作りと夕食の準備を同時に進めます。夫も5時過ぎには起きて、ゴミ捨てとお風呂掃除、6時前には小学生の2人が起きてきて、一緒に朝食を食べます。

 朝食後は片付けと夕食準備の続き。夫を送り出した後は末っ子の着替えと朝食を済ませ、自分の身支度をして7時半ごろに上の子たちを送り出し、末っ子を自転車で保育園まで送ります。私は駅に自転車を置いて電車で出社と、毎日、「早くして!」が飛び交う、戦場のような朝を過ごしています(笑)。

 これほど忙しい朝の時間に夕食の準備をするのは、夜、おなかをすかせた子供たちにできるだけ早くご飯を食べさせてあげたいという気持ちと、何より、夜は子供たちと一緒になるべくゆっくり過ごしたいという思いからです。

 フレックス退社で早く帰れることもありますが、たいていは6時ごろに退社して、小学生2人の通う学童保育と末っ子の保育園へ迎えにいってからの帰宅になるので、家に着くのは早くても7時過ぎ。

 鍋ごと温めるだけで食べられる煮込み料理をメインに、マリネはあえるだけ、サラダはドレッシングをかけるだけですぐ食べられるよう仕込んでおくのが定番です。

 夫も子供たちも食欲旺盛で、夫は肉類などスタミナ系メニューが好き。子供たちも好き嫌いなくなんでも食べます。外食も喜びますが、夫も子供も「家のごはんが大好き!」と言ってくれることが、忙しい日々のなかでも「おいしいごはんを作ろう」と思えるモチベーションになっています。

 夕食時は子供たちそれぞれが自分の一日について話したがり、”交通整理”が必要なくらいで、それはそれはにぎやか。そんな風景を見るにつけ、これからも楽しい食卓を作れるよう、がんばって朝の仕込みをしよう! と思います。

 そこでぜひ、最近のマンネリを脱する作り置きのアイデアを教えていただきたいなと思っています。煮込み料理以外で朝仕込んでおけるメイン料理、自分ではなかなか思いつきません……。よく食べる夫と子供たちに満足してもらえて、ほっと和めるメニューだと、とてもうれしいです。どうぞよろしくお願いいたします。

漬けておいしさアップ! 鶏とカシューナッツの炒めもの

  

<冷水先生からのメッセージ>

 朝仕込んでおいて、夜さっと仕上げるだけで食べられるメニューと思うと、確かに温めるだけで食卓に出せる煮込みや煮物が頭に浮かびますよね。でも少し発想を変えて、スピーディーに作れる炒めものというのはどうでしょう?

 炒めものをおいしく作ろうと思うと、お肉にしっかり下味をつけたり、しょうがやにんにくなどの香味野菜をみじん切りにしたりなど、じつは手間がかかるのですが、下準備を朝済ませておけば、夜はざっと炒めるだけで本格的な炒めものが作れます。

 今回は鶏もも肉とピーマン、カシューナッツを使った中華風に。鶏を大きめのぶつ切りにすることで食べ応えが出ますし、しょうがが効いた甘酸っぱい風味で、ごはんが進みます。

 ポイントは朝のうちに鶏に下味をつけ、寝かせておくこと。味がしっかりしみて、やわらかくなります。仕上げの際は、肉と野菜をいっぺんに炒めるのではなく、肉と野菜、別々に火を入れ、最後に炒め合わせます。

 ここが少しだけ手間かもしれませんが、こうすることで肉はふっくら、野菜はしゃきしゃきと、それぞれの食感を生かしたメリハリのある炒めものになりますので、ぜひ挑戦を。

 肉の下準備、野菜類のカット、合わせ調味料も朝作ってしまってOKです。夜は中華料理屋さんになった気持ちで、リズムよく調理してみてください。音も香りも華やかで、なかなか楽しいものですよ。

カシューナッツは最初に炒めて油に香りを移し、いったん取り出します(焦げるので)。鶏肉と香味野菜、その他の野菜を時間差で炒め合わせ、最後にカシューナッツを戻し入れましょう


カシューナッツは最初に炒めて油に香りを移し、いったん取り出します(焦げるので)。鶏肉と香味野菜、その他の野菜を時間差で炒め合わせ、最後にカシューナッツを戻し入れましょう

■鶏肉とピーマン、カシューナッツの炒めもの

◎材料(2人分)

鶏もも肉…1枚
ピーマン…4個
シイタケ…4個
長ネギ…15㎝
カシューナッツ…20g
水…大さじ1

A
塩…ふたつまみ
五香粉…小さじ1/8
酒…大さじ1
溶き卵…小さじ2
片栗粉…大さじ1
油…小さじ1

B
しょうが…1片
にんにく…1片
赤唐辛子…1本(種を取り除く)

C
濃い口しょうゆ…大さじ1と小さじ1/3
鶏スープ(なければ水)…大さじ4
酒…大さじ1
砂糖…大さじ1/2
酢…小さじ2
片栗粉…小さじ1
油…大さじ1と1/2
ごま油…適量

◎作り方
1 鶏もも肉は2~3㎝大に切ってボウルに入れる。Aを順番に加えてもみ込み、ジッパー付き密閉袋に入れておく。
2 ピーマンは一口大、シイタケは4~6等分、長ネギは5㎜幅の小口切りにして合わせておく。
3 Bのしょうがとにんにくはみじん切りにして合わせておく。
4 Cを混ぜ合わせておく。

 〜ここまで朝のうちに仕込んでおく〜

5 フライパンに油大さじ1とカシューナッツを加えて弱火にかけ、カシューナッツが色づいたら取り出す。
6 5に1の鶏肉を入れて炒める。色が変わってきたらBを加えて炒め、いったん取り出す。
7 同じフライパンに油を足して火にかけ、2の野菜と分量の水を足して炒める。
8 7に取り出した6の鶏肉と5のカシューナッツを戻し入れて軽く炒め合わせる。合わさったらCを加え、とろみが出るまで炒める。最後にごま油をまわしかける。

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PROFILE

朝仕込んで夜楽チン。ワーキングママの本格中華

冷水希三子(ひやみず・きみこ) 料理家

料理家・フードコーディネーター。レストランやカフェ勤務を経て独立。季節の食材を使ったやさしい味の料理が評判を呼び、雑誌や広告などで活躍中。器選びや盛り付けに至るまで、その料理の美しさでも注目を集めている。著書に『ONE PLATE OF SEASONS-四季の皿』(アノニマ・スタジオ)、『スープとパン』『さっと煮サラダ』(ともにグラフィック社)など。

PROFILE

  • 小林百合子

    編集者
    1980年兵庫県生まれ。出版社勤務を経て独立。山岳や自然、動物、旅などにまつわる雑誌、書籍の編集を多く手がける。女性クリエイター8人から成る山登りと本づくりユニット〈ホシガラス山岳会〉発起人。著書に『最高の山ごはん』(パイ・インターナショナル)、『いきもの人生相談室』(山と溪谷社)、野川かさねとの共著に『山と山小屋』(平凡社)など。

  • 関めぐみ(写真)

    写真家。アメリカ、ワシントンDC生まれ。スポーツ誌、カルチャー誌、女性誌などで活躍。また、広告やカタログ、CDジャケット、俳優の写真集なども担当。書籍に『8月の写真館』『JAIPUR』など。

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