ほんやのほん

紙を「めくる」よろこび。『A VERY MERRY EVERY DAY to you』

ほんや1204

撮影/馬場磨貴

早いもので暦は12月。来たる新年に向けてあらゆるモノを新調したくなる時期でもある。

スマートフォンが普及し、様々なモノの代わりの役目を果たしている現代。時計、手帳、カメラ、本、音楽、映画、テレビ…お財布にだってなってしまう。そんなモノの中にカレンダーがある。スマートフォンを持つようになってからカレンダーを買うのをやめた、という方は多いのではないだろうか。かく言う私もその1人。このカレンダーに出逢うまでは……。

それは、“A VERY MERRY EVERY DAY to you”という日めくりカレンダーブック。日めくりカレンダー? 本? 実はどちらの要素も併せ持つカレンダー。フォトグラファーの大段まちこさん、スタイリストの岡尾美代子さん、デザイナーの岡村香織さんにより制作されたこちらは、単なる日めくりカレンダーではない。

世界中のあらゆる記念日を調べ、その記念日にふさわしい雑貨を岡尾さんがセレクトし大段さんが撮影、岡村さんがデザインを担当。思わず顔がほころんでしまうユニークな記念日や温かい気持ちになれる記念日、有名人の誕生日まで、365日分毎日楽しめる。明日は何の日だろう、と「めくる」楽しみをつくり、ささやかな幸せを見つけられるカレンダーだ。

『A VERY MERRY EVERY DAY to you 日めくりカレンダー 2018年版』大段まちこ・岡尾美代子・岡村佳織 3996円(税込み)

『A VERY MERRY EVERY DAY to you 日めくりカレンダー 2018年版』大段まちこ・岡尾美代子・岡村佳織 3996円(税込み)

白い箱にずっしりとした重さで格納されていて、さながら雑貨のようでもあり、今の時期には贈りものとしてもぜひおすすめしたい。めくった後は、壁にマスキングテープなどでお気に入りの日を貼るのもすてき。そして、友人や家族の誕生日の日を切り取り、裏にメッセージを書いて渡しても。実際、私は2017年度版をメッセージカードとして何枚も使った。自由自在な使い方ができる、まるで魔法のような本。

そして思う。「めくる」楽しみを味わえるのは、本という物質ならではの特権だ。紙の手触りを身体の先端から感じとり、目の中に飛び込む写真に心温まる。そんな小さな行動が、日々の暮らしに彩りを添えてくれる。

人生山あり谷あり。うれしい時だって落ち込んでしまう時だってある。でもそんな時に背中を押してくれたり、もっと気分が上がるような体験をさせてくれるのは、私にとってはやっぱり本なのだ。

そういう本や雑誌たちのすてきさをこれからも届けていけたら、こんなにうれしいことはない、と改めて強く思う1年の締めくくり。さあ、明日は何の日だろう。朝になったらまた1枚、カレンダーをめくろう。

(文・高山かおり)


  •    

    現代生活で“帰るべき場所” ミナ ペルホネンのノスタルジー
       

       

    現代生活で“帰るべき場所” ミナ ペルホネンのノスタルジー


       

  • >> おすすめの本、まだまだあります

    PROFILE

    蔦屋書店 コンシェルジュ

    そのとき一番おすすめの本を、週替わりで熱くご紹介します。

    ●代官山 蔦屋書店
    間室道子(文学)
    ●二子玉川 蔦屋家電
    岩佐さかえ(健康 美容)/中田達大(ワークスタイル)
    嵯峨山 瑛(建築 インテリア)/松本泰尭(人文)
    ●湘南 蔦屋書店
    川村啓子(児童書 自然科学)/藤井亜希子(旅)
    八木寧子(人文)/若杉真里奈(雑誌 ファッション)

    高山かおり(たかやま・かおり)

    代官山 蔦屋書店 マガジンコンシェルジュ。北海道生まれ。
    某セレクトショップの販売員として5年間勤務。在職中にルミネストシルバー賞を受賞。2012年4月より現職。主に国内の雑誌・リトルプレスの仕入れ、マガジンストリートでのフェア・イベントの企画を手がける。初めて読んだ雑誌は、4歳のときに出会った『こどものとも』。

    江戸の名料亭「八百善」の料理を食べてみたい……。『料理通異聞』

    一覧へ戻る

    朝、目覚めると戦争が始まっていたら。『R帝国』

    RECOMMENDおすすめの記事