冷水料理相談室

会社の同僚たちへ。忘年会であっと驚くエスニック鍋を

  

〈相談者プロフィール〉
田中孝之 28歳 男性
東京都在住
会社員

    ◇

都内の出版社で働いています。会社の恒例行事といいますか、忘年会のような形で毎年パーティーを開くのですが、今回はそのパーティーで振る舞う料理について、ぜひ冷水先生にアドバイスをいただきたく、応募しました。

僕が働いている会社の忘年会は、外のお店などではなく、社内ホームパーティー形式。料理の分担を決め、それぞれが自宅でできるところまで準備をしてきて、最後は会社の小さな台所で仕上げ調理。みんなで作って食べるというアットホームな会です。

参加するのは同じ部署で働いているメンバーですが、なかには月に1、2度しか顔をあわせることのない人や、ふだん黙々と仕事をしていて言葉を交わす機会が少ない人もいます。

年に一度ではありますが、一緒に働く仲間とゆっくり料理を作って食べ、おおいに話せるという会は、いろいろな人とコミュニケーションをとれるすてきな場だなと思います。

大人数で食卓を囲むため、メインのメニューは鍋になることが多いです。僕の部署のメンバーには、九州、東北、関西、関東出身者、さらには帰国子女もいて、とても多国籍(笑)。前回はきりたんぽ鍋で、それぞれの出身地のご当地鍋が登場することも多々あります。

今年のメニューはまだ決まっていないのですが、ぜひ多国籍なメンバーが喜んでくれるような鍋を作ってみたいなと考えています。僕はふだんは凝った料理は作らないのですが、スパイスを使ったエスニックな鍋なんて楽しいんじゃないかなと漠然と思っています。

ただ、スパイスなどほとんど使ったことがないので、何を使ってもカレーになってしまうのでは!?などと素人考えですみません(笑)。

自分で作ったことのある鍋といったら、昆布だしに鶏肉や野菜を入れた水炊きくらいなのですが、ぜひ僕でも作れるエスニック鍋のアイデアがあれば教えていただきたいなと思っています。

どこの会社も忙しいことには変わりないと思いますが、こと出版社というのは日々締め切りに追われる仕事です。みんなの一年の疲れがとれて、体も心もあたたまる鍋を作って、楽しい忘年会にできたらうれしいです。どうぞよろしくお願い致します。

パーティー華やぐ、エスニックなサフラン鍋

  

<冷水先生からのメッセージ>

会社のみなさんと一緒にお料理して食べるなんて、すてきな忘年会ですね。ぜひ今年はスパイスを使った洋風の鍋で、みんなを驚かせてあげてほしいなと思います。

今回ご紹介するお鍋は、サフランを出汁(だし)に使ったもの。サフランを使った料理といえばパエリアが有名ですが、お鍋に使うとあのきれいな黄色がスープに出て、見た目にも華やか。

サフラン特有の甘く、スパイシーな風味は魚介にもお肉にも合うので、みんなが好きなものをどんどん入れてにぎやかに食べていただきたいです。サフランはスパイスの中でもそこまで香りや味にくせがないので、スパイスが苦手という人でも抵抗なく食べられるかなと思います。

お鍋の悩みは、食べ続けているとだんだん飽きてくるところですよね。今回は簡単に作れるアリッサ(唐辛子とスパイスを混ぜた調味料)のレシピもご紹介しますので、途中で鍋に足しつつ、味の変化を楽しんでください。

シメはごはんを入れてリゾットにしてもいいですし、クスクスにかけて食べてもおいしいですよ。

鶏肉はいったんフライパンで表面に焼き色をつけてから土鍋へ。肉のうまみが凝縮されて、おいしくいただけます


鶏肉はいったんフライパンで表面に焼き色をつけてから土鍋へ。肉のうまみが凝縮されて、おいしくいただけます

今回は手に入りやすいスパイスを混ぜるだけで作れる簡単アリッサをご紹介します。お鍋やスープに少し足すだけでエスニック感が高まりますよ


今回は手に入りやすいスパイスを混ぜるだけで作れる簡単アリッサをご紹介します。お鍋やスープに少し足すだけでエスニック感が高まりますよ

■チキンと貝のサフラン鍋

◎材料(5人分)
鶏もも肉骨つき(ぶつ切り)…600g
A
レモン汁…大さじ1
塩…小さじ1

あさり…250g
牡蠣(カキ)…好みの量
サフラン…4g
酒…100ml
水…700ml
トマト…1個
セロリ…1本
長ネギ…1本
カリフラワー…1/2個
塩…適量
☆アリッサ…適量

◎作り方
1 鶏肉はAをもみ込んで1時間ほどおく。あさりは砂抜きをしておく。牡蠣は塩水で振り洗いをし、流水で洗ってから水気を拭いておく。

2 トマトは8等分のくし切りに。セロリと長ネギは5㎜幅の斜めスライス、カリフラワーは小房に分ける。

3 フライパンに油(分量外)をひき、水気を拭いた鶏肉を焼く。鶏肉を土鍋に移し、酒を加えて火にかける。

4 3が沸いたら分量の水、サフラン、野菜、あさりを加える。煮えたら塩で味を調え、食べる。途中で牡蠣を入れる。

*牡蠣は最初から入れると固くなってしまうので、食べたいタイミングで入れて食べて下さい。好みでアリッサを溶かして食べてもおいしいです。

☆アリッサの作り方
◎材料
にんにく(すりおろし)…1片
粗びき赤唐辛子…大さじ1
クミンパウダー…大さじ1/2
コリアンダーパウダー…大さじ1/2
パプリカパウダー…小さじ1
塩…小さじ1/3
EXVオリーブオイル…大さじ2

◎作り方
全てを混ぜ合わせる。

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冷水希三子(ひやみず・きみこ) 料理家

会社の同僚たちへ。忘年会であっと驚くエスニック鍋を

料理家・フードコーディネーター。レストランやカフェ勤務を経て独立。季節の食材を使ったやさしい味の料理が評判を呼び、雑誌や広告などで活躍中。器選びや盛り付けに至るまで、その料理の美しさでも注目を集めている。著書に『ONE PLATE OF SEASONS-四季の皿』(アノニマ・スタジオ)、『スープとパン』『さっと煮サラダ』(ともにグラフィック社)など。

PROFILE

  • 小林百合子

    編集者
    1980年兵庫県生まれ。出版社勤務を経て独立。山岳や自然、動物、旅などにまつわる雑誌、書籍の編集を多く手がける。女性クリエイター8人から成る山登りと本づくりユニット〈ホシガラス山岳会〉発起人。著書に『最高の山ごはん』(パイ・インターナショナル)、『いきもの人生相談室』(山と溪谷社)、野川かさねとの共著に『山と山小屋』(平凡社)など。

  • 関めぐみ(写真)

    写真家。アメリカ、ワシントンDC生まれ。スポーツ誌、カルチャー誌、女性誌などで活躍。また、広告やカタログ、CDジャケット、俳優の写真集なども担当。書籍に『8月の写真館』『JAIPUR』など。

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