花のない花屋

きっかけは出会い系サイト、かけがえのない彼へ

きっかけは出会い系サイト、かけがえのない彼へ

〈依頼人プロフィール〉
安田真美子さん(仮名) 43歳 女性
愛知県在住
パートタイム

いまの恋人とは、元夫と離婚して2、3年後に出会い系サイトで出会いました。息子が小学校へあがる頃で、いろいろと悩んでいたときに、ふらっとサイトに入ったのがきっかけです。

4歳年上の彼も離婚していて、二人のお子さんを育てています。しかも、やりとりをしているうちに、なんと子どもたちが同じ小学校に通っていたことが判明。家も偶然近所でした。

私は、小学校が自分の時代とあまりに変わっていたのでわからないことが多く、悩んでいた頃。彼は思春期の長女がいて、男親にはわからないことが増え、悩んでいた頃。お互いに悩みを打ち明けて助言し合い、助け合いながらたくさんのことを乗り越えてきました。

数年前、彼の娘さんが「高校をやめたい」と言い出したときは、私が実際に彼女に会って、説得しました。私は高校を中退して夜間の学校に通っていたので、実感をもって話せたのです。それが功を奏したのか、最終的にはやめずに続けることになり、先日大学進学も無事に決まりました。

彼のお子さんは、いま高校3年生と20歳。とりあえず子育ては一段落です。私の子どもはまだ中学2年生で微妙な年頃なので、子どもたちには友人として紹介しています。いずれ時期がきたら……とは思っていますが、結婚という形をとるかどうかはまだわかりません。

それでも、この10年でお互いがかけがえのない存在になったのは言うまでもありません。別れた夫とは、こうやって子どものことを話し合うことさえできませんでした。一方、彼はいつも私のことを考えてくれ、悲しいときは寄り添って泣き、楽しいときは一緒に笑ってくれます。彼がいなかったら、今頃どうなっていただろう……と思うと想像できません。彼との出会いのきっかけを言えば、親も友達も「えっ」と驚くかもしれません。でも、私はこの出会いに感謝しています。

前の結婚はうまくいかなかったけれど、彼とならうまくいくでしょう。でも、紙切れはそれほど重要ではありません。紙がなくても私たちには積み上げてきた信頼関係があります。〝夫婦〟にも、いろいろな形があるのですね。

そんな大切な彼に、とりあえず子育て一段落の「おつかれさま」と、「これからもよろしくね」という気持ちを込めて花束を贈りたいです。

彼にあげる花束はどんなものがいいだろう? と何度も考えましたが、よくわかりません。彼はソフトボールをやっている娘さんの送り迎えなどで、いつも日焼けしています。色が黒いので原色がとても似合います。家具の職人をしており、性格は控えめでやさしい雰囲気です。私にとっては太陽のような存在です。原色を使いつつ、やさしい雰囲気の花束というのはできますでしょうか?

きっかけは出会い系サイト、かけがえのない彼へ

花束を作った東さんのコメント

「原色の花を使いつつ、優しい雰囲気で」というリクエストだったので、カラフルな花らしい花を選んでまとめました。

使用した花材はダリア、エピデンドラム、カーネーション、アンスリウム、ガーベラ、リンドウなど。リンドウの青が入ると、全体的に発色がよくなります。ダリアは赤と黄色、エピデンは黄色、オレンジ、紫と、色違いで挿しています。黄色いガーベラは花弁がカールしている珍しい種類のものなので、縦に挿して花弁を目立たせました。

プロテアは存在感のある彼の象徴として加え、多肉植物は花が終わっても育てられるものがあるといいなと思い、挿しました。

全体的にコントラストの強い色の組み合わせなので、まわりのリーフワークは複色のドラセナの葉に。ビロード折をいくつも作り、たっぷり使ってボリュームを出しています。

これからもすてきな関係が続いていきますように。

きっかけは出会い系サイト、かけがえのない彼へ

きっかけは出会い系サイト、かけがえのない彼へ

きっかけは出会い系サイト、かけがえのない彼へ

きっかけは出会い系サイト、かけがえのない彼へ

(写真・椎木俊介/ライター・宇佐美里圭)

「&w」では、読者のみなさまから「物語」を募集しています。
こんな人に、こんな花を贈りたい。こんな相手に、こんな思いを届けたい。
花を贈りたい人とのエピソードと、贈りたい理由をお寄せください。毎週ひとつの物語を選んで、東さんに花束をつくっていただき、花束は物語を贈りたい相手の方にプレゼントします。その物語は花束の写真と一緒に&wで紹介させていただきます。
詳しくは応募フォームをご覧のうえ、お申し込みください。

フラワーアーティスト・東信 (あずままこと)

1976年生まれ。
2002年より花屋を営み続け、現在は東京・南青山にてオートクチュールの花屋「JARDINS des FLEURS」を構える。2005年よりフラワーアーティストとして、ニューヨーク、パリ、ドイツ、ブラジル等、国内外で精力的な活動を展開。独自の視点から花や植物の美を表現し続けている。
作品集に「ピエール・エルメ サティーヌ」「ENCYCLOPEDIA OF FLOWERSII 植物図鑑」(ともに青幻舎)など。

facebook

instagram

http://azumamakoto.com/

試練を乗り越えて前へ 妹夫婦に

一覧へ戻る

一緒に頑張ろうね。長期治療中の次男と私たち家族に

RECOMMENDおすすめの記事