野村友里×UA 暮らしの音

〈暮らしの音〉日本という「島国」って?

沖縄の海で、UAと


沖縄の海で、UAと

 フードクリエイティブチーム「eatrip」を主宰する野村友里さんと、歌手のUAさんが往復書簡を交わす連載「暮らしの音」。今回、お二人が選んだテーマは「島」です。
 島と言えば、日本は島国。そして、UAさんがいま暮らしているのは、カナダの島。改めて、島ってどういうものだろう……? まずは、野村さんからUAさんへのお手紙です。
>>UAさんの手紙からつづく

    ◇

うーこ

お手紙ありがとう。
相変わらず新鮮に読み
文字を追いながら何度も「うん、うん」とうなずき
そして想像を幾度となく膨らませ
しまいには、そこにいるかのごとく大きく深呼吸してみたりしてね。

遠い地で
全く私と異なる暮らしを始めようとしているあなたの体験は
やっぱり刺激的で
手紙という手法のよさを再確認しているところよ。

それにしても
私は季節に例えると春かに?!

この間ちょうどフト
今までの人生を季節に例えて考えていたの。
ここ数年は、この上なく厳しく寒い冬だったなぁと。
そして冬の後に必ず春が訪れる四季のように
春がやってくるのだなぁ~と思っていたところ。
厳しい冬の季節は一言でいうなら
ひたすら“耐える”という言葉が浮かぶ。
生きている意味があるのかしら?
と自分なりにとことん内面と向き合い
思い通りにいかない時こそ謙虚になり
気づきも多かったと思う。
頭に入ってくる言葉や意識するものも変わってくるし、響く景色も違ってくる。
だからこそ、長く厳しい冬のトンネルを抜けて
和らぐ春がくるとき、一層その暖かさ明るさが身に沁みて
ありがたく思うのよね。

夏や春だけの人生よりも
秋、冬があって四季がある方がより豊かで美しい、と
ある先輩に言われた言葉をしみじみ感じる40代半ばの私です。
では、80歳まで生きたとすると
また繰り返すのだろうか。。。!!

春と言えば、“爛漫”
うーこと私の関係こそ、
例えると“爛漫”という言葉があてはまる気がするな。

どんな話も、どんな状況でも、
結果“爛漫”になっている感じがしない?
希望と笑いを忘れずに。

……と、本題。
先日、次回のテーマは何にしようかしらとやり取りしていた時に
うーこから“島”という言葉がポンと返ってきた。

以前、
冒険家で写真家の石川直樹くんが島の写真を撮っていた時に
言った言葉が忘れられないのだけど。
大きいも小さいも、島の端が文化の最先端だ、と。

海の向こうのことが渡って入ってくるのは常に端からで
内陸に伝わり、また端から次の島、大陸にと伝わってゆく。
アメリカの西海岸と日本の間に点々としている島を辿っていくだけでも
たくさんの文化(言語や民族、食べ物や暮らし)のグラデーションが見られて面白いと。

石川直樹くんが、火のおこしかたを教えてくれた


石川直樹くんが、火のおこしかたを教えてくれた


私が作ったカレーを温め、ごはんは飯盒炊爨(はんごうすいさん)で炊いて


私が作ったカレーを温め、ごはんは飯盒炊爨(はんごうすいさん)で炊いて

確かに、発端、プリミティブなものが隅や端から伝わって、
濾過され凝縮されたものが、中心部に入ってくるのかもしれない

東京はそういった視点で見ると、ある意味遅いのかも。
食材に限ると、方々から時間をかけて集まってきたものばかりで“now”ではない。
衣だって、生地や原材料からとなれば方々に足を運ばなければいけないし。

でも日本を一つの大きな島としてとらえると
アジアの中で最も東に位置していたから、“極東”となる。

そして最初に太陽が昇る国ということから
日本という国名や国旗の赤い丸は太陽をあらわしているって言われているくらいだから
この話の流れでいくとアジアの中でも最先端なのかしら??

キンパ。おとなり韓国の主食も、お米


キンパ。おとなり韓国の主食も、お米


  

と気にかけていくと
仏教が入ってくるさらに以前の縄文時代にまで興味がでてきてしまう。
1万7000年前に出現した縄文土器は、
煮物や煮炊き液体の貯蔵に使われていたという。
となると、人類でかなり早い段階から調理をしてたということ!

西洋からきた文化に影響を受け、ここ百数十年でどんどん様変わりしてきた日本だけど
実は島国としては最先端も最先端を走っていた民族、土地だったんだな~と思いを馳せ始めたりとかしてね。
岡本太郎さんが縄文の美に魅せられていたという書籍を読み始めたりしているところ。
日本語も、最初の始まりは“これを食べると危険”とか”これは大丈夫”とかを伝えようとしたことが始まりだと、つい先日も聞いたりしたのだけど。。。

何だか島のテーマから縄文の話になってしまったけど
沖縄、そして今はカナダの島と、島ぐらし経験が豊富なうーこ。
島を意識することって日常であるのかしら??

友里

PROFILE

  • UA

    1972年大阪生まれ。母方の故郷は奄美大島。1995年デビュー。1996年発表のシングル「情熱」が大ヒット。2000年、ブランキー・ジェット・シティを解散した浅井健一とAJICOを結成。同年、初主演映画「水の女」(テサロニキ国際映画祭グランプリ受賞作品)公開。2003年から放送されたNHK教育テレビ番組「ドレミノテレビ」に、歌のおねえさん「ううあ」としてレギュラー出演。2004年、数々の童謡・愛唱歌を集めた、ううあ名義アルバム「うたううあ」をリリース。2006年、菊地成孔とスタンダードジャズアルバム「cure jazz」をリリース。2010年、デビュー15周年企画カバーアルバム「KABA」をリリース。2016年、7年ぶりとなるオリジナルアルバム「JaPo(ヤポ)」をリリースした。また、2005年より都会を離れ、田舎で農的暮らしを実践中。現在はカナダに居住。4人の母でもある。α-STATION(FM京都)の番組「FLAG RADIO」にレギュラー出演中。

  • 野村友里

    料理人(りょうりびと)、「eatrip」を主宰。おもてなし教室を開く、母・野村紘子さんの影響を受けて料理の道に。主な活動に、レセプションパーティーなどのケータリングフードの演出、料理教室、雑誌の連載、ラジオ番組など。2009年、初の監督作品『eatrip』を公開。11年、「シェ・パニース」のシェフたちとともに、参加型の食とアートのイベント「OPEN harvest」を開催。その経験を経て日本のシェフたちとともに「nomadic kitchen」プロジェクトをスタート。12年、東京・原宿に「restaurant eatrip」をオープン。著書に『eatlip gift』『春夏秋冬 おいしい手帖』(マガジンハウス)、『Tokyo Eatrip』(講談社)、共著に『TASTY OF LIFE』(青幻舎)がある。

〈暮らしの音〉畑を耕しながら、無意識の鍛錬

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〈暮らしの音〉陰と陽 日本という島の連なり

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