猫と暮らすニューヨーク

郊外の一軒家、2匹の子猫に家族みんなで恋に落ちた

「ベイビーガールには、絆みたいなものを感じてるんだ」というカヴィ君。終始ベイビーガールにべったりです

「ベイビーガールには、絆みたいなものを感じてるんだ」というカヴィ君。終始ベイビーガールにべったりです

[猫&飼い主のプロフィール]
猫・Baby Girl(ベイビーガール)3カ月 メス 茶トラ白猫、Henry(ヘンリー)3カ月 オス 茶トラ白猫
飼い主・アーティストのNicole Patel(ニコール・パテル)さん、夫のSweetu(スウィートゥ)さん、息子のKavi(カヴィ)君の3人家族。NY郊外にある1軒家の2ベッドルームで、愛犬のジョージアと共に暮らす。

アーティストのニコール・パテルさんが家族と暮らすのは、マンハッタンからバスで40分ほどのところ、豊かな自然のなかにある小さな街。2階建てのかわいらしい一軒家の2ベッドルームで、夫と6歳になる息子、犬のジョージア、新たに加わった2匹の子猫と営む毎日は、賑やかなことこの上ない。

一家が猫を飼うきっかけとなった出来事が起きたのは、去年12月のこと。
別の街に暮らす大家さんの家の玄関先に、子猫3匹が姿を見せたのだという。「大家さんが普段からエサを与え面倒を見ていた一組の野良猫がいたんです。その野良猫が、ある晩に子猫3匹を連れてきたみたいで……」(ニコールさん)

かつてインテリア業界で働いていたニコールさん。壁や床などを自分で塗装したというインテリアは、グレーや白といったニュートラルカラーで素敵にまとめられています

かつてインテリア業界で働いていたニコールさん。壁や床などを自分で塗装したというインテリアは、グレーや白といったニュートラルカラーで素敵にまとめられています

外は凍えるような寒さ、生後数週間の子猫たちを放っておくことはできないと、大家さんは家の中に保護した。それを知ったニコールさんは大家さんを気遣い、子猫たちが譲渡できる大きさになるまで一時預かりすることを提案したという。

「そうして我が家に子猫3匹がやってきたら、それはもうかわいくて。家族みんなで恋に落ちてしまったというわけ(笑)」
ということで、オスとメスの2匹をニコールさん一家が譲り受けることに。もう1匹はブルックリンに暮らす親友へ、譲り渡したのだという。

「たくさんのかわいい名前が候補に挙がったけれど…」とニコールさん、結局フィーリングで、ヘンリーとベイビーガールという名前に

「たくさんのかわいい名前が候補に挙がったけれど……」とニコールさん、結局フィーリングで、ヘンリーとベイビーガールという名前に

オレンジと白のトラ柄をまとい、うりふたつの顔をした兄妹猫。メス猫はベイビーガール、ひとまわり体の大きなオス猫は、ヘンリーと名付けた。
2匹の性格や、趣味嗜好は未知数。とにかく今は、全身全霊で遊び、疲れたら寝るの繰り返しだ。当然、いたずらも後を絶たない。

「まだよちよち歩きの赤ちゃんと一緒。いたずらをしようとしたら、オモチャや興味のありそうな物を与えて、気をそらせること。猫に好ましい遊びで、常に好奇心を満たしてあげるようにしています」とニコールさん。アートに用いる毛糸玉やビーズ、テニスボールや、庭仕事用の麻ヒモで、2匹は目下夢中になって遊んでいるという。

従順な子猫のうちにと、ニコールさんはトイレ訓練も始めた。
といっても、砂を敷き詰めた猫用のトイレではなく、人間が使う便器でのトレーニング。便座の上に、訓練用の丸いプレート(便座を覆うサイズで、真ん中がくぼんで猫砂が入れられるようになっている)を置き、まずは便座の上で用を足すことを覚えさせる。慣れてきたら少しずつ砂の量を減らしていき、最後は猫砂の部分をすっぽり外す。するとドーナツ状に穴のあいたプレートとなり、穴の真下は当然便器となる。猫たちは、それまで猫砂があった場所、つまり穴に向かって、自然と用を足すようになるという仕組みだ。慣れて体も大きくなったら、訓練用のプレートも外してしまう。そうすれば、人間と同じように便座に腰を下ろして用を足す猫になるという。

なるほど……。しきりに感心する取材チームに、「まだ成功したと言うには、早いけれど」とニコールさんは笑う。

ニコールさん曰く、「ヘンリーを抱きかかえると、今までの人生で経験したこともないような、深い愛を感じるんです。これは密かな私だけの秘密…。ああ、でももう秘密じゃなくなっちゃうけれど!」

ニコールさん曰く、「ヘンリーを抱きかかえると、今までの人生で経験したこともないような、深い愛を感じるんです。これは密かな私だけの秘密……。ああ、でももう秘密じゃなくなっちゃうけれど!」

ところで、子どもの頃に猫と暮らした経験があるニコールさんは、子猫たちを飼い始めて、よみがえった記憶があるという。
「子どもの私に、猫をもらってきてくれたのはおばあちゃんでした。猫を可愛がる私を見て、よくこう言ったんです。『来世では、猫になって戻ってくるからね』って。そういえば、おばあちゃんは、子猫たちみたいに柔らかなジンジャーヘア(赤毛)だった。ある夜、ベイビーガールを見ていたら、ふいにそんなことを思い出して、思わず泣いてしまったんです」(ニコールさん)

子猫は、いたずらが日課。「ダイニングテーブルに飛び乗ったときは、テーブルを叩いてびっくりさせます。テーブルから降りたら、褒めて撫でてあげる。そうやってしつけています」(ニコールさん)

子猫は、いたずらが日課。「ダイニングテーブルに飛び乗ったときは、テーブルを叩いてびっくりさせます。テーブルから降りたら、褒めて撫でてあげる。そうやってしつけています」(ニコールさん)

それはちょうど2月14日の夜のこと、おばあちゃんが亡くなった日と同じ、バレンタインデーだったという。
「ベイビーガールをぎゅっと抱きしめて思ったんです、“きっとおばあちゃんの生まれ変わりだ”ってね。おじいちゃんは、桃のような頬をしたおばあちゃんのことをピーチズ(愛する人への愛称のひとつでもある)って呼んでいたから、今でも私とベイビーガールだけのときは、こっそりピーチズって呼びかけているんですよ」

(写真・前田直子)

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ニコールさんのインスタグラム
https://www.instagram.com/nicole__patel/
ニコールさんのウェブサイト
http://www.nicole-patel.com

PROFILE

前田直子

写真家 24歳で渡米。サンフランシスコのAcademy of Art Universityで写真を学んだ後、日本へ帰国し、フォトグラファーの前田晃氏に師事。2010年に独立し、雑誌や写真集、ウェブなどで幅広く活動。2013年に再び渡米、現在はニューヨーク・ブルックリンを拠点に、日本&アメリカの雑誌や広告、ウェブなどで撮影を手がける。猫アレルギーでありながら、子どもの頃から無類の猫好き。10代の頃、実家で飼っていた猫の名前はチノ。
www.naokomaeda.net

PROFILE

仁平綾

編集者・ライター
ニューヨーク・ブルックリン在住。食べることと、猫をもふもふすることが趣味。愛猫は、タキシードキャットのミチコ。雑誌等への執筆のほか、著書にブルックリンの私的ガイド本『BEST OF BROOKLYN』、『ニューヨークの看板ネコ』『紙もの図鑑AtoZ』(いずれもエクスナレッジ)、『ニューヨークおいしいものだけ! 朝・昼・夜 食べ歩きガイド』(筑摩書房)、共著に『テリーヌブック』(パイインターナショナル)、『ニューヨークレシピブック』(誠文堂新光社)がある。
http://www.bestofbrooklynbook.com

無類の猫好き妻と、イクメンな夫。ツンデレのメス猫はかすがい

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脱走、流血、尻尾も燃えた。愛おしき、変てこな猫

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