冷水料理相談室

減塩中でもおいしく食べられる中華料理のアイデアを

  

 料理家・冷水希三子さんが、読者の皆さんの「料理のお悩み」を解決する「冷水料理相談室」。なんでもない毎日のごはん、特別な日の特別なひと皿、自分のために作りたい、あるいは遠くのあの人に届けたいごちそう……。冷水さんが、ご相談に答える形で、いろいろなお料理を作ってくださいます。今回のご相談者は……

〈相談者プロフィール〉
西野歩さん 52歳 女性
東京都在住
作業療法士

   ◇

 私は高齢者や障害者、医療職従事者の方々とお料理作りを楽しむクラブを10年以上運営しております。私自身も作業療法士として医療に従事しておりますので、日々の食事において「減塩」が健康にとても大切だということを実感し、クラブでもおいしい減塩メニューを実践したいと思っています。

 日頃から減塩料理の本を読んだり、病院で出される食事を参考にしたりして減塩メニューを作っているのですが、おいしさと減塩を両立するのは難しいなというのが正直なところです。

 例えば野菜の塩もみをする時は手塩をせず、水に塩を溶いてもんでみたり、ドレッシングには塩を少なくする代わりに酢やかんきつ類を使ってみたり。塩ザケなど、どうしても塩分が高くなってしまうおかずの場合は付け合わせを薄味にするなど、いろいろ工夫しています。

 中でも難しいと思っているのは中華系のおかずです。中華料理にはピリリとした辛みが欠かせませんが、このピリッの奥に塩味が効いていないとどうにもおいしくならないなあと思います(とくに塩味の効いていない麻婆豆腐はいただけませんでした……)。

 そこでぜひ、冷水先生に塩を少なめにしつつもおいしく作れる中華料理のコツがあれば教えていただきたいと思っています。ホウレン草や小松菜を使った料理が好きなので、青菜を使った中華料理だと楽しく作れそうな気がします。

 無理難題かもしれませんが、もしいいアイデアがあればぜひよろしくお願いいたします。

スパイスで奥深い味に。小松菜とエビの中華風炒め

  

<冷水先生からのメッセージ>

 お塩を極力使わずにおいしい料理を作りたいとのこと。健康のことを考えたらそれはとてもいいことですよね。

 おっしゃる通り、お塩を控えると薄味になって、味の奥行きを感じられないという場合もあると思います。でも、そこは下味のつけ方や調味料の選び方で解消できることもあるんです。今回はリクエストにお答えして、青菜を使った中華風の春雨炒めをご紹介します。

 お塩を使うのはほんの少しだけ。そのかわり八角や花椒(カショウ)といった中華のスパイスを使うことで、味にグッと深みを増します。

 もうひとつ、味の奥深さという点で大切なのは塩分よりうまみです。今回はエビと鶏ひき肉、長ネギ、しいたけなどを使いましたが、どれもおいしい出汁(だし)が出る食材ですので、塩分控え目でもうまみがたっぷりと満足のある風味になります。

 最後にごく少量の砂糖を加えるのもコツ。これは甘みを加えるためではなく、コクを加えるためのものです。本当に少しだけなのですが、入れると入れないのとでは仕上がりが変わってきますので、ぜひ試してみてください。

エビは火を入れすぎると硬くなるので、火が通ったらいったん取り出し、同じフライパンで鶏ひき肉を炒めましょう


エビは火を入れすぎると硬くなるので、火が通ったらいったん取り出し、同じフライパンで鶏ひき肉を炒めましょう


エビをフライパンに戻すのは、すべての具材を煮て、調味がすべて済んだ後。プリプリでジューシーな食感に仕上がります


エビをフライパンに戻すのは、すべての具材を煮て、調味がすべて済んだ後。プリプリでジューシーな食感に仕上がります

■小松菜とエビの中華風春雨炒め

◎材料

小松菜…2株
エビ…8尾
鶏ひき肉…80g
しいたけ…3個
春雨…70g
生姜…1片
長ネギ…5㎝
八角…1個
花椒…小さじ1
ごま油…大さじ1
酒…大さじ2
ナンプラー…大さじ1
塩…適量
水…250ml
砂糖…小さじ1/4
ごま油…適量

◎作り方

1 エビは殻と背わたを取り除き、塩でもんで流水で洗い流す。その後、水けを拭いておく。
2 春雨は熱湯に2分ほど浸し、ザルに上げておく。
3 小松菜は3㎝の長さ、しいたけはスライスする。
4 生姜と長ネギはみじん切りにする。
5 フライパンにごま油と八角、花椒を入れて中火にかけ、エビを焼く。エビに火が通ったら取り出し、続けて鶏ひき肉を加え、塩少々を振って炒める。途中、生姜と長ネギも加えて炒める。
6 5に酒を加えて少し煮たら小松菜としいたけを加えて混ぜ、水とナンプラー、砂糖を加え、春雨を入れて中火で煮る。途中でエビを戻し入れ、汁気が少し残るくらいまで炒め煮する。最後にごま油をまわしかける。

(ライター/小林百合子)

よく読まれている記事

 

バックナンバー

「料理家・冷水希三子の何食べたい?」
「冷水料理相談室」

PROFILE

減塩中でもおいしく食べられる中華料理のアイデアを

冷水希三子(ひやみず・きみこ) 料理家

料理家・フードコーディネーター。レストランやカフェ勤務を経て独立。季節の食材を使ったやさしい味の料理が評判を呼び、雑誌や広告などで活躍中。器選びや盛り付けに至るまで、その料理の美しさでも注目を集めている。著書に『ONE PLATE OF SEASONS-四季の皿』(アノニマ・スタジオ)、『スープとパン』『さっと煮サラダ』(ともにグラフィック社)など。

PROFILE

  • 小林百合子

    編集者
    1980年兵庫県生まれ。出版社勤務を経て独立。山岳や自然、動物、旅などにまつわる雑誌、書籍の編集を多く手がける。女性クリエイター8人から成る山登りと本づくりユニット〈ホシガラス山岳会〉発起人。著書に『最高の山ごはん』(パイ・インターナショナル)、『いきもの人生相談室』(山と溪谷社)、野川かさねとの共著に『山と山小屋』(平凡社)など。

  • 関めぐみ(写真)

    写真家。アメリカ、ワシントンDC生まれ。スポーツ誌、カルチャー誌、女性誌などで活躍。また、広告やカタログ、CDジャケット、俳優の写真集なども担当。書籍に『8月の写真館』『JAIPUR』など。

料理家・冷水希三子
料理家・フードコーディネーター。レストランやカフェ勤務を経て独立。季節の食材を使ったやさしい味の料理が評判を呼び、雑誌や広告などで活躍中。器選びや盛り付けに至るまで、その料理の美しさでも注目を集めている。著書に『ONE PLATE OF SEASONS-四季の皿』(アノニマ・スタジオ)、『スープとパン』『さっと煮サラダ』(ともにグラフィック社)など。

お弁当作りを始めた自分へ。ピクニック気分のサンドイッチ弁当を

トップへ戻る

無類のカレー好き。お店で食べた味を家で再現したい!

RECOMMENDおすすめの記事