リノベーション・スタイル

<175>組み合わせを楽しむ。間取りの知恵と暮らしの工夫

  

[K邸]
Kさんご夫婦
東京都江東区 築43年/69.3m²/総工費880万円(税込)

    ◇

 今回ご紹介するKさんご夫婦はいわば“暮らしの工夫”の達人です。ブロックと天板でテーブルを造り、無印良品のスツールと合わせておしゃれにテラスを飾ったり、ハートランドのビール瓶にかっこよく花を飾ったり、雑誌のおしゃれなページやジョイフル本田(ホームセンター)で買ってきた絵をセンスよく額装して飾ったり……。そうかと思えば、器を買うためにわざわざ長崎まで行ったり、ダイニングの椅子とテーブルにはお金をかけたり……。高価なものと、創意工夫で作り出したものの組み合わせが絶妙で、お二人の独創性やセンスが暮らしの随所にちりばめられています。

 そんな感性はリノベーションにもいかされています。たとえば間取り。LDはオーソドックスに部屋の奥にありますが、おもしろいのは玄関を入るとすぐ、5.1畳の「ロビー」があること。そこには、大きな本棚やソファが置かれ、まるでラウンジのよう。友人を呼んで飲み会などをするときは、ロビーがセカンドリビングのようになり、リビングは女性陣、ここには男性陣と知らぬ間に分かれて飲んでいることもあるそうです(笑)。

玄関を入った場所につくったロビー。ソファや本棚がありくつろぐこともできる


玄関を入った場所につくったロビー。ソファや本棚がありくつろぐこともできる

 また特徴的なのは、ロビーの右手には「ランドリールーム」があること。どうしても洗面所に洗濯機が入らなかったため、だったら……と思い切って洗濯機やアイロン、収納なども一つにまとめた家事室を造りました。

 LDKの壁も印象的です。もともと躯体(くたい)にはクロスが貼ってあり、それをはがして色を塗る予定でした。いざはがしてみると下地のクリーム色のパテがいい感じ。そこで思い切って残すことにしたんです。結果的にいい空間のアクセントになりました。

眺望の良いリビング。外には運河や川が見える


眺望の良いリビング。外には運河や川が見える

 Kさんご夫婦は、もともと私たちブルースタジオが設計したステラレジデンス高円寺の内覧会やセミナーにも足を運んでくれていました。高円寺の物件では、広い玄関や洗面台の収納、寝室からサニタリールームへの動線、玄関まわりの空間の使い方を気に入ってくださっていて、今回のリノベーションにもそれらが反映されています。

 場所は荒川に面した海抜ゼロメートルのエリアですが、眺望がよく、部屋からは葛西臨海公園の観覧車や運河、そしてディズニーランドの花火が見えるそう。

 お二人の暮らしは、さりげないのに、美しさや遊び心、生活の楽しみがあちこちに生きています。随所に見られる工夫は、ぜひお手本にしたいものですね。

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PROFILE

石井健

「ブルースタジオ」執行役員
1969年、福岡県生まれ。「ブルースタジオ」執行役員。日本のリノベーション・シーンの創世期から600件以上を手がけてきた。「カンブリア宮殿」(テレビ東京系)でも「古い物件の家賃を倍にする不動産集団!」として紹介される。「郷さくら美術館」(東京・中目黒)で2012年度グッドデザイン賞受賞。また「賃貸アパート改修さくらアパートメント」(東京・経堂)で2014年度グッドデザイン賞受賞。 著書に『リノベーション物件に住もう』(共同編集/ブルースタジオ)、『MUJI 家について話そう』(部分監修)、『リノベーションでかなえる、自分らしい暮らしとインテリア LIFE in TOKYO』(監修)。
ブルースタジオへのリノベーションのご相談は、隔月開催のセミナーや、個別相談で承っています。

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<176>キッチンと窓でつながる子ども部屋。子育て世帯のリノベ

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