料理家・冷水希三子の何食べたい?

夏野菜たっぷり、ハーブ香る「羊飼いのサラダ」

料理家・冷水希三子(ひやみず・きみこ)さんが読者と私たち編集部のリクエストに応えて料理を作ってくれるという夢の連載。2回目は無類のサラダ好きという編集担当Aからのお悩みです。

――冷水(ひやみず)先生、こんにちは。甲子園も始まって、夏本番ですね! 今年は例年をしのぐ猛暑ということで、食いしん坊の私ですら夏バテ気味です。そんな時、いつも作るのは葉物野菜をささっと盛っただけのサラダで、どうしても「付け合わせ」レベルなんです。それだけで満足感は得られないのが悩みです。

冷水 食欲が落ちている時こそ、さっぱり食べられるサラダがいいと思いますよ。
じゃあ今日は、暑い夏でもさっぱり食べられて、かつ食べ応えがある「主役になる」サラダを作ってみましょう。きゅうりやトマトなど旬の夏野菜をたっぷり使うので、食卓も華やぎますよ。

夏野菜たっぷり、ハーブ香る「羊飼いのサラダ」

甘い香りが食欲をそそるすももも今が旬

――わ! これはすももですか? すごくいい香り!

冷水 うふふ、今日は野菜だけじゃなく、旬のフルーツも使います。すももの香りや甘酸っぱさが加わると一気にサラダがあか抜けますし、食欲のないときでもさっぱりと食べられるかなと思って。あとポイントは万願寺ししとうと青唐辛子を使うことです。ピリリとした辛さがアクセントになって、飽きがこないんです。

――確かにそうですね。ドレッシングの味が前面に出て、食べ進めるうちにだんだん飽きてきます。私が作るサラダが主役になれないのは、そういう単調な部分が原因なのかもしれません。

夏野菜たっぷり、ハーブ香る「羊飼いのサラダ」

イタリアンパセリは刻むと爽やかな香りが際立ちます

冷水 そうそう、食べ進めるうちに、すももの酸っぱさに「あれ?」と思って、さらに食べると青唐辛子の辛さに「ん?」と驚いたり(笑)。そういうリズムがあるサラダは食べていても楽しいし、もっと食べてみたい!って思うんです。

――いま刻んでいるのはイタリアンパセリですか? またしてもいい香り!

冷水 ハーブもサラダにリズム感やメリハリを与えてくれる大切な存在です。今回はイタリアンパセリを使いますが、気分によってミントやディルなどを使ってもいいと思います。他の食材が同じでもハーブを変えるだけで印象がガラッと違ってきますからね。

夏野菜たっぷり、ハーブ香る「羊飼いのサラダ」

味をキュッと引き締めてくれるレモンも欠かせません

――サラダって奥深い料理なんですね~。

冷水 今日作るサラダは、中東で「羊飼いのサラダ」と呼ばれているんですけど、きゅうりとかトマトといった夏野菜をどんどん刻んで、オリーブオイルとレモンであえるだけなんですね。羊飼いの人が牧場での休憩時間にさっと野菜を刻んで作れる簡単なサラダというのが由来だそうですが、その「刻む」というところに実はポイントがあるんですよ。

――さっと刻むだけじゃダメですか!?

冷水 もちろんささっとでいいのですが、できるだけ野菜やフルーツの大きさを同じくらいにしておくといいですよ。そうするといろいろな味が混ざって、より楽しい風味になるので。見た目にも綺麗(きれい)でしょう?

夏野菜たっぷり、ハーブ香る「羊飼いのサラダ」

手を使って優しく混ぜましょう

――全ての材料をボウルに入れて……。冷水さん、手で混ぜるんですか!?

冷水 トマトやすももは崩れやすいから、手で混ぜた方が食材を優しく扱えるんです。味をなじませようと思うあまりに混ぜすぎると野菜の食感が台無しになってしまうので、オイルと野菜が程よくなじんだかな?という塩梅(あんばい)を手の感触で判断してくださいね。

――サラダは食感も大切ですものね! 確かに、しっかり味がなじみつつも、それぞれの野菜の食感が生きていて、素晴らしい塩梅です!

冷水 途中でレモン汁を加えましたが、食べている途中で「追いレモン」をしても爽やかでおいしいですよ。また違った味と香りのリズムが生まれるので。サラダは簡単な料理ですが、工夫次第でどんどん幅が広がっていきます。香りと味と食感。この3点に気を配って、楽しい夏のサラダを作ってみてください。

――夏の自由研究みたいですね(笑)。ぜひトライしてみます!

今日のレシピ

羊飼いのサラダ

◎材料(4人分)

・きゅうり 1本
・トマト(小) 1個
・万願寺ししとう 1本 手に入らないときは、青唐辛子 1本
・赤玉ねぎ 少々
・イタリアンパセリ 3本
・すもも 1個
・レモン汁 適量
・EXVオリーブオイル 適量

◎作り方

 きゅうりとトマト、すももは1~2㎝大に切る。ししとうと青唐辛子は薄い小口切り、赤玉ねぎは薄いスライス、イタリアンパセリはみじん切りにする。

 1の全ての材料をボウルに入れ、塩適量を混ぜ合わせる。レモン汁とEXVオリーブオイルを加えて混ぜる。

よく読まれている記事

 

バックナンバー

「料理家・冷水希三子の何食べたい?」
「冷水料理相談室」

PROFILE

夏野菜たっぷり、ハーブ香る「羊飼いのサラダ」

冷水希三子(ひやみず・きみこ) 料理家

料理家・フードコーディネーター。レストランやカフェ勤務を経て独立。季節の食材を使ったやさしい味の料理が評判を呼び、雑誌や広告などで活躍中。器選びや盛り付けに至るまで、その料理の美しさでも注目を集めている。著書に『ONE PLATE OF SEASONS-四季の皿』(アノニマ・スタジオ)、『スープとパン』『さっと煮サラダ』(ともにグラフィック社)など。

PROFILE

  • 小林百合子

    編集者
    1980年兵庫県生まれ。出版社勤務を経て独立。山岳や自然、動物、旅などにまつわる雑誌、書籍の編集を多く手がける。女性クリエイター8人から成る山登りと本づくりユニット〈ホシガラス山岳会〉発起人。著書に『最高の山ごはん』(パイ・インターナショナル)、『いきもの人生相談室』(山と溪谷社)、野川かさねとの共著に『山と山小屋』(平凡社)など。

  • 関めぐみ(写真)

    写真家。アメリカ、ワシントンDC生まれ。スポーツ誌、カルチャー誌、女性誌などで活躍。また、広告やカタログ、CDジャケット、俳優の写真集なども担当。書籍に『8月の写真館』『JAIPUR』など。

夏の晩酌に、バジル香るアジフライ

トップへ戻る

さっぱり爽やか、ゴーヤの塩レモン焼きそば

RECOMMENDおすすめの記事