料理家・冷水希三子の何食べたい?

さっぱり爽やか、ゴーヤの塩レモン焼きそば

料理家・冷水希三子(ひやみず・きみこ)さんが読者と私たち編集部のリクエストに応えて料理を作ってくれるという夢の連載。3回目は「夏休みに海の家に行きたかったのに行けなかった……」とお嘆きの連載担当フォトグラファーSさんから「海の家に行った気分になれるごはん」のリクエストです。

――冷水先生、こんにちは。8月も下旬に入って、夏休みもそろそろ終わりですね……。

冷水 夏って本当にあっという間ですよね。でもまだまだ暑いですから、さっぱりと食べられるお料理がまだまだおいしく感じますね。

――今回は、この連載の撮影を担当してくださっているフォトグラファーSさんからのリクエストですが、どうやらこの夏忙しくて、海に行けなかったみたいです(笑)。

冷水 あはは。でもその気持ち、わかります。よく晴れた夏の昼には、海の家で出てくるようなラーメンとか焼きそばとか食べたくなります。子供の頃、夏休みに食べた味が恋しくなるんですよね。じゃあ今日は、波音が聞こえてきそうな焼きそばを作りましょうか!

――わー、うれしいです!

冷水 ただ、テッパンの焼きそばソースは使いませんよ! 暑い日でもさっぱりとして食べやすい塩焼きそばを作ろうと思います。私たちはもう大人ですから、具材はたっぷり、夏ならではのゴーヤと、豚肉、あさりも使って豪華にいきましょう。

――大人の焼きそばですね!

さっぱり爽やか、ゴーヤの塩レモン焼きそば

材料をどんどん足していくので、フライパンは一つでOK。この手軽さがいいんです

冷水 まずは豚肉とにんにくをフライパンで炒めます。少し焼き目がつくくらいに炒めると香ばしくなり食欲をそそります。続けてしょうがとあさり、ゴーヤを加えるのですが、ここで豚から出た油を拭き取っておくのがポイントです。

――豚肉の匂いを取るためですね。

冷水 そうそう。料理はひと手間で仕上がりが変わりますからね。

――豚肉とあさりを合わせるという発想はなかったです。お肉とお魚、両方使うんですね~

冷水 豚肉とあさりはとっても相性がいいんですよ! ポルトガル料理ではよくある組み合わせなんです。今回はソースを使わないので、うまみが出る食材を使うのがおいしく仕上げるポイントですね。あさりも豚肉もおいしい出汁(だし)が出るので、ぜひ両方使っていただきたいです。

さっぱり爽やか、ゴーヤの塩レモン焼きそば

麺と具材がなじんだら、仕上げに塩と薄口しょうゆを加え、レモンをぎゅっと搾ります。爽やかな香りがたまりません

――具材に火が通ったら、あとは麺を投入するのみですね!

冷水 はい、でもここで注意していただきたい点があって。麺を入れる前にお酒とお水を少し加えますが、この分量はぜひレシピを参考にしてくださいね。焼きそばはシンプルな料理ですが、水分量が食感やおいしさを分ける大きなポイントなんです。多すぎると麺がフニャフニャになってしまうし、少なすぎると独特のツルツル感がなくなってしまうので。

――はっ! 確かにそこは盲点というか、いつも適当でした(笑)。

冷水 シンプルな料理ほど、奥が深いんですよ(笑)。

――肝に銘じます……。

さっぱり爽やか、ゴーヤの塩レモン焼きそば

ちょうどいい水分量で作ると、ツルツルとした食感が心地いい仕上がりに。あさりと豚のいい出汁を吸った麺は絶品です

冷水 麺を入れたら3分ほどはいじらずに、ふたをして蒸し炒めにします。そうすると麺が水分を吸って、ほぐれやすくなるんです。

――本当だ! いつも固まった麺を混ぜていたんですけど、そうすると麺が千切れたりして悲しいことになっちゃうんですよね(涙)。

冷水 それはいけませんね(笑)。麺を入れる前にさっとお湯で洗うとほぐれやすくなりますよ。さあ、麺が具と混ざったら、塩をふって、お好みでレモン汁と薄口醤油を加えましょう。これで完成です。

――う~ん、レモンのいい香り! ソースの香ばしい香りもいいですけど、爽やかでとっても夏らしい焼きそばですね。あさりのいい出汁を麺がしっかりと吸っていて、さっぱりしつつもしっかりとうま味を感じられます! クセになる味です。

冷水 時々感じるゴーヤのにが味もいいでしょう? 私は食べながらさらにレモンを搾って「追いレモン」をするのが好きです。今回はやや太めの麺で作りましたが、細麺で作ってもまた違った食感を楽しめるので、ぜひ色々試してみてください!

今日のレシピ

ゴーヤの塩レモン焼きそば

◎材料(2人分)

・蒸し焼きそば 2玉
・ゴーヤ 15㎝
・豚バラ薄切り 120g
・あさり 300g
・にんにく 1片
・しょうが 1片
・油 大さじ1/2
・塩 適量
・酒 大さじ2
・水 60ml
・レモン 1/2個
・薄口しょうゆ 小さじ1ほど

◎作り方

 ゴーヤは縦半分に切って種を取り、5㎜の厚さに切る。豚バラは5㎝の長さに切る。あさりは砂抜きをして洗っておく。にんにくは潰して、しょうがは千切りにする。
 フライパンに油と豚バラ、にんにくを加え、焼き目がつくまで焼いて余分な油を少しふき取る。同じフライパンにしょうがとあさり、ゴーヤを加え、塩を振って炒める。
 に酒と水を加え、上にお湯でぬらした麺を乗せてふたをし、蒸らし炒める。3分ほどしたらふたを外し、麺をほぐして炒め合わせる。塩で味を調え、レモン汁と薄口しょうゆを加えて炒め合わせる。

PROFILE

  • 小林百合子

    編集者
    1980年兵庫県生まれ。出版社勤務を経て独立。山岳や自然、動物、旅などにまつわる雑誌、書籍の編集を多く手がける。女性クリエイター8人から成る山登りと本づくりユニット〈ホシガラス山岳会〉発起人。著書に『最高の山ごはん』(パイ・インターナショナル)、『いきもの人生相談室』(山と溪谷社)、野川かさねとの共著に『山と山小屋』(平凡社)など。

  • 写真:関めぐみ

    写真家。アメリカ、ワシントンDC生まれ。スポーツ誌、カルチャー誌、女性誌などで活躍。また、広告やカタログ、CDジャケット、俳優の写真集なども担当。書籍に『8月の写真館』『JAIPUR』など。

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