料理家・冷水希三子の何食べたい?

まだまだ楽しみたい夏野菜で、香ばしいグリルサラダを

料理家・冷水希三子(ひやみず・きみこ)さんが読者と私たち編集部のリクエストに応えて料理を作ってくれるという夢の連載。今回は、読者の方から「もうすぐ秋になると思うと、今のうちに目いっぱい夏野菜を楽しんでおきたい!」というお手紙をいただきました。そこで、4回目は読者の方のリクエストに、冷水先生が夏休みの旅の思い出のエッセンスを加えた料理です。

――冷水先生、こんにちは。9月に入りましたが、まだまだ夏らしい日が続いていますね。

冷水 暑さにはかないませんが、夏らしいお料理を楽しめる時間が増えたと思って、とことん楽しんでしまいましょう!

――その気持ち、わかります!!

冷水 今は旬以外でもたいていのお野菜は手に入りますが、やっぱり旬の野菜はみずみずしくて、香りやうまみが豊富で、味が濃く感じますよね。今日はリクエストに応えて、夏野菜をたっぷりと使った、夏を締めくくるようなサラダを作ろうと思います。

――これで心置きなく秋を迎えられます(笑)。

冷水 そうそう、私はこの夏、イタリアを旅した時にワイナリーをしているご家族の家にお世話になったんです。そこには家庭菜園もあって、朝採れたての野菜を使ってささっとお料理を作ってくれるの。それが素晴らしくおいしくって!

まだまだ楽しみたい夏野菜で、香ばしいグリルサラダを

みずみずしい夏野菜もそろそろ終わり。思い残すことなく、たっぷり使って彩り豊かなサラダを作りましょう

冷水 イタリア料理の基本は、良質のオリーブオイル、塩、ビネガーと、とてもシンプル。だからこそ素材のおいしさが引き立つんだなと思いました。旅先で食べた味を思い出しながら、シンプルでも夏野菜の味をしみじみと感じられるサラダがいいですね。

――わ~、色とりどりの夏野菜! あれ、これはズッキーニですか?(笑)。

冷水 グリーンパンツという、黄色と緑のツートンのズッキーニなんですよ。普通のズッキーニより甘みが強くて、サラダにオススメです。サラダは彩りも大切ですからね。そして、今回はグリルパンを使ってグリルサラダにしようかな。焼くことによって野菜の甘みが増しますし、香ばしい香りも加わって、どんどん食べられますから。

まだまだ楽しみたい夏野菜で、香ばしいグリルサラダを

焼くと綺麗(きれい)な縞模様(しまもよう)が入るグリルパンは、野菜も肉も魚もジューシーに香ばしく焼き上げてくれる優秀な調理器具です

冷水 ポイントはズッキーニとナスの焼き方かな。焼く前に野菜に軽くオリーブオイルを塗って、熱したグリルパンに、焦げるのを怖がってじわじわ焼くんじゃなくて、思い切って強火で焼いてください。グリルパンは凹凸がありますから、野菜に当たっている部分はこんがりと焼き目がついて、そうでない部分はじんわり熱が伝わって野菜を程よく蒸し焼きにしてくれます。野菜の歯ごたえが程よく残って、おいしく仕上がるんですよ。

――シマシマの焦げ目も食欲をそそりますね!

冷水 そう、焦げ目も料理ですからね~。

――冷水先生の名言がまたひとつ生まれましたね!(メモメモ……)

冷水 あはは。確かに、そういうことはレシピ本やサイトにはあまり書かれていませんものね(笑)。でも真面目に私はそう思っているんです。ズッキーニとナスが焼けたら、カットしたトマトやトレビス、バジルと一緒にボウルに入れて、オイルと塩、ビネガー、レモン汁でさっと混ぜるだけです。

――おもてなし料理にもよさそうですね。

まだまだ楽しみたい夏野菜で、香ばしいグリルサラダを

最後の仕上げは、食材の食感を損なわないように、絶妙な塩梅(あんばい)で調味料を混ぜます

冷水 仕上げの注意点としては、あまり混ぜすぎないことです。野菜それぞれの食感も楽しんでもらいたいので、特にトマトが崩れてしまわないよう、優しく優しく。手を使うと調味料の混ざり具合がよくわかりますよ。

――なるほど。確かに手に伝わる感触が一番繊細というか、塩梅がダイレクトに伝わりますね。

冷水 さあ、できました。サラダと聞くと何となく冷やした方がいいのかな? と思いがちですが、これはぜひ出来立てを食べてください。冷やすと味がぼやけてしまうし、ぜひ焼きたての香ばしさを感じて欲しいです。

――ナスとズッキーニがほんのり温かくて、甘~い! 同じグリルパンで焼いたのに、ズッキーニは少しコリッと、ナスはとろっとしていて、その違いも面白いですね。

冷水 見た目も食感も味も楽しんで食べてもらえると、私もうれしいです。これで夏野菜への未練は断ち切れたかしら? 秋は秋でおいしい野菜が出てきますから、心配ないですよ(笑)。

今日のレシピ

夏野菜グリルサラダ

◎材料(3~4人分)

・ズッキーニ  1本
・ナス  2本
・トマト 1~2個
・トレビスやアンディーブ  適量
・イタリアンパセリ  4~5本
・バジル  適量
・白ワインビネガー  小さじ1
・レモン汁  大さじ1/2
・塩  適量
・EXVオリーブオイル  適量

◎作り方

 ズッキーニは長さ5cmほどに切り、太めの短冊にする。オリーブオイル大さじ1/2ほどをからめてからグリルパンで両面焼き、ボウルに入れる。

 ナスは縦半分に切り、5mmほどの厚さにスライスする。オリーブオイル大さじ1ほどをからめてグリルパンで両面焼き、のボウルに入れる。

 イタリアンパセリはみじん切り、トマトは一口大、トレビス(またはアンディーブ)とバジルは大きめにちぎり、2のボウルに加える。

 に塩とビネガー、レモン汁、オリーブオイルを加えて混ぜ、味を調える。

PROFILE

まだまだ楽しみたい夏野菜で、香ばしいグリルサラダを

冷水希三子(ひやみず・きみこ) 料理家

料理家・フードコーディネーター。レストランやカフェ勤務を経て独立。季節の食材を使ったやさしい味の料理が評判を呼び、雑誌や広告などで活躍中。器選びや盛り付けに至るまで、その料理の美しさでも注目を集めている。著書に『ONE PLATE OF SEASONS-四季の皿』(アノニマ・スタジオ)、『スープとパン』『さっと煮サラダ』(ともにグラフィック社)など。

PROFILE

  • 小林百合子

    編集者
    1980年兵庫県生まれ。出版社勤務を経て独立。山岳や自然、動物、旅などにまつわる雑誌、書籍の編集を多く手がける。女性クリエイター8人から成る山登りと本づくりユニット〈ホシガラス山岳会〉発起人。著書に『最高の山ごはん』(パイ・インターナショナル)、『いきもの人生相談室』(山と溪谷社)、野川かさねとの共著に『山と山小屋』(平凡社)など。

  • 写真:関めぐみ

    写真家。アメリカ、ワシントンDC生まれ。スポーツ誌、カルチャー誌、女性誌などで活躍。また、広告やカタログ、CDジャケット、俳優の写真集なども担当。書籍に『8月の写真館』『JAIPUR』など。

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