料理家・冷水希三子の何食べたい?

誰かに見せたい! 焼きサバと大根の炊き込みごはん

料理家・冷水希三子(ひやみず・きみこ)さんが読者と私たち編集部のリクエストに応えて料理を作ってくれるという夢の連載。9回目はこの季節のおもてなしにぴったりの、目にもおいしい炊き込みごはんです。

――冷水先生、こんにちは。いよいよ寒くなってきましたね~。

冷水 はい、コートが必要な季節になってきました。この季節、家でまったりとお食事会がしたくなりますね。

――冷水先生宅のホームパーティーなんて夢のようです! でも最近はホームパーティー(略してホムパ)がそこまでハードルの高いものではなくなっているように感じます。SNSでもよくホムパ料理が披露されていますし。

冷水 ホストが全部お料理を作るのは大変ですから、持ち寄り形式でも楽しいですよね。

――今回はまさにそんなホムパ料理にまつわる投稿が来ているんです。30代の女性からです。「ホームパーティーでゲストがわっと盛り上がるような、目にもおいしい料理を作って欲しいです」。

誰かに見せたい! 焼きサバと大根の炊き込みごはん

サバは焼き網か魚焼きグリルで皮に焦げ目がつくまでこんがりと焼きましょう。

冷水 わわわ、これはもしや“映え料理”ですか(笑)?

――そうとも言いますね(笑)。

冷水 私は普段から特に“映え”を意識してはいませんが、そうですねえ、ゲストの方が盛り上がると言えば〆のごはんはどうでしょう? 炊きたてアツアツの炊き込みごはんが食べたくなる季節ですし。

――いいですね~! 土鍋の中に何が入っているんだろう?というワクワク感がたまりませんね。あの“パカッ”の瞬間は確かにテンションが上がります!!

冷水 では、今回は今が旬のサバを使った炊き込みごはんを作りましょう。秋刀魚(サンマ)を丸ごと乗せて炊いた秋刀魚ごはんもかなり“映え”ますが(笑)、脂が乗った旬のサバを使っても、とってもおいしくできますよ。

――聞いただけで、おなかがグ~と鳴っちゃいますね。

誰かに見せたい! 焼きサバと大根の炊き込みごはん

炊き上がったところを食卓へ。ゲストにこの姿を見せてからサバを混ぜ込みます。

冷水 ポイントはサバを焼き網かグリルでこんがりと焼いてから炊き込むことです。少し手間はかかりますが、焼けた皮の香ばしさがごはんに移ってより香り高くなりますし、サバに水分が閉じ込められてふっくらジューシーに仕上がるんですよ。

――「ちょっとの手間がおいしさの秘訣(ひけつ)」。冷水先生がいつもおっしゃっていることですね!

冷水 あとはサバの切り身に塩をして、1時間ほど冷蔵庫で寝かせておくこともポイントかな。塩サバを使うとすぐに調理できます。

――あれ、普段のお魚料理の時はお塩をしてから10分ほどで調理されていますけど、今回は随分長く寝かせるんですね。

誰かに見せたい! 焼きサバと大根の炊き込みごはん

サバをいったん取り出して身をほぐし、カボスの果汁を振りかけます。食べやすいように骨も取り除きます。

冷水 そうですね。ごはんと混ぜ込む分、少ししっかり目に塩味をなじませておきたいんです。調理する前はいつも通り、魚から出た水分をしっかりと拭き取ってくださいね。臭みの元になってしまいますから。

――今回は大根も一緒に炊き込むんですね。サイコロ状に切って炊き込むというのは初めて見ました。

冷水 そうですか(笑)? 千切りでもいちょう切りでも合いますが、さいの目切りだとホクホク感があっていいかな~と。あとはもう作る人の好みでいいと思います。繊維に沿って千切りにすればちょっとシャキッとした感じが残るし、気分ですね、気分。

――冷水先生のそういう自由な発想、とても好きです。

冷水 さあ、サバがこんがりと焼けたので、あとはお米と大根、しょうが、サバと昆布を入れた水で炊きあげて作ったお出汁(だし)と一緒に炊くだけです。炊き方は普段の白米と同じ塩梅(あんばい)で大丈夫ですよ。

――わ~、サバの香りが漂ってきました。この段階からゲストたちはソワソワしてしまいますね。

誰かに見せたい! 焼きサバと大根の炊き込みごはん

仕上げに全体を混ぜてお茶わんに盛ってサーブしましょう。

冷水 香りもお料理のうちですからね。さて、炊き上がったら15分ほど蒸らして、いよいよ見せ場です!

――蓋(ふた)を“パカッ!”の瞬間ですね。

冷水 おもてなしの場だったら、まずはゲストの前で炊き上がりをお見せして、その後いったん引きあげて、サバの身をほぐして混ぜ込みましょう。ここがちょっと面倒なんですけど、おもてなし料理というのはそういうものですね(笑)。

――サバをいったん取り出して、ほぐしたサバにカボスの果汁をかけるんですね。

冷水 サバの臭み消しにもなりますし、味にメリハリが出ますから。ゲストにお出しするときには別途カボスを添えて、お好みでごはんにかけていただきましょう。

――そういう心遣いもすてきですね。ぜひ、まねしてみます!

今日のレシピ

焼きサバと大根の炊き込みご飯
◎材料(4人~6人分)
・サバ 片身
・米 2合
・大根 5cm
・青ネギ 適量
・しょうが(みじん切り) 1片分
・昆布 5cm角
・水 360ml
・酒 大さじ2
・薄口しょうゆ 20ml
・カボス 適量
・塩 適量

◎作り方

 サバは半分に切り、塩をして1時間ほど冷蔵庫におく。その後水気を拭き、焼き網かグリルで両面をこんがり焼く。
 大根は1㎝角に切る。
 鍋に研いだ米と水、酒、薄口しょうゆ、昆布を入れ、の大根をのせて火にかける。沸いたらのサバとしょうがを加え、弱火にして13分ほど炊いて火を消し、10分蒸らす。
 のサバと昆布を取り出し、身をほぐしてカボス汁を適量かける。その後鍋に戻し、全体を混ぜ合わせる。
 に小口切りにした青ネギを加えて茶わんに盛り、好みでカボスを絞る。

PROFILE

誰かに見せたい! 焼きサバと大根の炊き込みごはん

冷水希三子(ひやみず・きみこ) 料理家

料理家・フードコーディネーター。レストランやカフェ勤務を経て独立。季節の食材を使ったやさしい味の料理が評判を呼び、雑誌や広告などで活躍中。器選びや盛り付けに至るまで、その料理の美しさでも注目を集めている。著書に『ONE PLATE OF SEASONS-四季の皿』(アノニマ・スタジオ)、『スープとパン』『さっと煮サラダ』(ともにグラフィック社)など。

PROFILE

  • 小林百合子

    編集者
    1980年兵庫県生まれ。出版社勤務を経て独立。山岳や自然、動物、旅などにまつわる雑誌、書籍の編集を多く手がける。女性クリエイター8人から成る山登りと本づくりユニット〈ホシガラス山岳会〉発起人。著書に『最高の山ごはん』(パイ・インターナショナル)、『いきもの人生相談室』(山と溪谷社)、野川かさねとの共著に『山と山小屋』(平凡社)など。

  • 写真:関めぐみ

    写真家。アメリカ、ワシントンDC生まれ。スポーツ誌、カルチャー誌、女性誌などで活躍。また、広告やカタログ、CDジャケット、俳優の写真集なども担当。書籍に『8月の写真館』『JAIPUR』など。

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