リノベーション・スタイル

<181>アクアリウム、居酒屋…趣味と新旧が交わるリノベ

[zaka]
Sさんご夫婦(夫40代、妻40代)
東京都世田谷区 築39年/77.7㎡/総工費1600万円

 Sさんご夫婦は、この戸建てに住んで10年ほど。長く住んでいる間にモノが増え、同時に使わない物置のような部屋ができてしまい、どうにかしたい! という相談を受けたことが始まりです。

 Sさんの趣味はバイクいじりとアクアリウム。車を購入する予定だったので、リノベーションをするなら、一階に車が止められてバイクもいじれる“ビルトインガレージ”を作りたいとのこと。一方、奥様からは“キッチンを充実させたい”というリクエスト。居酒屋が好きで、「飲んでそのまま寝られる場所があったら……」とおっしゃっていました。そこで、居酒屋のようなカウンターと小上がりのあるキッチン&ダイニングを作ることにしました。

 リノベーションのポイントは四つです。一つ目は、減築して一階にガレージを作り、風通しのいい2階にLDKを作ること。二つ目は、手を加えるところ、既存を生かすところをきっぱり割り切ること。三つ目はアクアリウムとガレージ、静と動の二面性のある空間を作ること。そして最後に、耐震補強、基礎補強、断熱等性能面の向上もはかること。

<181>アクアリウム、居酒屋…趣味と新旧が交わるリノベ

Sさんの趣味であるアクアリウム室。左手の窓の向こうは寝室

 結果的に、玄関周りには手をつけなかったので、玄関を開けるとビフォー&アフターはびっくりするほど同じですが(笑)、それ以外の部分は大きく変わりました。1階にはご希望の通りにアクアリウムとガレージ、そして寝室を作りました。なんと、寝室の窓からアクアリウムのグッピーを見ることができます。

 2階は居酒屋風のカウンターと小上がりとロフトがあります。ロフトには布団などが収納してあるので、お客さんが泊まりに来たときは小上がりに布団を敷いて寝られます。

 キッチンのカウンターはモルタルで作りました。木の柱のやけた色や、砂壁は既存を生かしており新旧が混じっている空間です。さらに、キッチンの奥には収納に便利な広いパントリーを作って余裕のあるキッチンにしました。

<181>アクアリウム、居酒屋…趣味と新旧が交わるリノベ

キッチンに立つと、小上がりと向き合うようになっている

 今回は、リノベーションのリアルな事例と言えるでしょう。多少“完璧”じゃなくても、人目を気にせず、自分のやりたいことをやればいいはずです。Sさんご夫婦のリノベーションでは、アクアリウム、ガレージ、居酒屋、そして新旧の家の要素などいろいろなものが一つになっていますが、まったく嫌な感じはなく、すべてが自然に融合しています。いい形でお二人のやりたいことが実現できていますよね。

 リノベーションが一般社会に浸透してきたいま、リアルにみんながやりたいことは、実はこういうことなんじゃないかな、とSさんの事例を見て感じる今日この頃です。

(構成・宇佐美里圭)

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PROFILE

石井健

「ブルースタジオ」執行役員
1969年、福岡県生まれ。「ブルースタジオ」執行役員。日本のリノベーション・シーンの創世期から600件以上を手がけてきた。「カンブリア宮殿」(テレビ東京系)でも「古い物件の家賃を倍にする不動産集団!」として紹介される。「郷さくら美術館」(東京・中目黒)で2012年度グッドデザイン賞受賞。また「賃貸アパート改修さくらアパートメント」(東京・経堂)で2014年度グッドデザイン賞受賞。 著書に『リノベーション物件に住もう』(共同編集/ブルースタジオ)、『MUJI 家について話そう』(部分監修)、『リノベーションでかなえる、自分らしい暮らしとインテリア LIFE in TOKYO』(監修)。
ブルースタジオへのリノベーションのご相談は、隔月開催のセミナーや、個別相談で承っています。

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