It's me! and w

弱い自分もどんと来い。完璧じゃなくていい、このままでいい。

「It’s me! and w ―写真で切り取る、わたしらしさ―」は、毎月読者のみなさんを1人撮影しお話を伺い、一人ひとりの「わたしらしさ」に思いをはせる連載です。

>>第1回 「わたしらしく生きる」って何ですか?

「写真教室で向かいの席に座ったことをきっかけに、結婚しました」

そんな小説のような出会い。「まさか結婚するなんて」と照れながら話す樋口桂菜さんは横浜で生まれ育った30代の女性です。

「付き合って1年経って一緒に暮らしはじめたんですけど、ぶつかってばかりでした。たとえば食後、私はゆっくりお茶を飲みたいけれど彼はそうでもない。ご飯を食べたらすぐに洗い物をしたい私、まずはゆっくりしようと思う彼。そんな一つひとつの価値観のずれを許すことができなくて……」

せっかく一緒にいるのになんだか楽しくない。もう少し正確にいうと楽しい時もあるし、もっと楽しみたいと思っている。でも小さなボタンのかけちがいが積み重なって、ふたりはぎくしゃくしてしまいました。

「私につられて彼もイライラするし、理想の生活とのギャップを感じて苦しかったです。私、多分仕事も家事も完璧にできる自分でいたかったんです。当時は料理を作っている時、スプーンひとつ落とすだけですべてが嫌になって最初からやり直していましたから。でもそれってきっと自分に自信がないだけだったのかな」

インタビュー中、はっと気づくように口にした樋口さん。完璧主義であること、自信がないこと、それは一見相反する気持ちのように思えます。

「自信がない一面を隠したくて、人から見える部分は完璧にしなきゃって思い込んでいたんだと思います。昔は人からどう見られるか気にして、何でもそつなくこなす自分に見せることもありました」

弱い自分もどんと来い。完璧じゃなくていい、このままでいい。

「ある日夫に『うまくできてもできなくても、桂菜ちゃんが笑っててくれればいい』って言われたんです。正直、その時は“笑顔じゃない私は好きじゃないってこと?”って詰め寄りそうになりましたけど(笑)。成功とか失敗とかいちいちとらわれず、目の前の自分を認めてくれる彼に影響を受け、少しずつ自分の理想を手放せるようになりました。このままの自分で良いんだって」

まっさらな気持ちで自分を認めてあげることで、樋口さん自身にも変化があったのだそう。

「朝起きると夫が隣で寝ている、仕事終わりのコーヒーがおいしい……そういう小さな幸せを大事にできるようになりました。それは自分を認められるようになったから。今のこの気持ちをちゃんと覚えておきたくて、撮影に応募しました」

弱い自分もどんと来い。完璧じゃなくていい、このままでいい。

白のロングワンピースは憧れの女性とおそろいのものを、ヘアスタイルは結婚式と同じアレンジに。「好きな街で、好きなものに囲まれての撮影。シャッターを切られる度に、わたしはもう幸せになっていいんだって思えました」

あなたの「今」を撮影させてください〜撮影協力者募集〜

忠地七緒さんに撮影・インタビューしてもらいたい方を募集しています。
撮影した写真と伺ったお話を&wで紹介させていただきます。

「わたしらしさって何だろう」「毎日忙しくて自分のやりたいことが分からない」「新たな一歩を踏み出したい」そんなあなたの今を写真と文章で切り取ることで、一緒に「わたしらしさ」と向き合ってみませんか。あなたの物語が誰かの力になるかもしれません。

It's me and w 撮影協力者募集

PROFILE

忠地七緒

フォトグラファー / ライター
1987年兵庫県神戸市生まれ。
上智大学文学部新聞学科卒業後、雑誌編集者を経て2017年に独立。主に女優やアイドルのポートレート撮影、インタビュー執筆を中心に雑誌・ウェブメディアで活動。作品制作にも力を入れており、2017年写真集『Ambivalence』を出版、2018年2月に表参道ヒルズにて写真展を開催。女性の飾らない姿を切り取る写真に定評がある。東京・清澄白河で夫と二人暮らし。

9月1日現役引退。勝負を乗り越え、次へ歩みを。

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