インタビュー

高岡早紀さん、女優人生の転機はあの人との出会いから

高岡早紀さん、女優人生の転機はあの人との出会いから
中島美嘉の大ヒット曲から生まれた映画「雪の華」が公開中だ。余命1年を宣告された美雪(中条あやみ)と、一見ぶっきらぼうながら夢を追いかける青年悠輔(登坂広臣)のロマンチックなラブストーリー。高岡早紀さんは病弱な美雪をやさしく見守る母親・礼子を演じる。少ない登場シーンながら要所要所で場を引き締める重要なキャラクターだ。

高岡早紀さん、女優人生の転機はあの人との出会いから

(c)2019映画「雪の華」製作委員会

「今回の役作りは、台本の中で私が何を押さえていけばいいのか。見えない部分を読みながら、余命1年という難病の娘に自分の人生の中で何を与えられるかということを考えました」

余命宣告を受けている美雪が最後までこだわるのがフィンランドで赤いオーロラを見ることだ。フィンランドは母礼子と父が運命的な恋に落ちた地。美雪が幼い時、亡き父はいかに赤いオーロラが素晴らしいかを語り、母も美雪と一緒に耳を傾ける……。娘を慈愛に満ちた目で見つめる高岡のほほ笑みは、まるでご自身の子どもに向けられているよう。実際、彼女は3人の子の母でもある。実際の子育てがいかされたに違いない。

高岡早紀さん、女優人生の転機はあの人との出会いから

(c)2019映画「雪の華」製作委員会

「そうですね。私の場合、息子たちを授かった時は、『男の子はなんてかわいいんだろう!』って思っていたんです。でも、娘を授かった時に『やだぁ♡娘は娘で全然違う可愛さがある』と気づかされました。それが今回の役にどこまで反映されたかはわかりませんが、でもヒントになったのは確かですね。実は私、子どもが好きで好きで、と言うタイプではなかったんです。正直なところ、若い頃は子役の面倒を見るのが好きではありませんでした。それが大人になり、子どもを持ち、と状況が変化することによって、私自身も変わったと思います」

今回は幼少期の美雪とのシーンを除けば、高岡さんが登場するシーンはほぼ中条さんとのツーショットだけだった。

高岡早紀さん、女優人生の転機はあの人との出会いから

(c)2019映画「雪の華」製作委員会

「中条さんは本当にピュアで、ガツガツしていない感じが場を和ませてくれていました。ほんわかした感じは、映画の中の美雪そのままでしたね。撮影中に印象に残っているのは、現場で私がその時にまとっていた香りを指摘されたこと。『あ~女の子だな』と思いました」

高岡早紀さん、女優人生の転機はあの人との出会いから

女優への道

1988年のデビュー以降、高岡さんは多くの映画やテレビ、舞台に出演してきた。作品選びにあたって一番大切なのは、役として「そこで生きられるか」だと言う。

高岡早紀さん、女優人生の転機はあの人との出会いから

「その役を演じることによって、その人の人生を見せることができるか。それは出番の多さとは関係ありませんし、主役でも脇役でもそこが重要。もっと言うと、私が演じることでその人を生かすことができるかもしれない。もちろん、作品によって変わってくるんですが、そんなことを思っていますね」

そんな高岡さんにとって女優人生の転機になったのは、故・深作欣二監督との出会いだ。19歳の時に深作監督の『忠臣蔵外伝 四谷怪談』に出演。この映画で日本アカデミー賞最優秀主演女優賞やブルーリボン賞主演女優賞を受賞。本格的に女優への道を拓(ひら)いた。

「時代劇は初めてですし、それまで着物を着たこともなく所作もできない。毎日毎日本当に辛い日々。この仕事を辞めようと思っていました。ところが、撮影が終わった時に深作監督が『女優って楽しいだろ?』って声をかけてくださったんです。散々泣かされて散々大変な目に遭ったのに、そんな私のことを『女優』と言ってくれるんだって嬉(うれ)しかったですね。一方で、散々挫折を味わった私にその言葉は衝撃でした。『女優って面白いんだ!? 知らなかった!!』って思いましたもん(笑)。深作さんは私が『女優になりたい』と思うきっかけを作ってくださった人です」

人生の壁にぶつかったら

人生が長くなればそれだけ壁にぶつかることも少なくない。そんな時の高岡さんの対策はこうだ。

「私の場合、壁にぶつかった時は立ち止まり、どうしたらこの壁を突破できるのか、瞬時に考えます。それが大事。女性の数えの33歳は厄年でしょう。私が離婚したのがまさに32歳の時でした。女性にとってそのくらいの年齢って、絶対悩みが出てくる。周期なんです。どう乗り越えていくかは人それぞれ。私は、どうしたら子どもたちがより幸せで楽しくいられるか、そのためには自分がどうしたらいいのか。ずっとそういう考え方で進んできました。大きなことは何も言えませんが、困難を乗り越えたときにまた違う人生というか、違う楽しいことがまたあるのかなと思います」

それにしても、高岡さんのたおやかな、年を重ねて漂う色香は女性の立場から見てもうらやましい。その美しさはどこから生まれるのか。日頃美しくあるために高岡さんが気をつけていることとは何なのだろう。

「心を健康にしてあげることがやっぱり大切だと思います。普段から好きなもの、楽しいものに囲まれて、笑って過ごすよう心がけています。笑い皺(しわ)はいいですが、怒ると眉間(みけん)に皺が寄りますから(笑)。でも、子どもたちがいて、仕事があって、健康であればそれでいいんじゃないでしょうか」

 

高岡早紀 たかおか・さき
1988年芸能界デビュー。89年、「cfガール」でスクリーンデビュー。90年の「バタアシ金魚」でヒロインを演じ注目を集める。94年、「忠臣蔵外伝 四谷怪談」で第18回日本アカデミー賞最優秀主演女優賞他に輝く。映画は近作に「モンスター」(13年)、「花宵道中」(14年)、「クローズEXPLODE」(14年)、「映画深夜特急」(15年)、「最低。」(17年)など多数。舞台は18年10月に「魔界転生」、2月1日から17日まで「プラトーノフ」に出演

映画「雪の華」 
2003年に大ヒットした中島美嘉のウィンターラブソング「雪の華」から着想を得たラブストーリー。幼い頃から病気がちな美雪(中条あやみ)は主治医から自身の病状を告げられた帰り道、ひったくりに遭い青年(登坂広臣)に助けられる。後日、その青年・悠輔を町で偶然見かけた美雪は後を追い、彼が勤める喫茶店で時を過ごす。だが、悠輔は美雪のことを覚えていなかった。ひょんなことからその喫茶店の経営危機を知った美雪は、勇気を振り絞って悠輔に必要額の100万円を出すから1ヶ月間だけ恋人同士になってほしいという無謀な申し出をする。戸惑いながらもその申し出を受けた悠輔は、美雪と“恋愛”ごっこを始めるのだが……。

監督:橋本光二郎 脚本:岡田惠和 音楽:葉加瀬太郎 出演:登坂広臣 中条あやみ 高岡早紀 浜野謙太 箭内夢菜 田辺誠一 全国公開中

(文:坂口さゆり)

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