野村友里×UA 暮らしの音

UAさん「夢とテレパシーは、密に関係あるのだと思う」

UAさん「夢とテレパシーは、密に関係あるのだと思う」

達磨林檎

「eatrip」を主宰する料理人の野村友里さんと、現在カナダで暮らしている歌手UAさんの往復書簡「暮らしの音」、今回お二人が選んだテーマは、「テレパシー」です。人と人との距離、通じ合うこととは? 野村さんに続いて、UAさんがつづりました。

>>野村友里さんの手紙から続く

友里

素敵なお手紙ありがとう。
懐かしい本や発酵白菜の写真も、たまりましぇん!
それにしてもこのお写真、まるで臓器拡大写真みたいじゃない?
まったくこんな風に、この世には沢山の相似する事象があるってわけね。

こちらは、立春過ぎてからの初降りが大雪。今もまた散らついてる。
年末にあった記録的なストームで、うちは敷地内の電線が切れ、なんと停電9日間!
島中、倒木が甚だしくてね。うちの森も見違えるよう。
一番のお氣に入りだった小道も今やハードル高きアスレチック状態よ。
倒木は、売ることも出来るし、製材すればうちの資材にもなる。勿論、薪にも。でもこの雪じゃ思考も停止気味。。暖かくなったら考えよ。

UAさん「夢とテレパシーは、密に関係あるのだと思う」

年末の大嵐で倒れた巨木の裏

あとはそうそう、節分前に念願の薪風呂が完成。日本から義父が長府ボイラーを担いできてくれてね! 壁はまだ全部は無いのだけど、服を脱ぐ最初だけ寒いのを我慢すれば、雪に覆われた森に佇む直火の湯は、確実に癒やしとなってます。

UAさん「夢とテレパシーは、密に関係あるのだと思う」

薪風呂

それから、そうね。
この往復書簡も、一年半近くになるか。
私も毎回、背筋が伸びる想いで向かってる。離れてるから言葉が募る。
「あなた」へと綴る思いが、皆が共通して持つとされる「現実」と呼ばれる場所への、祈りや希望にもなるとすれば、もう真剣よ。

『火を焚きなさい』ね。
私は、この詩を最初は誰かの歌で聞いたよ。カセットテープだったなぁ。
確か2004年頃、屋久島を二度目に旅した際に、山尾三省氏の亡き後もそのままに開放している図書室を訪ねたことがある。書斎机もそのままでね。

入って左奥に木彫の仏陀が祀られてあって、まずはそこで手を合わせてから、ふと右に目をやると、本棚に『ルーミー語録』という本が光ってたの。
13世紀の神秘主義の詩人ルーミーの書籍と言えば、当時、英訳された詩集しか見当たらなくて、まして彼の語った言葉が日本語訳されてたことは全く知らずにいた。ちょうどその頃、ルーミーの世界に熱を上げてた私は、飛び上がるほど驚いた! 大騒ぎしてる私に、奥様はその本を貸し出しして下さったの。
これもテレパシーの一つ?

そういえば、映画やMV撮影の段取り中に、よくテレパシー練習してたなあ。始めは、三角や四角の簡単な図形を心に描いて、相手に当ててもらう。調子が出てきたら、自由に何かひとつのものを思い描いて、それを当てあうのだけど、まずは思い描く方もひとつのイメージに留まっているのは容易でない。心の模様は雲が流れるごとく変化するものだけど、この場合は、そんなだと相手も掴みようがないわよね。

UAさん「夢とテレパシーは、密に関係あるのだと思う」

立春過ぎてからの大雪

ところで夢は、テレパシーとは密に関係あると思うのだけど、実を言うと、私の母は、よく夢見をするほうでね。
例えば、まだ虹郎くんが小さかった頃、旅先で夜中に咳が出て眠れなくてね、すると翌朝「にーくんが、咳出て泣いてる夢見たけど、大丈夫か?」と電話口で言う。こういうのは良くあるほうで、他には、知人の、医者の言うところでない出産予定日が、的中したりする。
しまいには、自分の逝く歳まで見てしまったそうで、自ら皺くちゃな顔して、「97歳~!」と笑ってたそうな。
こればかりは実際、娘としても、何とも言いにくいのだが、まあ97なら大往生とは言えるだろう。それにそれ以来、多少、本人もドカリと構える様になったように見受けられる。

そして私はというと、夢への出演回数が多いタチでね。て、どんなタチやねん!
「昨日の夢に、シマ(旧姓)が、または、ウー子が、または、かおりんが、出てきてさあ。。」
出会った時と場所によって呼ばれ方は様々だが、しばしばそんなメールがやって来る。
内容はと言うと、得てして他人の夢を聞いてもあまりピントが合わないのと同様、出演しておきながら、聞いても今ひとつ要領を得ないのがほとんどではある。

ところがこの間のには驚いた。
10代からの友人が見たのは、私が何がしかの撮影時に、何かが足りないと、慌ててどこかのホテルのショップに飛び込み、大きな青いガラスの林檎のブローチを見つけては、これだこれだと、喜んでいる。そこに何故だか、女優の夏木マリさんが居合わせていたと。

実はちょうど先日、夏木マリさんの新曲に歌詞を提供させていただいたところ。
勿論友人には、まだそのことは伝えてなかったのよ。

UAさん「夢とテレパシーは、密に関係あるのだと思う」

1月21日の皆既月食。目立つリンゴは野鳥用餌箱

ぐんと視点を変えて、量子的レベルで見れば、人も空気も物質も、隔てなく繋がってる。それなら、距離があろうと無かろうと、想いが届くこともおかしくない。
氣功の達人などは、雲を動かしたり、台風をよけたりすると言うしね。
遠隔治療なんてのも、随分と聞かれるようになった。

ツーカーの仲だとか、以心伝心、あ・うんの呼吸みたく、テレパシーに関連するような日本語は沢山ある。きっとある意味、日本人の得意技とも言えるんじゃないかしら?
だから、KYがウザがられるのも仕方ない。
とりあえず皆で揃えた和やかムードに、違和感ある波動が食い込んで来ちゃうみたいな。
内容にもよるけど、でもそれはそれで、大事なお役目かもしれない。

というのも、「現実」とは、大多数が認識したつもりでいるたった一つのもの、とは限らないと言える世の中の方がずっと大らかで面白いかもしれないから。
そんな訳で、コドモ時々オトナな自分としては、時折、敢えてKYな自分にチャレンジしちゃったりして。しかし、根はやっぱり日本人、、やっちゃった後には胃が痛くなるのだけども。

では、今回はこんなところで、
でん、でん、でんぐりがえって
バイバイバイ。

うーこ

PROFILE

  • UA

    1972年大阪生まれ。母方の故郷は奄美大島。1995年デビュー。1996年発表のシングル「情熱」が大ヒット。2000年、ブランキー・ジェット・シティを解散した浅井健一とAJICOを結成。同年、初主演映画「水の女」(テサロニキ国際映画祭グランプリ受賞作品)公開。2003年から放送されたNHK教育テレビ番組「ドレミノテレビ」に、歌のおねえさん「ううあ」としてレギュラー出演。2004年、数々の童謡・愛唱歌を集めた、ううあ名義アルバム「うたううあ」をリリース。2006年、菊地成孔とスタンダードジャズアルバム「cure jazz」をリリース。2010年、デビュー15周年企画カバーアルバム「KABA」をリリース。2016年、7年ぶりとなるオリジナルアルバム「JaPo(ヤポ)」をリリースした。また、2005年より都会を離れ、田舎で農的暮らしを実践中。現在はカナダに居住。4人の母でもある。α-STATION(FM京都)の番組「FLAG RADIO」にレギュラー出演中。

  • 野村友里

    料理人(りょうりびと)、「eatrip」を主宰。おもてなし教室を開く、母・野村紘子さんの影響を受けて料理の道に。主な活動に、レセプションパーティーなどのケータリングフードの演出、料理教室、雑誌の連載、ラジオ番組など。2009年、初の監督作品『eatrip』を公開。11年、「シェ・パニース」のシェフたちとともに、参加型の食とアートのイベント「OPEN harvest」を開催。その経験を経て日本のシェフたちとともに「nomadic kitchen」プロジェクトをスタート。12年、東京・原宿に「restaurant eatrip」をオープン。著書に『eatlip gift』(マガジンハウス)がある。

野村友里さん「離れるからこそ、見えること」

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新しい時代の幕開けに思う、料理という生業のこと 野村友里さん

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