リノベーション・スタイル

<185>愛犬と一緒にのびのび暮らしたい。
スキップフロアでつながる空間

[chill vill]
Kさん(夫37歳、妻38歳、犬2歳)
東京都新宿区 築21年/62.05㎡/総工費1160万円

 Kさんご夫婦は、もともと私たちブルースタジオが企画、建築デザインを手がけた賃貸の共同住宅「青豆ハウス」に長年お住まいでした。ただ、通勤にもっと便利なところに住みたいとのことで、自転車通勤できるエリアで中古マンションを購入し、リノベーションして住むことに。

今回のリノベーションのポイントは大きく二つありました。一つ目は、小型犬(パグ)を飼っているので、愛犬と暮らしやすい部屋にすること。二つ目は、複雑な形をした「青豆ハウス」を気に入っていたので、立体的な形を取り入れること。その他にも、ゲーム好きのご主人は「ゲームを楽しめる空間が欲しい」、在宅で働く奥様は「ワークスペースが欲しい」と、それぞれのリクエストがありました。

そんな要望を目いっぱい詰め込み、いくつかプランを提案した結果、できあがったのがこちらのお部屋。家のコンセプトは、「チル(パグの名前)が幸せに暮らせる場所」と、「チルアウト」、「ビレッジ」を掛け合わせて「chill vill(チルヴィル)」です。

さて、なんといっても特徴的なのがリビング。空間を大きく二つに区切り、一方を同じ空間の中で少しずつ段差をつけた3層のスキップフロアに。1層はチルの部屋、2層はワークスペース、3層はゲームスペースに分けました。3層目のゲームスペースは天井高が低くなりますが、ゲームをしているときは座っているので、立てなくても大丈夫なんです(笑)

<185>愛犬と一緒にのびのび暮らしたい。<br>スキップフロアでつながる空間

リビングの隣にはスキップフロアのホビースペース。下は犬のケージと収納

チルの部屋はだいたい一畳くらい。壁は爪で引っかいても削れないOSB合板を使い、フェンスは犬用のボトルがひっかけられるように特注をしました。室内には照明もついています。リビングは、犬と人間という異なるスケールの生き物が一つの空間で共存できる、ある意味ちょっとした“パラレルワールド”になっています。

もう一つ、特徴があるのが洗面台。犬のグルーミングがしやすい場所が欲しいとのことだったので、台は少し高めに、シンクは深く設計しました。シャワーも使えるようにし、シンクの隣には犬を乾かすスペースも作っています。台は爪を引っかくと犬が痛がってしまうので、木を使用しています。

<185>愛犬と一緒にのびのび暮らしたい。<br>スキップフロアでつながる空間

犬の世話がしやすいよう深さのある洗面ボウル。グルーミングができるスペースにはリードフックも

 

インパクトがあるのはトイレ。扉を開けると、うわっと大きな花が目に飛び込んできます。「トイレはハレの空間にしたい」という奥様のご希望があり、インパクトのある花の壁紙を貼りました。「WALPA(ワルパ)」という壁紙専門店のものです。

そして、リビングの床にはカーペットを敷いています。こちらの建物は、マンションの規約でもともとカーペットを敷いている部分を、フローリングなど他の素材には変えられません。フローリングを好む人が多いのですが、Kさん夫妻はそこを気に入ってくれました。というのも、タイルカーペットを使ったので、万が一犬が汚してしまっても、そこだけ取り換えることができるんです。カーペットを選ぶときに、チルを座らせて、引っ張ったりしないか確認されていました。

まさにコンセプト通り、犬と人間、双方にとって居心地のいい空間ができあがりましたね。

>>気になる間取りとリノベーションの写真のつづきは、画面下のギャラリーへ

PROFILE

石井健

「ブルースタジオ」執行役員
1969年、福岡県生まれ。「ブルースタジオ」執行役員。日本のリノベーション・シーンの創世期から600件以上を手がけてきた。「カンブリア宮殿」(テレビ東京系)でも「古い物件の家賃を倍にする不動産集団!」として紹介される。「郷さくら美術館」(東京・中目黒)で2012年度グッドデザイン賞受賞。また「賃貸アパート改修さくらアパートメント」(東京・経堂)で2014年度グッドデザイン賞受賞。 著書に『リノベーション物件に住もう』(共同編集/ブルースタジオ)、『MUJI 家について話そう』(部分監修)、『リノベーションでかなえる、自分らしい暮らしとインテリア LIFE in TOKYO』(監修)。
ブルースタジオへのリノベーションのご相談は、隔月開催のセミナーや、個別相談で承っています。

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