料理家・冷水希三子の何食べたい?

アツアツ、とろ~り。幸せのマカロニエビグラタン

料理家・冷水希三子(ひやみず・きみこ)さんが読者と私たち編集部のリクエストに応えて料理を作ってくださるという夢の連載。寒い時期こそ食べたい料理シリーズ。みんな大好き、アツアツのグラタンです!

――冷水先生、こんにちは。前回の体がポカポカ温まるサケの粕(かす)汁、とっても反響が大きくて、寒さに震える全国のみなさんから、「温まる料理をもっと食べたい!」という声が続々と寄せられています(笑)。

冷水 まあ、それはうれしい。じゃあまた「冬のポカポカシリーズ」、作っちゃいましょうか! 今回は少し趣向を変えて、ポカポカに次ぐ、アツアツ料理にしましょう。

――アツアツ料理! いいですね~。温かいお料理は幸せをよびますよね!

冷水 じゃあ今日は張り切って、そこに「とろ~り」も加えちゃいます。そう、グラタンです!

――うれしいです~! グラタンって食卓にあるだけで、あったかい気持ちになりますよね。ぜひ大きなグラタン皿にたっぷり作って、みんなで食べたいです。でも、グラタンってベシャメルソースを作らないといけないんですよね……。

アツアツ、とろ~り。幸せのマカロニエビグラタン

薄力粉は必ずふるいましょう。専用のふるい器がなくても、目の細かいザルを使えばOKです。

冷水 あらあら、さっきのテンションはどこへ(笑)? 確かにベシャメルソースは少し手間がかかりますが、一度マスターすればいろいろな料理にアレンジできますから、ぜひ今日覚えて帰ってくださいね。

――が、頑張ります!(腕まくり)

冷水 じゃあまずはそのベシャメルソース作りから。材料はシンプルなんですよ、牛乳とバターと薄力粉と少しのお塩だけですからね。まずは小鍋に牛乳を入れて温めておきます。

――ああ、ここからが例のバターと薄力粉をコネコネしていく作業ですよね。いつもここで大失敗してしまうんですよねぇ。

冷水 とにかく焦りが禁物なんです。かといって、のんびりやってもダメ。「スピーディーかつ丁寧に」がべシャメルソース作りの鉄則です。まずは鍋にバターを熱して、溶けてきたらふるった薄力粉を加えて粉っぽさがなくなるまで混ぜます。

――薄力粉は絶対振るわないとダメなんでしょうか……。

冷水 振るわないとよく混ざらないので、ここは必ず振るいましょう。か・な・ら・ず、です(笑)。振るい器がなくても、網の目の細かいザルを使えばいいですよ。

アツアツ、とろ~り。幸せのマカロニエビグラタン

ベシャメルソース、最初のうちはマッシュポテトのような質感です。鍋のふちにへばりつくような感じになってきたら、牛乳を加えてまた混ぜます。

――肝に銘じます!

冷水 薄力粉とバターがよく混ざったら、温めておいた牛乳をお玉一杯分くらい加えて、またすぐに混ぜます。ここからはスピード勝負ですからね。スマホなんて見ている場合じゃないですよ~。

――わあ、混ぜていくと、だんだんお餅のような、マッシュポテトのような塊になってきました!

冷水 牛乳を加えた後、すぐに混ぜないとうまく粉に水分が入っていかないので注意してくださいね。モチっとした質感になってきたら、いい具合に水分が入っている証拠です。水分を含んだ塊がだんだんお鍋の内側にへばりつくような感じになってきますから、そうしたらまた牛乳をお玉一杯分加えます。

――そしてまた素早く混ぜる! ですね。

冷水 その通り。だんだん塊が大きくなって、重たくなってきますから、頑張って混ぜましょうね。

――確かに、これは結構な力仕事ですね~。

アツアツ、とろ~り。幸せのマカロニエビグラタン

牛乳を加えて混ぜる工程を繰り返していくと、最後はこんなに滑らかなソースに。焦げると台無しになってしまいますから慎重に、かつ手早く作業するのがポイントです。

冷水 この工程を何度か繰り返して、用意した牛乳が全部なくなったらベシャメルソースは完成です。この状態で冷凍保存しておけば、次にグラタンを作るときは楽できますよ。

――そうか! その手がありましたね。でもグラタンにしてはちょっとソースがゆるいような気がしますが、大丈夫なんでしょうか?

冷水 今回はマカロニを入れるので、マカロニが少しソースの水分を吸ってしまうんです。それを見越して少し水分量を多めにしています。同じグラタンですも、どろっとした質感が好きな人もいれば、とろとろがいいという方もいらっしゃるでしょうから、その辺りは好みで調節してもいいと思います。

――なるほど、そうですね!

冷水 お塩の加減も使う具材によって変わってきます。今回は玉ねぎを炒めるときに塩を加えますし、塩気のある海老(エビ)も使うので、ソースにはお塩はいれませんでした。そこも臨機応変に調節してみてくださいね。

――ソースに塩を入れすぎると後で調節できませんものね。

アツアツ、とろ~り。幸せのマカロニエビグラタン

ベシャメルソースをたっぷり味わいたいなら深型のグラタン皿、チーズの香ばしさを際立たせたいなら浅めの皿と、器は好みによって選んでください。

冷水 あとは具材の下準備をしてソースと合わせ、チーズをたっぷりのせて焼くだけです。

――マカロニの茹(ゆ)で具合はどんな感じにしたらいいですか?

冷水 袋の表示通りか、少し柔らかめに茹でてもおいしいですよ。固めに茹でる必要はありません。

――う~ん、オーブンからチーズの焦げる香ばしい香りがしてきました! この待っている時間も幸せなんですよね~。

冷水 ソースも具材も火が通っているので、チーズが溶ければ完成です。

――アツアツ、とろとろのソースがマカロニと絡んで、これはもう最高ですね~。ソース自体に塩けがそこまでないのですが、具材やチーズと合わさるとちょうどいい塩梅(あんばい)です。すごく優しい風味のソースですね!

冷水 ソース自体の甘さやマカロニの粉の風味が感じられるでしょう? この素朴な風味がグラタンの醍醐味(だいごみ)なんです。

今日のレシピ

マカロニ海老グラタン

◎材料(4人分)
マカロニやペンネ 120g
バター(a)40g
薄力粉 40g
牛乳 650ml

バター(b)20g
海老 150g
玉ねぎ 1/4個
マッシュルーム 6個
白ワイン 大さじ2
塩 適量
シュレッドチーズ 適量

作り方

1. 牛乳を鍋に入れ、沸騰させないように温めておく。
2. 鍋にバターaを入れて中火にかける。溶けてきたら振るった薄力粉を加え、粉っぽさがなくなるまでヘラで混ぜながら火を通す。
3. に少しずつの牛乳を加え、お餅のようにモチモチとひと塊になったら、また牛乳を加えてかき混ぜる。これを繰り返し、なめらかになったら火を消して蓋(ふた)をしておく。
4. 海老は殻をむいて背わたを取り、塩でもんでから流水で洗い流し水気を拭いておく。玉ねぎ、マッシュルームはスライスする。
5. フライパンにバターを入れ、玉ねぎとマッシュルームを炒めて塩で味をつける。そこに4の海老を加え炒め、白ワインを加えて強火で1分ほど炒めてから塩味を調える。
6. のベシャメルソースに加えて混ぜる。
7. マカロニは塩1%を入れた熱湯で茹で、湯を切ってからに加えて混ぜる。
8. 耐熱皿に7を入れ、上にチーズをのせて190℃に予熱しておいたオーブンでチーズが香ばしくなるまで焼く(15分ほど)。

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PROFILE

アツアツ、とろ~り。幸せのマカロニエビグラタン

冷水希三子(ひやみず・きみこ) 料理家

料理家・フードコーディネーター。レストランやカフェ勤務を経て独立。季節の食材を使ったやさしい味の料理が評判を呼び、雑誌や広告などで活躍中。器選びや盛り付けに至るまで、その料理の美しさでも注目を集めている。著書に『ONE PLATE OF SEASONS-四季の皿』(アノニマ・スタジオ)、『スープとパン』『さっと煮サラダ』(ともにグラフィック社)など。

PROFILE

  • 小林百合子

    編集者
    1980年兵庫県生まれ。出版社勤務を経て独立。山岳や自然、動物、旅などにまつわる雑誌、書籍の編集を多く手がける。女性クリエイター8人から成る山登りと本づくりユニット〈ホシガラス山岳会〉発起人。著書に『最高の山ごはん』(パイ・インターナショナル)、『いきもの人生相談室』(山と溪谷社)、野川かさねとの共著に『山と山小屋』(平凡社)など。

  • 写真:関めぐみ

    写真家。アメリカ、ワシントンDC生まれ。スポーツ誌、カルチャー誌、女性誌などで活躍。また、広告やカタログ、CDジャケット、俳優の写真集なども担当。書籍に『8月の写真館』『JAIPUR』など。

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