よなよなハンコ

百世さんのワークショップ報告。熱中夢中の2時間でした

2月17日、よく晴れた日曜日。&wの連載「よなよなハンコ」でも人気の消しゴムハンコ作家・百世さんの初めての消しゴムハンコ・ワークショップが、10人の読者を招いて開かれました。

最初は少し緊張していた百世さんですが、この日のために用意してくださったオリジナルの「下絵」の説明を始めると、すぐにリラックス。生徒さんの間を歩き回りつつ、お手本を示しつつの2時間で、まさに十人十色のハガキサイズの作品が完成しました。「あっという間だった」とみんなが口をそろえた、濃くてかわいいワークショップの模様を、消しゴムハンコができるまでの写真や動画と一緒にお伝えします。(撮影・松嶋 愛 文・&w編集部)

【動画】初公開! 百世さんの消しゴムハンコができるまで

この日の道具は、実際に百世さんが使っているものを教えてもらって準備しました。
実は百世さんの下絵とトレーシングペーパーつきの、消しゴムキット(ほるナビ)が市販されているのです。

百世さんのワークショップ報告。熱中夢中の2時間でした

百世さん推奨の消しゴムハンコキットと、ねりけしと、彫刻刀。あとは鉛筆と工作マットとカッター、スタンプインクがあれば準備完了

1.下絵をトレーシングペーパーに写す

まずは、下絵をトレーシングペーパーに写します。百世さんが考えてくれた顔の輪郭に、好きな目を入れ、ハートや葉っぱ、数字やアルファベットなど、自由にハンコの模様を描きだしていきます。
「女の子が一番簡単で、目は閉じているのが最初はやりやすいかなあと思います。彫らない部分に×をつけたり、斜線などを引くとわかりやすいですよ」

百世さんのワークショップ報告。熱中夢中の2時間でした

手元をビデオカメラでアップにすると、百世さんの美しい手さばきがよくわかる。くわしくは上の動画で!

2.書いた面を消しゴムに写す

百世さんのワークショップ報告。熱中夢中の2時間でした

トレーシングペーパーの鉛筆の線を、しっかりと消しゴムに転写する

次に、消しゴムの表面の粉をウエットティッシュで拭き取り、トレーシングペーパーを裏返し、鉛筆で書いた面を消しゴムの面に乗せます。
「模様の間はちょっと隙間を空けて配置してもらって……つめでこすって転写していきます。そうすると消しゴムハンコに絵がつきます。くっきり写ると、彫りやすいです」。百世さんは、ささっと見本を示したかと思うと、何度も机の間を回って、一人ひとりの質問に答えてくれます。

百世さんのワークショップ報告。熱中夢中の2時間でした

百世先生、とても細やかに一人ひとりに教えてくださいました

3.いよいよ、彫る!

絵が写ったことを確認したら、刃物の時間です。
「まずカッターナイフを出してください。図案のまわりを少しあけながら、カッターで消しゴムを切っていきます。けっこう硬いので力がいります……こういう感じで。角があるとそこから欠けていっちゃうので、角は切り落としていきます。ちょっと余裕を持って切ってくださいね」

百世さんのワークショップ報告。熱中夢中の2時間でした

お友達の中曽根章友さんが百世さんのアシスタントに!

そうして、それぞれの模様ごとに消しゴムを切り出したら、彫刻刀で彫り始めます。最初に輪郭の外側の余分な部分、そのあとは中の部分を彫っていきます。
BGMは、百世さんの父・忌野清志郎さんの歌。皆さん熱中して、かなり黙々と作業しています。

百世さんのワークショップ報告。熱中夢中の2時間でした

彫るときは消しゴムを回しながら、刃の先に手が来ないように注意

百世さんのワークショップ報告。熱中夢中の2時間でした

練り消しでカスをていねいに取り除くとインクが乗りやすい

「今回は顔が一番難しいので、他の部分で慣れてから顔にいってくださいね」。難しい、と聞いて、会場に少し緊張が走る中、生徒さんからの質問が集中したのが、顔の細かい部分を掘っていくときでした。「どうやって曲線を彫るんですか?」。百世さんは笑顔で、彫刻刀を軽く消しゴムに当てて、消しゴムのほうをまわしていきます。

百世さんのワークショップ報告。熱中夢中の2時間でした

消しゴムそのものもかわいい作品です

4.スタンプをぽんぽん押して色をつけていく

それでもなんとか、百世さんがびっくりするほどテキパキと、それぞれの消しゴムハンコができあがってきました。
さあ、いよいよ色を付けて押してみます。
ぽんぽんぽん、と好きな色をハンコにつけて、紙にぎゅっと押し付けます………。
ぎゅーーっと押し付けて、ぱっと離すと……。

百世さんのワークショップ報告。熱中夢中の2時間でした

ぎゅっと押すと……

かわいいピンク色の女の子が現れて、みんなから、おおおおおーーーー!と声が上がります。

百世さんのワークショップ報告。熱中夢中の2時間でした

歓声とともに完成ー!

百世さんのワークショップ報告。熱中夢中の2時間でした

それぞれに味わい深い作品

5.質問タ~イム!

それぞれの作品を前に並べて見ながら、百世さんに質問タイムです。
事前に皆さんからいただいていた質問を次々とぶつけてみました。

アイデアを作品に落とし込むコツ、心がけていることはなんですか?
「身近にあるものをとりあえずキャラクターにしてみる。コツはあんまりないかなー(笑)」

ちなみに、今回の応募者からの一番人気のキャラクターは、「ナーラ・ナスンジャ」でした。今後は、そういう「自分のキャラクターをアニメみたいに動かす」のをやってみたいそう。確かに、ナーラちゃんが動いたら、かわいいでしょうね。

百世さん自身が好きなモチーフは、連載でもよく出てくる、植物系と女の子、お魚。
「最初はまず単純なもの、彫る線が少ないものから始めると、入りやすいですよ」
以前の記事でも出てきたエッシャー、そして浮世絵、葛飾北斎、ミッフィーなど、大好きな絵やアートからインスピレーションを得ることも多いそうです。

消しゴムハンコのよさ、楽しさは何ですか?
「線に味が出るところ。一発勝負というか、彫るたびに自分が思っていなかった違う線が出るのが面白いですね。連載の作品を作るときも、ついついずっと何度も彫ってしまいます」

そして質問が多かったのが、「子どもとやるときに注意すること」です。
これは、百世さんも今回、心配していたところでした。
「彫刻刀がむちゃくちゃ危ない。彫るときに、手が、彫る先の方向にあると危ないので、工夫して前にいかないようにして彫ることが大事です。小さいお子さんは、つまようじで彫れる消しゴムハンコのほうがいいかもしれません」

百世さんのワークショップ報告。熱中夢中の2時間でした

皆さんと一緒に記念撮影。ありがとうございました

最後に、消しゴムハンコを続けてよかったことは? とたずねると、
「えーーと……今日のワークショップができたこと!」
笑顔で即答が返ってきました。

参加してくださった皆様、ありがとうございました。
大人がここまで熱中して何かを作っているところ、あまり見たことがなかったかもしれません……。
百世さんも教えることをとても楽しんでくださったようなので、また「次」もすぐに開催される予感が。今回おいでいただけなかった方、次のワークショップで、ぜひお会いしましょう!

PROFILE

百世

消しゴムハンコ作家。東京都在住。
2013年1月より消しゴムハンコなどの創作活動を開始。
2014年4月、初の個展「一粒万倍 百世のモモ版画」を銀座のギャラリー403で開催。以後、忌野清志郎「ネズミに捧ぐ詩」の装画やファッションブランドZUCCaとの展覧会、CDジャケット、ロゴマーク、ドラマのタイトルバックやフェスのグッズなども手掛けている。

2018年10月には犬猫グッズの「わんコレ」からコラボ商品が発売された。

初めての消しゴムハンコ・ワークショップ

トップへ戻る

模擬ワークショップの参加者、容赦なかった!

RECOMMENDおすすめの記事