料理家・冷水希三子の何食べたい?

爽やかなパセリ香るポークソテー

料理家・冷水希三子(ひやみず・きみこ)さんが読者と私たち編集部のリクエストに応えて料理を作ってくれるという夢の連載。今回はふだんはあまり主役にならないけど、じつはスゴイ!という食材を使ったシリーズ第一弾。パセリを使ったお料理をお届けします。

  ◇

―― 冷水先生、こんにちは。3月に入って、だんだん春めいてきましたね。スーパーに並ぶ食材にも春の気配が漂ってきてワクワクします。

冷水 本当にそうですね。お買い物も楽しいですよね。

―― 読者のみなさんもお料理欲が膨らんできているみたいで、今回もたくさんの投稿をいただいています。中でも面白いなと思ったのが、「パセリの使い道を知りたい」というもので(笑)。

冷水 たしかにパセリは「添え物」感がどうしてもありますよね。でも、香りも味もとっても爽やかで、お料理に使うとすごく存在感がある食材なんですよ~。

―― そ、そうなんですか!? じつのところ私もお弁当の飾りに使うくらいで、いつも使い切れずに冷蔵庫でしおれさせてしまうんです。これ、どうにかならないのかな~って、積年の悩みでした!

爽やかなパセリ香るポークソテー

今が旬のパセリ。ソースにはたっぷり使うので、たくさん買っても余ることがありません。

冷水 それはパセリがかわいそうですね(笑)。じゃあ今日はパセリが主役ばりのいい仕事をするお料理を作りましょう。きっと皆さん、パセリを見直すと思いますよ!

―― パセリ革命ですね! 楽しみです。

冷水 パセリの魅力はその爽やかな香りと、熱を入れることでじんわりと出てくるうまみというか…。いいお出汁(だし)が出るような感覚を私はもっていて。だから今日はパセリをポークソテーのソースに使って、その魅力を存分に引き出したいとおもいます。

―― パセリのソース! なんだか上品な感じがする響きです。

冷水 作り方はとっても簡単で、まずは豚肉を焼いてポークソテーを作ります。豚肉は脂身も甘くておいしいので、両面がこんがりと焼けたらお肉を縦にして、脂身にもしっかりと火を通しましょう。

―― う~ん、お肉の焼ける香ばしい香りがたまりません! わたしはふだんはここにしょうが焼きのたれを入れて和風に仕上げちゃいますが、たしかにマンネリですね(笑)。

冷水 今回は付け合わせにじゃがいものソテーを作りますので、スライスしたじゃがいももフライパンのはじっこで一緒に焼きました。

爽やかなパセリ香るポークソテー

茎から葉の部分をちぎってからみじん切りに。爽やかな香りが心地いいです。

―― フライパンひとつで作れるのもいいですね!

冷水 お肉とじゃがいもが焼けたらいったん取り出してフライパンの油を拭き取ります。そこにオリーブオイルを入れて、アサリを入れましょう。

―― 豚肉にアサリを合わせるんですね! なんだか意外です。

冷水 アサリと豚肉はとっても相性がいいんですよ。ポルトガル料理では定番の組み合わせで、アサリも豚肉もうまみたっぷりですから、ものすごくコク深いお料理になるんです。この時期のアサリは身が大きいですし、すごくいいお出汁が出るんですよ~。

―― わ、白ワインが入ると、さらにおいしそうな香りが漂ってきました!

冷水 ここでいったん蓋(ふた)をして、アサリの殻が開くまで待ちましょう。

―― お出汁が出るのを待つんですね! あ~、待ち遠しい……。

爽やかなパセリ香るポークソテー

豚肉の脂身はこんなふうに肉を縦にしてしっかり焼きましょう。

冷水 さあ、アサリの殻が開いたらここから仕上げです。少しお水を足して煮たら、先程のジャガイモを戻してバターを入れ溶かします。

―― そうか! うわ~! じゃがいもまで加勢して、このフライパンの中はおいしいお出汁の海みたいになってるじゃないですか!

冷水 ふふふ、でも今回の主役の存在を忘れないでくださいね。火を止める直前にみじん切りにしたパセリとバターを加えます。あんまり長く火を入れるとパセリとバターの香りが飛んでしまうので、加えるのは必ず最後にしてくださいね。

―― はい! メモ、メモ。

冷水 さあ、これでソースも完成です。ポークソテーをお皿に盛って、たっぷりソースをかけて召しあがってください。

―― ふぁ~っ!! 立ち上る湯気からパセリの爽やかな香りが漂ってきます! 鮮やかな緑色もとってもきれいで、春にぴったりのお料理ですね。

爽やかなパセリ香るポークソテー

アサリの口が開いたらじゃがいもを戻し入れて、バター、パセリを加えて香り高く仕上げます。

冷水 香りももちろんですけれど、お味もとっても清々しくて、豚肉と一緒に食べるとしつこさを感じないでしょう?

―― たしかに。しょうが焼きだとこってりしていて、だんだん重たい感じがしてきちゃいますけど、これなら分厚いお肉もぺろりと食べられそうです。アサリからもいいお出汁が出ていて、このソース、スプーンですくって飲みたいくらいです!

冷水 あらあら(笑)。それはちょっとしょっぱいと思うから、パンにつけて食べるのはどう?

―― それ、最高です!

冷水 人によっては、ソースにニンニクを加えてもいいかもしれませんね。

―― それも名案です! このソース、パスタに絡めてもすごくおいしそうです。そうだ、余ったパセリはペペロンチーノとかボンゴレにたっぷりかけて食べるのもいいかも。

冷水 そうそう、じつはパセリはどんな食材ともケンカをしない、とっても平和主義な食材。香りや風味には個性がありますが、そこを引き出すような調理法をすれば、料理にアクセントをつけつつ、上手にまとめてくれるんです。

―― 今まで「使い道ない!」なんて言ってごめんね、パセリちゃん!

今日のレシピ

ポークソテーのパセリアサリソース

◎材料(2人分)
・豚ロースステーキ用: 2枚 
・アサリ: 200g 
・じゃがいも: 1個 
・パセリ: 15g

・EXVオリーブオイル: 大さじ1 
・白ワイン: 50ml 
・赤唐辛子: 1/2本 
・水: 100ml 
・バター: 15g

作り方

1. アサリは砂抜きをして洗っておく。じゃがいもは縦長に半分に切り、5mmの厚さに切って水にさらす。
2. 塩を振った豚肉と水気を拭いたじゃがいもを、オリーブオイルを適量入れたフライパンで中火弱でじっくり焼いて取り出す。その後フライパンの油をふき取り奇麗にする。
3. フライパンにEXVオリーブオイルを入れ、アサリと赤唐辛子を入れて中火にかける。白ワインを加えて蓋をし、アサリの口が開いたら水を加えて5分ほど煮る。途中3分ほど経ったらじゃがいもを加え煮て、最後にパセリのみじん切りを加えてバターを入れ混ぜ合わせる。
4. 皿に豚肉を盛り、3のソースをかける。

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陶芸家 竹村良訓と料理家 冷水希三子がつくる器「4 Seasons dish」 ‘Spring – Summer’展示販売会のお知らせ

爽やかなパセリ香るポークソテー

陶芸家竹村良訓さん、料理家冷水希三子さんと共同で器をつくる”4 Seasons dish”。2018年9月に発売した’Autumn – Winter’に続き、’Spring – Summer’が完成しました。『四季』をテーマに、旬の素材や料理、季節や自然の色合いから想像し生まれた、使うほどに愛着が増す、生活を彩る器です。発表を記念し、2019年4月6日(土)よりイデーショップ 自由が丘店にて展示販売会を開催します。

会期:2019年4月6日(土)~22日(月)
場所:イデーショップ 自由が丘店 3F GALLERY AND BOOKS
■作家在店日・・・4月6日(土)、7日(日)

【オープニングレセプション】
日時:2019年4月6日(土)18:00~19:30
場所:イデーショップ 自由が丘店 3F GALLERY AND BOOKS
※お酒とともに冷水希三子さんが作るおつまみをご用意してお待ちしています。

【ワークショップ】
冷水希三子さんの4 Seasons dish Work Shop
“4 Seasons dish”を使った季節の料理のレシピ、盛り付け方、楽しみ方をデモンストレーションで学びます。
冷水さんのお料理も楽しめるワークショップです。

日時:2019年4月7日(日) 11:30~/14:30~
募集人数:各回6名様
参加費:10,800円(税込)。4 Seasons dish (M) 8,640円(税込)付
ご予約:店頭またはお電話にてお申し込みください。
イデーショップ 自由が丘店 3F GALLERY AND BOOKS


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PROFILE

爽やかなパセリ香るポークソテー

冷水希三子(ひやみず・きみこ) 料理家

料理家・フードコーディネーター。レストランやカフェ勤務を経て独立。季節の食材を使ったやさしい味の料理が評判を呼び、雑誌や広告などで活躍中。器選びや盛り付けに至るまで、その料理の美しさでも注目を集めている。著書に『ONE PLATE OF SEASONS-四季の皿』(アノニマ・スタジオ)、『スープとパン』『さっと煮サラダ』(ともにグラフィック社)など。

PROFILE

  • 小林百合子

    編集者
    1980年兵庫県生まれ。出版社勤務を経て独立。山岳や自然、動物、旅などにまつわる雑誌、書籍の編集を多く手がける。女性クリエイター8人から成る山登りと本づくりユニット〈ホシガラス山岳会〉発起人。著書に『最高の山ごはん』(パイ・インターナショナル)、『いきもの人生相談室』(山と溪谷社)、野川かさねとの共著に『山と山小屋』(平凡社)など。

  • 関めぐみ(写真)

    写真家。アメリカ、ワシントンDC生まれ。スポーツ誌、カルチャー誌、女性誌などで活躍。また、広告やカタログ、CDジャケット、俳優の写真集なども担当。書籍に『8月の写真館』『JAIPUR』など。

アツアツ、とろ~り。幸せのマカロニエビグラタン

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