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「母親になって、少しのことには動じなくなった」須藤理彩さん(女優)

「母親になって、少しのことには動じなくなった」須藤理彩さん(女優)

映画『まく子』で重要な母親役を演じている女優・須藤理彩さん。実生活では、劇中と同じ年齢の娘を持つ母である。着実にキャリアを重ねながら、毎日を自然体かつ前向きに生きる須藤理彩さんに10の質問。

Q1 映画『まく子』が公開中。見どころと演じた役は?

思春期を迎えて心と体の成長に戸惑う少年・サトシが、ある女の子との出会いから自分に向き合うことを知る物語です。私が演じるのはサトシの母親・明美で、草彅剛さん演じる夫の浮気を知りながらも、旅館の切り盛りで孤独を紛らわしている快活な女性。それぞれの人生に必死に生きる不器用な大人たちも、サトシの成長を見守ることで変化していく、素敵なストーリーです。

原作の西加奈子さんが描いた『まく子』の世界観をどう映像化したのか、鶴岡慧子監督の斬新な演出も見どころです。現場の雰囲気もとてもアットホームでした。

Q2 母親として、役に共感することも?

偶然にも私の長女もサトシと同い年だったので、思春期の子に対峙する母親の心理や、その時期の子どもの様子は理解しやすかったと思います。子役のお二人に対しても、役者同士というより親子のような感覚で、見守ったり励ましたり、時に「コラーッ」と引き締めたり(笑)、コミュニケーションをとっていました。

演じた明美さんは、夫や息子との会話はうまくいかなくても、「旅館の女将」という居場所をつくっている女性。仲居さんとのおしゃべりのシーンは、本当にワチャワチャと賑やかなんです(笑)。私もだんだんと娘たちが手を離れていく時期を迎えますが、幸い置いてけぼりは感じない。女性にとって、イキイキと過ごせる居場所を持つことは大事なんだな、とあらためて思いましたね。

Q3 須藤さんにとって、演じる魅力とは?

役は私であって、私でない人。性別や年齢や家族構成といった属性の共通点はいくつもあったとしても、関わり合った人たちや環境で、こんなにも人生の歩み方や考え方が違うんだ、と発見の連続です。同時に、私が知らなかった自分も知ることができるので、とてもやりがいがあります。

Q4 休みの日の過ごし方は?

家にいる時は、子どもたちのためにフルで過ごします。娘たちは最近はK-POPに夢中で、テレビを占領するので、私は仕方なくスマートフォンの小さな画面で、放送された番組を観ています(笑)。カラオケにもよく一緒に行きますが、私が歌えるのは20曲に1回くらい。遊びでは娘たち優先ですが、“叱るべき時はきちんと叱る”も心がけています。大人になって他人から叱られるよりも、今のうちに家庭でルールを学んだ方が彼女たちのためになると思うので。

Q5 一人で過ごせるリフレッシュタイムは?

ありますよ。最近のお気に入りは、スーパー銭湯での岩盤浴。娘たちを学校に送り出した後に空き時間が見つかると、ふらりと出かけます。岩盤浴の間は頭の中を空っぽにして“考えない時間”をつくれるのでいいですね。汗と一緒にサッパリと、ストレスも流します。体を動かすことは好きなので、ジムも定期的に。時速6kmくらいで1時間ほど走ります。ランニング中に観るのはアメリカの犯罪推理系ドラマ。日本の作品だと職業柄ついいろいろ気になってしまうので、海外の作品のほうが純粋に楽しめるんです(笑)。

Q6 行ってみたい旅先は?

まだ行ったことのないハワイかな。あと、以前に家族と行った南の島。楽園みたいで最高だったので、もう一度、行ってみたいですね。海派ですが、富士登山もいつか挑戦したい目標です。

Q7 掃除と料理、どっちが好き?

断然、掃除です。“断捨離”が大好き!いつも 「捨てるもの、ない?」とチェックするので、娘たちから警戒されています(笑)。やっぱり部屋が片付くと、気持ちがスッキリしますし、暮らしを機能的に整えるのが好き。設計士だった父の几帳面な性格が影響したのでしょうね。娘たちはまだまだですが、できるだけ「使ったら戻す」を徹底しています。

Q8 バッグの中身の定番は?

エコバッグ。レジ袋をもらってゴミを増やさないように、いつも携帯しています。あとは、リップや鏡を入れているポーチくらいですね。

Q9 この春、トライしたいことは?

サンフランシスコに住んでいる叔父を訪ねて、娘と一緒に短期語学留学ができないかなと計画中です。1人だと重い腰が上がらなくても、子どもたちと一緒なら頑張れそう。子どもが努力して成長する姿にはいつも刺激をもらっています。

Q10 10年後の自分に、今言いたいことは?

歳を重ねてよかったな、と思っている自分でいてほしい。10年後に「いい時間を送ってきたな」と満足できるように、今を頑張りたいですね。白髪や体型の変化もプラスに受け入れられる女性に憧れます。

すどう・りさ

1976年神奈川県生まれ。98年、NHK朝の連続テレビ小説『天うらら』でヒロインデビュー。主な映画出演作に、『雷桜』(2010年)、『僕等がいた』(12年)、『映画深夜食堂』(15年)、『茅ヶ崎物語?MY LITTLE HOMETOWN?』など。近年では、舞台『娼年』や連続テレビ小説『半分、青い。』での好演も話題に。高校時代には陸上200メートル走で全国ベスト16を記録し、運動神経の高さでも知られる。2児の母。映画『まく子』は3月15日からテアトル新宿ほか全国上映中。

インタビュー後記

朝ドラ主演から20年以上経ち、今や女性の名バイプレイヤーとして確固たる地位を築く。相手を緊張させない明るい雰囲気と飾りのない話し言葉に、インタビューの空気もすぐに和んだ。愛娘の話題となると一層滑らかに。「母親になって、少しのことには動じなくなった」と笑う。カラリと明るい母性の人だ。

(撮影:宮本直孝/取材・文:宮本恵理子)

■この記事は、2019年3月17日付朝日新聞朝刊「ボンマルシェ」特集のコーナーの転載です。

「何にでも興味を持って、何にでもチャレンジしたくなる」生田智子さん(女優)

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