猫と暮らすニューヨーク

忙しいからこそ、猫は2匹、朝活1時間。

忙しいからこそ、猫は2匹、朝活1時間。

ギャラリーはこちら (写真 前田直子) 

[猫&飼い主のプロフィール]

猫・Winnie(ウィニー。正式名はWinifred)12歳 メス ペルシャ猫、Bea(ビー。正式名はBeatrice)10歳 メス ペルシャ猫
飼い主・時計メーカーのTinker Watchesや、スタイリッシュなアダルトプロダクトを提供するMaudeの経営者、Eva Goicochea(エヴァ・ゴイコチェア)さん。エンジニアで共同経営者でもある夫のイアンさん、2匹の犬アディ&コレットとともに、ブルックリンのロフトアパートメントに暮らす。

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老人ホームならぬ、「老犬&老猫ホーム」。エヴァさんと夫のイアンさんは、犬猫と暮らす自分たちの住まいをそうたとえる。最年長は、15歳になる犬のコレット。ひどい虐待を受け保護されたシーズー犬で、最近は高齢のため朝晩の投薬が欠かせない。

続いて、もしゃもしゃの毛をまとったリトルモンスター、黒白のペルシャ猫ウィニー、12歳。同じくペルシャ猫のビーは、ふわふわの茶系の毛並みをしたミニライオン、推定年齢は10歳だ。最年少は、「たぶん9歳ぐらい」というシーズー犬のアディ。元々右目が見えないという。

いずれも保護されたり、人から譲り受けたりした4匹の動物たち。散歩、投薬、ブラッシングにトイレ掃除……。会社をふたつ経営するエヴァさんと、エンジニアとして活躍するイアンさんの多忙な2人は、一体どうやって動物たちの面倒を見ているのだろう。私なんて1匹の猫の世話ですら、いっぱいいっぱいな時があるというのに……。エヴァさんは言う。

「私もイアンも早く起きて、朝の1時間は犬猫のごはん、散歩、そして動物たちとベタベタして過ごす時間に充てています。私が犬を飼い始めた19歳の頃から、動物を優先したタイムスケジュールにしているんです」。

ちなみに夜は、できるだけどちらか1人が家にいるよう努める。2人とも遅くなるときや、家を不在にするときは無理せず、ペットシッターや友人の助けを借りるという。2人のような忙しい飼い主には、「2匹の猫を同時に飼うことをおすすめします」とエヴァさん。そうすれば飼い主が不在がちでも、動物たちが寂しい思いをすることが少ないからだ。

忙しいからこそ、猫は2匹、朝活1時間。

エヴァさんが初めて自分で飼った猫は、保護猫のヒマラヤン。1匹ではかわいそうだからとさらに譲り受けたのが、ペルシャ猫のビーでした。ヒマラヤンが亡くなった後、ビーのために譲り受けたのがウィニー。常に2匹を心がけています。 ギャラリーはこちら

そんな夫妻と暮らしを共にするのが、2匹の猫、ビーとウィニー。同じペルシャ猫でも、性格は正反対。まるで陰と陽(よう)のような関係だという。

ビーはおとなしく、エヴァさんが自宅に帰ると玄関で出迎えるなど、犬のような忠誠心を持ちながら、飼い主以外の人にはすぐに心を開かない、少々気難しい性格。撮影で訪れたときも、寝室のベッドにもぐったまま、なかなか姿を見せてくれなかった。

忙しいからこそ、猫は2匹、朝活1時間。

ベッドの中から撮影チームの様子を密(ひそ)かにうかがう、ビー。ピンク色の舌が口の中におさまりきらず、いつもちらっと見えてしまいます。 ギャラリーはこちら

フレンドリーなウィニーは、いわく「完全なお調子者キャラ」で、自分と他人を同時に楽しませることに長(た)けているエンターテイナー。早速、初対面の撮影チームにも、卓球の玉を転がし嬉々(きき)として遊ぶ姿を披露してくれた。

食べることも大好きで、エヴァさんたちが食事をしているともれなく参加。人間みたいにダイニングテーブルの席につき、食事を堪能する姿は「かわいくてたまらない」とエヴァさん。ちなみにエヴァさんたちが自宅に戻っても、ビーのように玄関で出迎えることはしない。マイペースな怠け者だ。

忙しいからこそ、猫は2匹、朝活1時間。

ウィニーにとって、食べることはこの世の喜び。「ウィニーがもし人間だったら、一日中ブッフェに張り付いていると思う」とエヴァさん。 ギャラリーはこちら

ところで、エヴァさんとイアンさんが譲り受けるのは、ある程度の年齢になった成犬や成猫ばかり。「そのほうが気質に関する情報が得やすいから。一時預かりされていた犬猫ならば、なおさらですね」。

どんな性格や嗜好(しこう)で、人間に対しどういう振る舞いをするか。病歴も含め、生まれたての子犬や子猫ではわからない情報が、成犬・成猫だと入手しやすい。多頭飼いの場合は、動物同士の相性を考える必要もあり、事前に情報を得られたほうが助かるという。結果、飼い主が準備万端で犬猫を受け入れることができるというわけだ。

忙しいからこそ、猫は2匹、朝活1時間。

4匹の生活、始まってみたら仲が良くなったのは2匹の猫ではなく、シーズー犬のアディと猫のビーという犬猫の組み合わせでした。よく一緒にお昼寝します。 ギャラリーはこちら

でも一方で、成犬や成猫を飼うということは、悲しいお別れの場面に立ち会う機会が多くなることでもある。「別れはいつだってすごく悲しいです」とエヴァさん。

「でも犬や猫は、いつも人間を必要としています。まだまだ世の中には、私たちの手助けを待っている動物がいる。そう思うことで、気持ちを前向きに切り替えることができます」。

エヴァさんとイアンさんのもとから天国へ旅立った犬や猫たち。その遺灰は、陶器に入れられ、陽(ひ)のあたる寝室の窓際に大切に飾られている。

写真のつづきは最下部のギャラリーへ↓↓ ※写真をクリックすると拡大表示されます。

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Maudeのウェブサイト https://www.getmaude.com
エヴァさんのインスタグラム https://www.instagram.com/evagoicochea/
イアンさんのインスタグラム https://www.instagram.com/igoicochea/

連載「猫と暮らすニューヨーク」では、ニューヨークで猫と生活するさまざまな人を訪ね、その暮らしぶりから、ユニークなエピソード、インテリアや飼い方のアイデアまでを紹介します。

PROFILE

前田直子

写真家 24歳で渡米。サンフランシスコのAcademy of Art Universityで写真を学んだ後、日本へ帰国し、フォトグラファーの前田晃氏に師事。2010年に独立し、雑誌や写真集、ウェブなどで幅広く活動。2013年に再び渡米、現在はニューヨーク・ブルックリンを拠点に、日本&アメリカの雑誌や広告、ウェブなどで撮影を手がける。猫アレルギーでありながら、子どもの頃から無類の猫好き。10代の頃、実家で飼っていた猫の名前はチノ。
www.naokomaeda.net

PROFILE

仁平綾

編集者・ライター
ニューヨーク・ブルックリン在住。食べることと、猫をもふもふすることが趣味。愛猫は、タキシードキャットのミチコ。雑誌等への執筆のほか、著書にブルックリンの私的ガイド本『BEST OF BROOKLYN』、『ニューヨークの看板ネコ』『紙もの図鑑AtoZ』(いずれもエクスナレッジ)、共著に『テリーヌブック』(パイインターナショナル)、『ニューヨークレシピブック』(誠文堂新光社)がある。
http://www.bestofbrooklynbook.com

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