料理家・冷水希三子の何食べたい?

初夏にぴったり。涼やかなきゅうりとメロンのサラダ

料理家・冷水希三子(ひやみず・きみこ)さんが読者と私たち編集部のリクエストに応えて料理を作ってくださるという夢の連載。今回は旬のメロンを使ったひんやり、爽やかなサラダを教えていただきます。

―― 冷水先生、こんにちは。いよいよ暖かくなってきましたね。

冷水 ええ、日によってはもう暑いくらい。でも梅雨の気配も感じますね。季節がめぐるのは早いですねえ。

―― 梅雨は憂鬱(ゆううつ)ですが、晴れた日は本当に爽やかで気持ちがいいですよね〜。読者の方々もそんな空気を感じてか、お料理のリクエストもなんだか初夏めいたものが増えてきました。

冷水 食材の旬というのは季節そのものですからね。どこかにお出かけしなくても、お料理をしているだけで四季を感じられるものです。

―― わあ、すてき! 家の中で季節の移ろいを感じられるなんて、お料理っていいものですね。そう思えば毎日キッチンに立つのも楽しくなりそうです。5月は夏のように暑い日もあったので、ひんやり冷たいサラダのリクエストが多かったです。

初夏にぴったり。涼やかなきゅうりとメロンのサラダ

旬を迎えたメロン。半分はそのまま食べて、残りはサラダにしてみましょう。

冷水 たしかに、これからはさっぱりしたサラダが食べたくなる季節ですね。では今日は旬のメロンを使ったサラダなんてどうですか?

―― で、出た~! おしゃれ料理上手さんの必殺技、フルーツを使ったサラダ!

冷水 そうなんですか?(笑)。

―― フルーツのサラダっておしゃれなレストランではたまに見ますけど、自分で作るのはなんだか難しそうじゃないですか……。どんな組み合わせがいいのかも検討がつかないし。

冷水 今日はきゅうりとメロンの組み合わせなのですが、何か気がつくことはありますか?

―― え〜と……。同じウリ科の植物ですね。あ、あとどっちも緑色!(笑)。

冷水 そう、両方とも緑色です。これは私の私見ですが、同じ色の野菜と果物は相性がいいように思うんです。それに見た目にも美しいですしね。おっしゃる通り、今回は同じウリ科の野菜と果物なので、より合わせやすいと思いますよ。

―― なるほど〜。サラダって彩りも大切だから、「色」から組み合わせを考えるのもアリなんですね! なんだか楽しいですね。

初夏にぴったり。涼やかなきゅうりとメロンのサラダ

種と皮は取り除いて、果肉だけを使いましょう。

冷水 じゃあまずはきゅうりの皮をむきましょうね。

―― きゅうりの皮って、料理によってむいたりむかなかったりしますけど、それはどういう基準なんでしょうか?

冷水 きゅうりの皮は少しウリっぽいというか、少々青臭い風味があって、まあそれが魅力でもあるんですけど、今回はメロンの風味も感じてもらいたいので皮はナシがいいかなと。合わせる素材や味付けによって決めたらいいですよ。

―― どれくらいきゅうりの“ウリ感”を出したいかってことですね!

冷水 メロンは皮と種を取り除きます。種があると口当たりが悪くなって、メロンのつるん、きゅうりのぽりぽりという食感が損なわれてしまうので今回は取りましょうね。

―― サラダは食感が命ですものね。

初夏にぴったり。涼やかなきゅうりとメロンのサラダ

赤玉ねぎはほんの少しでも風味と食感のアクセントに。入れすぎると主役の邪魔をしてしまうので、このくらいがちょうどいい塩梅(あんばい)。

冷水 食べやすい大きさに切ったきゅうりをボウルに入れて、塩と白ワインビネガー、EXVオリーブオイルを加えて混ぜます。

―― あれ? メロンは混ぜないんですか?

冷水 ここが今日のポイントです。全体に塩けや酸味をつけてしまうと味がぼんやりとしてしまうので、メロンには強く味付けせずに甘みや風味を生かします。逆にきゅうりにはしっかりと味をつけることでメリハリを出すんです。

―― メロンの甘さの中にきゅうりの塩けや酸味があると、メロンの甘さがより引き立つってことですね!

冷水 その通りです。きゅうりに味を付けたら、次にメロンと水にさらしておいた赤玉ねぎスライス、ディル、レモン汁、少しの白ワインビネガーを加えてよく混ぜます。これでほぼ完成です。

―― えっ、先生! 赤玉ねぎの量が少なすぎませんか!? 本当に申し訳程度ですが……。

初夏にぴったり。涼やかなきゅうりとメロンのサラダ

仕上げにほぐしたフェタチーズを散らします。これも入れすぎると塩けが強くなってしまうので、ポイント程度に。

冷水 いいんです。赤玉ねぎは具材というより調味料の一種みたいな感じなので。ニンニクを少し入れて風味をつけるみたいな感覚ですね。

―― なるほど! これもアクセントになるわけですね。

冷水 最後のポイントは、すべての具材をボウルに入れたら、手で優しく混ぜてなじませることです。メロンは崩れやすいので、手で混ぜるのが一番ですし、素手だと調味料の馴染(なじ)み具合もよくわかりますからね。

―― はい!

冷水 ではお皿に持って、仕上げです。EXVオリーブオイルをまわしかけて、ほぐしたフェタチーズを散らしましょう。あっ、チーズはそんなにたくさんかけないでくださいね。せっかくのサラダがチーズ味になっちゃう(笑)。

―― はっ! つい欲張ってしまいました。たしかに、メロンときゅうりの爽やかな風味が台無しになっちゃいますね(涙)。

冷水 塩けとコクが強いフェタチーズもサラダ全体を引き締めるアクセントですから、全体にたっぷりかけるというより、ポイントで散らすという感覚がいいですね。さあ、召し上がれ。

―― う〜ん、きゅうりとメロンの爽やかな香りがたまりません! 見た目には同じ緑なのに、食べる食感は対照的でとっても楽しいですね。メロンの甘みが一番生きるんですけど、次にきゅうりの酸味、ディルの香り、ときどきフェタチーズのコクがガツンときて、全然飽きません!

冷水 同じサラダでも色々な風味や食感、香りを楽しめますから、どんどん食べてみてください。

―― 楽しいサラダを作るコツはアクセント、メリハリなんですね。私もこの夏は脱“ぼんやりサラダ”するぞ!

今日のレシピ

きゅうりとメロンのサラダ

■材料

・きゅうり 1本
・メロン 1/4個
・ディル 5~6本
・赤玉ねぎ 1/10個
・フェタチーズ 適量
・白ワインビネガー 大さじ1/2
・レモン汁 小さじ1
・EXVオリーブオイル 大さじ1
・塩 適量

作り方

1. 赤玉ねぎは薄くスライスして水にさらし、水気をふく。ディルは粗いみじん切り。メロンは皮と種を取り除き、2cm大に切る。

2. きゅうりは皮をむいて2cm大の乱切りにし、ボウルに入れて塩ひとつまみと白ワインビネガー小さじ1とEXVオリーブオイルを加え混ぜる。

3. に赤玉ねぎとディル、メロンを加え、残りの白ワインビネガー小さじ1/2とレモン汁を加えて混ぜ、皿に盛る。ほぐしたフェタチーズとEXVオリーブオイルを適量かける。

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(料理・レシピ 冷水希三子 写真 関めぐみ 文 小林百合子)


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PROFILE

初夏にぴったり。涼やかなきゅうりとメロンのサラダ

冷水希三子(ひやみず・きみこ) 料理家

料理家・フードコーディネーター。レストランやカフェ勤務を経て独立。季節の食材を使ったやさしい味の料理が評判を呼び、雑誌や広告などで活躍中。器選びや盛り付けに至るまで、その料理の美しさでも注目を集めている。著書に『ONE PLATE OF SEASONS-四季の皿』(アノニマ・スタジオ)、『スープとパン』『さっと煮サラダ』(ともにグラフィック社)など。

PROFILE

  • 小林百合子

    編集者
    1980年兵庫県生まれ。出版社勤務を経て独立。山岳や自然、動物、旅などにまつわる雑誌、書籍の編集を多く手がける。女性クリエイター8人から成る山登りと本づくりユニット〈ホシガラス山岳会〉発起人。著書に『最高の山ごはん』(パイ・インターナショナル)、『いきもの人生相談室』(山と溪谷社)、野川かさねとの共著に『山と山小屋』(平凡社)など。

  • 関めぐみ(写真)

    写真家。アメリカ、ワシントンDC生まれ。スポーツ誌、カルチャー誌、女性誌などで活躍。また、広告やカタログ、CDジャケット、俳優の写真集なども担当。書籍に『8月の写真館』『JAIPUR』など。

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