朝日新聞ファッションニュース

高級ブランド、レンタルで「お試し」 使い心地を体験、購入前のヒントに

高級ブランドバッグや時計を、毎月定額制で借りるサービスの人気が高まっている。断捨離やミニマリストといった「持たない」主義や、「所有よりシェア」の意識が広がる一方で、買う前のお試しとしても一役買っているという。

バッグ、月額制で3万2千個から

エルメス、シャネル、ルイ・ヴィトン……定価30万円以上の高級バッグがスマホの画面に並ぶ。レンタルサービス「ラクサス」では月額6800円(価格はすべて税別)で57ブランド、3万2千個から1点のバッグを借りられ、返却期限はない。交換も可能だ。

高級ブランド、レンタルで「お試し」 使い心地を体験、購入前のヒントに

「ラクサス」の画面(一例)

有料会員は主に20~50代女性で2万人超。ファッション関係で働く30代の上原ゆうかさんは、旅行用にバレンシアガの大きなトートバッグを選んだ。「ブランド物は年に一度買えるかどうか。素材や、荷物を入れた後の重量感が試せるのが魅力」。2年前からの会員で、これまでに24種類借りた。次は夏らしい素材や色のバッグを狙う。

経営企画の仕事に携わる森本詩乃さん(35)はルイ・ヴィトンの赤いバッグを選択。「購入なら黒など定番の色や形になりがち。おしゃれの幅が広がった」。子育て中で、「お食い初めや入園式など写真に残るイベントだからこそ、いいバッグを持ちたい」という。シェアリングの動きが広がっているが、森本さんは「いずれ何を買おうか、ヒントを探す感じ」。

高級ブランド、レンタルで「お試し」 使い心地を体験、購入前のヒントに

(左)ルイ・ヴィトンを持つ森本さん、(右)バレンシアガを借りた上原さん

記者も憧れのエルメスのショルダーバッグを借りた。手入れが行き届き、きれいさに驚いた。返却時にクリーニングは不要で、多少の汚れは気にせず持てる。軽くて収納力がある一方、革製の留め具は留め方にこつがあることもわかった。持ち続けることでわかる発見があった。

新作もラインナップされ、選ぶ時間も楽しい。ただ、返却期限がないゆえ、すぐに借りられず順番待ちの物も。人気のバッグには期限を設けるなど改善余地はありそうだ。

運営するラクサス・テクノロジーズの児玉昇司社長は「買うと借りるは共存する。使ってみて良ければ欲しくなると思う」と話した。

腕時計、最も高額なプランが人気

高級腕時計のレンタルサービス「カリトケ」ではロレックスなど40ブランド約300種類を借りられる。月額3980円から1万9800円まで4プランあり、こちらも返却期限はない。

一番ユーザーが多いのは最も高額なエグゼクティブプラン。定価数百万円の腕時計も対象になる。20~30代が中心で、不動産業界や金融業界の営業職のほか、公務員も多いという。

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神崎さんが借りているゼニスの「エル・プリメロ」

会社員でベンチャー企業も運営する神崎洸平さん(28)は定価約百万円のゼニスをレンタル中。「仕事上、第一印象を大事にしたくて。よく声をかけられて話題になります」。300万円前後の時計を買おうとした矢先にサービスを知り、購入計画は先延ばしに。「良い時計をつけると気持ちがいいが、飽きたり心変わりしたりするのではという不安も残る。本当に欲しいものを買うために、今は色々試したい」

男性にはロレックスやウブロが人気で、女性にはシャネルやカルティエが人気だという。

運営するクローバーラボの小川紀暁常務取締役は「高級品は何を買おうかと考えている時が一番楽しい。試したいという購入前のステップとして受け入れられた」と話す。

(松沢奈々子)

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