朝日新聞ファッションニュース

暮らしの中に自然美を ミラノ・デザインウィーク

イタリアで4月に開かれたミラノ・デザインウィークでは、ファッションブランドも家具やインテリア小物を発表した。日本の伝統的なモチーフや素材、技術を応用し、新しいデザインを生み出す試みが欧州の著名ブランドでも多く見られた。自然の造形を生活のなかに取り入れる動きがトレンドになっている。

竹細工+レザー

暮らしの中に自然美を ミラノ・デザインウィーク

(左)アルマーニ・カーザ、(右)ロエベ

たたみ風の布を使ったキャビネット、沖縄の布から着想を得た家具、刀の「つば」をモチーフにした食器。日本文化の要素を随所に盛り込んだアルマーニ・カーザは、様々な色や素材との組み合わせでモダンに見せた。

ロエベは、日本や米国、アイルランドなどの職人に、ブランドのレザーを使ってカゴを編むよう依頼した。竹とレザーを編み込んだ花器など4点を出展した竹工芸家の松本破風は、「レザーは竹と感触が全く違うが、楽しかった。日本の技術は世界のどこにいっても負けないと思う」と話した。

エルメスの会場は、赤や白、緑がかった天然石を積み上げた壁が、迷路のように入り組んでいた。テーマは素材。石の照明や、手染めのカシミヤのブランケットのほか、和紙を使ったテーブルランプも。フレームは竹で、幾何学的なデザインと、和紙から透ける優しい光が融合していた。

軽やか色使い

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(左)ルイ・ヴィトン、(右)ミッソーニ・ホーム

花や山など、自然をモチーフにした作品も目立った。ルイ・ヴィトンは、ブラジルの著名デザイナー、カンパーナ兄弟が手がけた熱帯の花のようなソファなどを展示。こんもりと人の体を包み込む形と明るいイエローで、心も軽くしてくれそうだ。

ヴェルサーチェ・ホームはジャングルをイメージしたアウトドアラインを発表。日よけがついたハンギングベッドなど、リゾート感のあるアイテムがそろった。ミッソーニ・ホームは、山々や氷河、針葉樹林などをソファやクッションカバーにあしらった。

暮らしの中に自然美を ミラノ・デザインウィーク

イッセイミヤケのミラノ旗艦店で、ヨーラン・ファンデルウィールと作品

イッセイミヤケはミラノの旗艦店で、オランダのデザイナー、ヨーラン・ファンデルウィールによる、透明なチューブでできた作品を展示。チューブの中で水と空気が動き、ひとしずくの雨粒の旅を表現した。ファンデルウィールは「人間は自然からできているから、自然現象が面白いと思う」と話した。

廃素材が変身

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(左)キナサン、(右)アンテプリマで、段ボール製家具にペイントする大宮エリー

環境に配慮した「持続可能性」もキーワードの一つだ。スウェーデンの生地ブランドキナサンは、ペットボトルをリサイクルした生地のカーテンをインスタレーションで見せた。グラフィックデザイナーの長嶋りかこが、印刷の工程で出る損紙の不規則な模様などをデザインに落とし込んだ。

アンテプリマでは、リサイクル段ボール素材の家具にアーティストの大宮エリーがペイントを実演。アンテプリマのデザイナー荻野いづみは「段ボールを捨てず、絵を描いたら違うものになるよ、というメッセージにもなる」。

デザインウィークの核となる催し「第58回ミラノサローネ国際家具見本市」には、約38万6千人が来場した。若手デザイナー対象の「サローネサテリテ・アワード」で、神戸市のデザインスタジオ「クリクリ」の山内真一さん(35)が兵庫の職人らと手がけた神戸牛の革製品が1位を受賞。山内さんは「兵庫の昔からの技術が、イタリアンレザーの本場で認められた」と話した。

(神宮桃子)

羊の飼育から服作りまで エルメネジルド・ゼニア

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