料理家・冷水希三子の何食べたい?

しゃりしゃり食感楽しむ、アサリとレタスの豆豉炒め

料理家・冷水希三子(ひやみず・きみこ)さんが読者と私たち編集部のリクエストに応えて料理を作ってくださるという夢の連載。今回はレタスならではの食感を楽しめる、中華風の炒めものを教えていただきます。

―― 冷水先生、こんにちは。夏のような暑い日が続きますね~。

冷水 早く暖かくなってほしいと思っていたのですが、こう暑いと涼しい時期が恋しいです(笑)。

―― スーパーには夏野菜も並び始めて、料理欲がどんどん高まってくる今日この頃です!

冷水 それは素晴らしい! スーパーで食材を見ながら「今日は何を作ろうかな?」と考えるのは楽しい時間ですよね。

―― 食材を見てパッとレシピが思い浮かぶようになればいいのですが……。私はまだまだそこまで到達できていません(涙)。読者の方も使いたい食材はあるけれど、それをどう料理に使っていいかわからない……という方も多いみたいです。

しゃりしゃり食感楽しむ、アサリとレタスの豆豉炒め

乾燥豆豉(トウチ)は水に10分ほど漬けて戻してから使います。炒めると醤油(しょうゆ)のような風味とコクが出て、本格的な中華の味に。

冷水 少しずつレパートリーを増やしていきましょうね。今日はどんな食材のリクエストがきていますか?

―― 最近多いのは、旬のレタスです。やっぱり簡単なサラダに使う人が大半で、それ以外の活用法を教えてほしいという声が大多数ですね。

冷水 あら、レタスは火を入れてもすごくおいしいんですよ! 生のときはシャキシャキした食感が気持ちいいですが、炒めると柔らかくなって、シャリシャリとした独特の口当たりが楽しいんです。

―― それはぜひ食べてみたいです~!

冷水 じゃあ今日は、同じく旬のアサリを使った中華風の炒め物を作りましょう。豆豉(トウチ)を使えば、いつもより少し本格的な風味を出せるので、オススメです。

―― お! この水に浸しているのが豆豉ですね。お豆みたいな感じですね。

冷水 はい、大豆を発酵させたもので、炒めるとお醤油のような風味とコクが出ます。ペースト状のものも売られていますが、ぜひ豆のまま乾燥させたものを使って欲しいですね。風味がいいので。10分ほどで戻せますから手軽です。

―― 新しい調味料を使うのはワクワクします!

しゃりしゃり食感楽しむ、アサリとレタスの豆豉炒め

レタスはさっと洗ってラフにちぎりましょう。旬のものは柔らかくて甘みがあります。

冷水 豆豉を戻している間にレタスを準備しましょう。水をはったボウルに入れて軽く洗って、あとは手で食べやすい大きさにちぎるだけです。

―― 女子の“肌”のごとく水を弾く、新鮮なレタスです(笑)。

冷水 ふふふ。旬の野菜は本当に元気ですよね。さあ、食材の準備が整ったら、ここからはスピード勝負です。ニンニク、しょうがのみじん切り、戻した豆豉のみじん切り、砂抜きしたアサリ、そしてレタス。中華鍋の近くに材料をスタンバイしておくのが、おいしい炒め物を作る鉄則ですよ。

―― 炒めている間にまごまごしているとダメってことですね!

冷水 とくにレタスはすぐに火が通ってしまうので、あんまりダラダラ炒めるとせっかくのシャリシャリ食感が損なわれてしまうんです。

―― 段取りとスピードが命ですね、了解です!

しゃりしゃり食感楽しむ、アサリとレタスの豆豉炒め

ニンニク、しょうが、豆豉を炒めた後にアサリを投入。どれも旨味(うまみ)たっぷりの食材。ここにさっとレタスを炒め合わせるような感覚です。

冷水 じゃあまずニンニクとしょうが、豆豉を炒めて香りを出していきます。次にアサリを加えて酒を入れ、口が開くまでしばらく待ちましょう。

―― あ~ん! 豆豉の香りがすごくいいですね!

冷水 今回はお醤油を使わないので、豆豉が隠れた主役です。

―― あ、アサリの口が開きました! いよいよレタスを投入ですね!

冷水 レタスを加えて、ここから強火で一気に仕上げていきますよ~。

―― 本当だ! 山盛りだったレタスが一気にしな~っとなっていきますね! え~とどこまで炒めたらいいんでしょう……火から上げるタイミングがわかりません(涙)。

しゃりしゃり食感楽しむ、アサリとレタスの豆豉炒め

レタスを入れたら強火で一気に炒めていきます。長時間炒めるとレタスが柔らかくなりすぎるので注意してください。

冷水 レタスがくたっとなったなと思ったら、少し味見してみてください。お好みの食感はそれぞれなので、自分がいいなと思ったところがやめ時です(笑)。

―― 料理に100%の正解はないんですね。自分の好みを大切にしなくちゃ!

冷水 そう、そうやって自分だけのレシピができていくんです。

―― はい!

冷水 そろそろいいかなと思ったら、仕上げにごま油を回し入れて火から下ろしましょう。味見をして、もう少し塩気が欲しいなと思ったら塩を加えてもいいでしょう。

―― 味見って大切なんですね。

冷水 使うお鍋やコンロの火力によって仕上がりはまちまちですから、レシピ本の時間通りに作ってもうまくいかないことだってあります。最後は自分の感覚を大切にしたらいいと思います。

―― なんだか勇気が出るというか、やる気が出ますね。

冷水 さあできましたよ。熱々のうちに食べてみてください。

―― わ~、レタスのシャリッ、ニュルッとした食感が新しい! アサリと豆豉のダブル旨味で、これはご飯もお酒も進みます。レタスのグリーンもとってもきれい。

冷水 初夏らしいお料理ですね。明るいうちからビールが飲みたくなっちゃう(笑)。

今日のレシピ

アサリとレタスの豆豉炒め

■材料

・レタス 1/3個
・アサリ 200g
・長ネギ 10cm
・しょうが 1片
・にんにく 1/2片
・豆豉 6g
・酒 大さじ2
・油 大さじ1
・ごま油 適量

作り方

1. 豆豉を水に浸し戻す。

2. レタスは軽く水洗いし、5cm大にちぎる。アサリは砂抜きをする。長ネギ、しょうが、にんにくはみじん切りにする。戻した豆豉は粗めに刻む。

3. フライパンに油と長ネギ、しょうが、ニンニク、豆豉を加えて火にかけ、香りが立ってきたらアサリを加えて炒め、酒を加えてアサリの口が開くまで炒める。

4. にレタスを加え炒め合わせ、ごま油を適量まわしかける。味を見て足りなければ塩で味を調える。

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(料理・レシピ 冷水希三子 写真 関めぐみ 文 小林百合子)


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PROFILE

しゃりしゃり食感楽しむ、アサリとレタスの豆豉炒め

冷水希三子(ひやみず・きみこ) 料理家

料理家・フードコーディネーター。レストランやカフェ勤務を経て独立。季節の食材を使ったやさしい味の料理が評判を呼び、雑誌や広告などで活躍中。器選びや盛り付けに至るまで、その料理の美しさでも注目を集めている。著書に『ONE PLATE OF SEASONS-四季の皿』(アノニマ・スタジオ)、『スープとパン』『さっと煮サラダ』(ともにグラフィック社)など。

PROFILE

  • 小林百合子

    編集者
    1980年兵庫県生まれ。出版社勤務を経て独立。山岳や自然、動物、旅などにまつわる雑誌、書籍の編集を多く手がける。女性クリエイター8人から成る山登りと本づくりユニット〈ホシガラス山岳会〉発起人。著書に『最高の山ごはん』(パイ・インターナショナル)、『いきもの人生相談室』(山と溪谷社)、野川かさねとの共著に『山と山小屋』(平凡社)など。

  • 関めぐみ(写真)

    写真家。アメリカ、ワシントンDC生まれ。スポーツ誌、カルチャー誌、女性誌などで活躍。また、広告やカタログ、CDジャケット、俳優の写真集なども担当。書籍に『8月の写真館』『JAIPUR』など。

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