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あなたは選ぶ? 選ばない?!『グレイヘアという生き方』

あなたは選ぶ? 選ばない?!『グレイヘアという生き方』

撮影/猪俣博史

今年早々、新聞で目にした途端、思わずにっこりしてしまったブランド広告があります。2018年、流行語大賞にノミネートされた“グレイヘア”の火付け役であるフリーアナウンサー、近藤サトさんと、“爆毛赤ちゃん”ことbabychancoが登場したヘアケアブランド「PANTENE」の広告です。

昨年、髪を通して話題となった2人の満面の笑みと共にあるのは「2019年.さあ、この髪で行こう。PANTENE ♯HairWeGo」の文字。「美しい髪によって、女性が一歩前に踏み出す勇気をサポートする」同ブランドが日本で、グレイヘアモデルを起用したのは今回が初めてだったそう。それだけ、グレイヘアが新たな女性の在り方として注目されていると言えます。

グレイヘアは、これまで女性が染めて隠すことが常識だった白髪を染めずに、ありのままでいる髪形のこと。『グレイヘアという生き方』は、そんなグレイヘアブームを生み出した主婦の友社によるシリーズ第4弾。近藤サトさんをはじめとするグレイヘアの有名人や一般人のインタビュー、ファッションやメイクのコツなどが紹介されています。

“今の年齢でなければ表現できない美しさを選んだ人たち”がインタビューを通して口々に語るのは、ありのままの自分でいられる心地よさや解放感、人生の次のステージに進めたという充実感。一方で、「シニアの仲間入りをしたのか?」「女性であることを捨てたのか?」と周りから言われるケースもあると言い、勇気と覚悟がいる決断だということが分かります。

“知性”が決め手。大人の女性が進化

あなたは選ぶ? 選ばない?!『グレイヘアという生き方』

『グレイヘアという生き方』 (主婦の友生活シリーズ) 主婦の友社 1296円(税込み)

そんななか興味深かったのが、美容ジャーナリスト、齋藤薫さんによるグレイヘアの分析。齋藤さんはグレイヘアの成否を決めるのは“知性”であると言います。ともすれば単なる白髪交じりのヘアになってしまうリスクがあるなか、髪形、ファッション、メイクなど、全身に神経を行き届かせ、意識的に手間をかけられる感性がないと成功しないと。

「それは大人の女性たちの進化の証。知性がきちんと美しさに使われるようになった、その結果が、グレイヘアなのだ。だから、ここまで人を引きつけ、憧れさせる」という言葉に、なるほどと感じ入りました。

表紙をはじめ冒頭に登場されている近藤サトさんは、思わずじっと見つめてしまうほど本当に美しいです。主婦の友社が実施した調査によると、女性が白髪染めをやめるタイミングは、50代と60代がそれぞれ3分の1ずつでトップだそう。自分がその年代を迎えたとき、どんな髪形をしていたいか、これまであまり考えたことはなかったですが、このムック本をきっかけに将来、どう生きていきたいかを含めてよりリアルに考えるようになりました。

私自身は、近藤サトさんのように50歳からグレイヘアを選べる自信が今の時点ではまだありませんが、そのときの自分がどう考えるか……今はとにかくグレイヘアも一選択肢として持てるよう、知性を磨いておかなくては!と思っています。

(文・若杉真里奈)

PROFILE

蔦屋書店 コンシェルジュ

12人のブックコンシェルジュの皆さんに、
そのとき、一番おすすめの本を週替わりで熱くご紹介いただいています。
●代官山 蔦屋書店
間室道子(文学)
●二子玉川 蔦屋家電
岩佐さかえ(健康 美容)/大川 愛(食)/北田博允(文学)
嵯峨山 瑛(建築 インテリア)/中田達大(ワークスタイル)/松本泰尭(人文)
●湘南 蔦屋書店
川村啓子(児童書 自然科学)/重野 功(旅行)/羽根志美(アウトドア)
八木寧子(人文)/若杉真里奈(雑誌 ファッション)

若杉真里奈(わかすぎ・まりな)

湘南 蔦屋書店で雑誌、ファッションを担当するほか、湘南T-SITEの広報、イベント販促も務める。
ファッション業界新聞社で編集、展示会事業を担当した後、湘南T-SITEの立ち上げに参加。
現在、住む鎌倉は、自分にとっての“パワースポット”。

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