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団長はクロード・ルルーシュ フランス映画祭を楽しむ三つの視点

団長はクロード・ルルーシュ フランス映画祭を楽しむ三つの視点

ラインナップ発表会見の会場は駐日フランス大使公邸。右からローラン・ピック大使、林文子横浜市長、フェスティバルミューズの中谷美紀さん、ユニフランスのイザベル・ジョルダーノ代表、日産の川口均副社長

フランス映画の最新作を紹介する「フランス映画祭2019 横浜」が6月20~23日に横浜みなとみらいホール、イオンシネマみなとみらいなどで開催されます。近日公開の話題作や日本未公開の新作などを15プログラムで上映、来日ゲストのトークイベントなども予定しています。

名画を彩った2人の作曲家の追悼企画も

団長はクロード・ルルーシュ フランス映画祭を楽しむ三つの視点

「男と女Ⅲ」のカンヌ公式上映に出席したルルーシュ監督とアヌク・エーメ、ジャン=ルイ・トランティニャン(左から) /Reuters

27回目を迎える今年の団長は「男と女」「白い恋人たち」「愛と哀しみのボレロ」などで知られるクロード・ルルーシュ監督。アヌーク・エーメとジャン=ルイ・トランティニャンを主演に「男と女」の53年後を描いた最新作「男と女Ⅲ 人生最良の日々(仮題)」が、5月のカンヌ国際映画祭でのプレミア上映に続き、横浜のスクリーンに登場します。

団長はクロード・ルルーシュ フランス映画祭を楽しむ三つの視点

昨年11月に死去したフランシス・レイ(左)-(c) Joanne Azoubel- と今年1月に死去したミシェル・ルグラン(右)-(c) Sebastien Cauchon/ UniFrance-

「男と女」といえば「ダバダバダ……」のスキャットを思い浮かべる人も多いのでは。「男と女Ⅲ」の上映ではルルーシュ監督と長年コンビを組んで来た作曲家フランシス・レイ、開会式では「シェルブールの雨傘」「華麗なる賭け」などの映画音楽を手掛けたミシェル・ルグランの代表曲を生演奏する追悼企画も予定。「異なる世代をつなぐ企画に」と、どちらも慶応大学ライト・ミュージック・ソサエティの学生たちが演奏を担当します。

キーワードは「パリ」「女性」「再起」

団長はクロード・ルルーシュ フランス映画祭を楽しむ三つの視点

開幕作品の「シンク・オア・スイム」 (c) 2018 -Tresor Films-Chi-Fou-Mi Productions-Cool industrie-Studiocanal-Tf1 Films Production-Artemis Productions

オープニング作品は、人生に行き詰まった8人の中年男がシンクロナイズドスイミングに挑む「シンク・オア・スイム」。マチュー・アマルリック、ギョーム・カネ、ブノワ・ポールブールドといった名優たちがそろい踏みしたおじさん版「ウォーター・ボーイズ」とも言える作品で、フランスでは400万人を動員する大ヒットを記録しました。

団長はクロード・ルルーシュ フランス映画祭を楽しむ三つの視点

映画祭の見どころを紹介するユニフランスのイザベル・ジョルダーノさん

主催のユニフランス代表のイザベル・ジョルダーノさんは三つの視点から今年のラインナップの見どころを紹介しました。

まず、「パリの街」。光あふれるパリの街が、陰影豊かな人間ドラマの舞台となります。昨年の東京国際映画祭でグランプリを受賞した「アマンダと僕」は、パリで起きたテロで姉を失った青年と幼い姪が再起する姿の物語。「キリクと魔女」で知られるミッシェル・オスロ監督の「ディリリとパリの時間旅行」は、アニメーションならではの手法でベル・エポックのパリへと誘います。

団長はクロード・ルルーシュ フランス映画祭を楽しむ三つの視点

「ディリリとパリの時間旅行」 (c) 2018 NORD-OUEST FILMS – STUDIO O – ARTE FRANCE CINEMA – MARS FILMS – WILD BUNCH – MAC GUFF LIGNE – ARTEMIS PRODUCTIONS – SENATOR FILM PRODUKTION

二つ目は「女性の視点がとらえた限界世界」。「愛しのベイビー」は末娘の海外留学を前に子離れできないことに葛藤するシングルマザーを女性監督が描いたドラマ。「カブールのツバメ」はタリバン支配下のアフガニスタンを若いカップルの目から描いたアニメーションです。

団長はクロード・ルルーシュ フランス映画祭を楽しむ三つの視点

「愛しのベイビー」 (c) 2019 – Love is in the Air – Pathe Films – France 2 Cinema – C8 Films – Les Productions Chaocorp – CN8 Productions

最後は「見捨てられた人々の報復と反逆」。開幕作品の「シンク・オア・スイム」のおじさんたちの復活劇はその代表。「社会の片隅で」は閉鎖が決まったホームレスシェルターの入居者を支えようと奮闘する女性たちの物語。「シノニムズ」はフランス国籍の取得を夢見るイスラエル人青年を通して移民たちの現実を描き、今年のベルリン国際映画祭金熊賞を受賞しました。

団長はクロード・ルルーシュ フランス映画祭を楽しむ三つの視点

「シノニムズ」 (c)2018 SBS FILMS – PIE FILMS – KOMPLIZEN FILMS – ARTE FRANCE CINEMA

上映作品の監督・出演者ら約20人のゲストも来日予定。「団長のルルーシュ監督は好奇心旺盛な方。若い監督たちのゴッドファーザーとして一緒に日本に行くのを楽しみにしています」とジョルダーノさん。横浜市立大、東京芸大馬車道校舎、早稲田大学でマスタークラスを開くほか、オスロ監督の小学生対象のアニメーションワークショップも6月22日に東京・飯田橋のアンスティチュ・フランセ東京で開催します。

ミューズが語るフランス映画の楽しみ方

団長はクロード・ルルーシュ フランス映画祭を楽しむ三つの視点

フェスティバルミューズの中谷美紀さん。流暢なフランス語のスピーチに、ピック仏大使(右)も拍手

映画祭の案内役となるフェスティバルミューズは女優の中谷美紀さん。ラインナップ発表会見では滑らかなフランス語を交えて、フランス映画への思いを語りました。

10代の頃からフランス映画が大好きだったと言う中谷さん。ゴダールの「気狂いピエロ」や「勝手にしやがれ」、トリュフォーの「大人は判ってくれない」などのヌーヴェルヴァーグ作品をきっかけに、様々な作品を見ていったと振り返ります。

「若い頃はお休みとあらば映画館に通い、1日に4本くらいはしごして見ていました。フランス映画は私の青春そのもの。当時はフランス映画を見なければかっこ悪いくらいの勢いのブームで、単館系の映画館もたくさんありました。パンフレットを買って監督や俳優の名前を覚えたり、気になる人の別作品を見比べたりするのも楽しかったですね」

「ハリウッド映画ももちろんエンターテインメントとして楽しいのですが、フランス映画の魅力は光と影を大切にとらえたところ。人々の人生をつぶさに見つめ、弱者にも温かいまなざしを注ぐ。時としてピリッとした辛口のジョークが味わえるところもフランス映画のだいご味だなぁと思っています」

団長はクロード・ルルーシュ フランス映画祭を楽しむ三つの視点

フランス映画祭2019のポスター

映画祭の詳細や販売中のチケット情報は公式サイトへ。東京―パリ往復のペア航空券が当たるエールフランス観客賞を今年も実施、作品を鑑賞後は投票をお忘れなく。
上映作品の詳しい内容や劇場公開予定は下のギャラリーをご覧下さい。

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フランス映画祭2019 横浜
主催:ユニフランス
共催:在日フランス大使館、アンスティチュ・フランセ日本、横浜市
特別協賛:日産自動車株式会社

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