料理家・冷水希三子の何食べたい?

コチュジャンのコクがたまらない、ひんやりピビン麺。

料理家・冷水希三子(ひやみず・きみこ)さんが読者と私たち編集部のリクエストに応えて料理を作ってくださるという夢の連載。今回は夏先取り、コチュジャンをたっぷり使った冷たいピビン麺をご紹介します。

    ◇

―― 冷水先生、こんにちは。関東地方は梅雨入りしましたね。ジメジメした日が続いてなんだか元気が出ません……。

冷水 お日様が出ないと、気分も沈みがちですよね。でも、こんな時期だからこそ、おいしいものを食べて元気を出しましょうね。

―― 読者のみなさまからも「梅雨の鬱々(うつうつ)とした気分を吹き飛ばすようなお料理ってないですか~?」というお便りをたくさんいただいています。何かいいレシピはないですか?

冷水 本当は夏の暑い時期にご紹介しようかなと思っていたのですが、ちょっとフライングして、つるっと食べられる冷たい麺を作りましょうか? 食欲がないときでも食べられるような。

―― わ~、それ嬉しいです! でも冷たい麺といっても、和風、イタリアン、中華などいろいろありますよね?

コチュジャンのコクがたまらない、ひんやりピビン麺。

使う野菜はお好みで。今回はきゅうり、セロリ、ミョウガと、夏らしい野菜を使いました。

冷水 そうですね~、何がいいかな? 読者さんから何かリクエストはありますか?

―― 麺には限らないのですが、韓国料理屋さんで大容量のコチュジャンを買ったはいいものの、チゲ鍋以外に使い道がなくて持て余しているというお悩みがありました。

冷水 あはは。それは大変ですね。じゃあそのお悩みも一緒に解決すべく、コチュジャンを使ったピビン麺を作りましょうか。冷たいんですけど、コチュジャンの甘辛が食欲をそそって、元気になれますよ!

―― 韓国料理! パワーが出そうでいいですね。コチュジャン以外に韓国の材料はいらないんですか?

冷水 はい、今回は冷や麦を使いますが、お好みで素麺(そうめん)でも中華麺でも、お宅にある麺で大丈夫です。お野菜も冷蔵庫にあるもの、なんでも入れちゃってください。

―― なんと! とってもフリーダム(笑)。

冷水 まずはコチュジャンの和(あ)えダレを作りましょう。コチュジャンですが、メーカーによって辛みの強いもの、逆に甘みが強いもの、さまざまあると思いますので、お使いのコチュジャンによってレシピを微調整してみてください。今日はちょっと辛みの強いものを使うので、お砂糖で調整していきます。

コチュジャンのコクがたまらない、ひんやりピビン麺。

野菜は千切りに。セロリは繊維に沿って切るとシャキシャキ感が残って、食感にリズムが生まれます。

―― コチュジャンにも色々あるんですね~。好みのものを見つけるのも楽しそうです。

冷水 和えダレはコチュジャンと酢、砂糖、白ごま、ごま油、しょうゆを混ぜるだけだから、とっても簡単です。ポイントは白ゴマを手でひねって、香りを立たせることです。

―― 本当だ、少しひねっただけなのに、いい香りがしてきました。

冷水 ここにしょうがやニンニクのすりおろしを加えると、よりパンチの効いた味になるので、真夏にはいいかもしれませんね。

―― 次は野菜の準備ですね。

冷水 今日はきゅうりとセロリとミョウガを使いますが、大根やもやし、にんじんなんかでもいいですよ。

―― 切り方にはポイントありますか?

コチュジャンのコクがたまらない、ひんやりピビン麺。

コチュジャンの和えダレは調味料を混ぜるだけ。白ゴマを手でひねり、香りを立たせてから加えるのがポイントです。

冷水 これもお好みですが、麺とよく絡むのは千切りですね。どの野菜も同じくらいの細さに切りそろえると口当たりもよくなります。

―― セロリは繊維に沿って切るんですね! メモ、メモ。

冷水 和えダレと野菜の準備ができたら、冷や麦を茹でていきましょう。ここのポイントは大きな鍋にたっぷり湯を沸かしてゆでることです。

―― え、ひとり分でもですか!?

冷水 冷や麦やそうめんには塩が含まれているので、たっぷりの湯に泳がせるようにしてゆでることで、その塩分を取り除くんです。だから麺の量が少なくても、ぜひ大きめの鍋でゆでてください。

―― そうなんですね~、知らないことばかりです(笑)。

コチュジャンのコクがたまらない、ひんやりピビン麺。

和えダレと野菜を入れたボウルに麺を入れて素手でしっかり混ぜます。野菜は少し残しておき、盛り付けた後にトッピングしましょう。

冷水 さあ、麺がゆで上がったので冷やしましょう。まずは流水でぬめりをとって、氷水に入れてキュッと締めます。ここを怠るとコシのない麺になってしまいますからしっかりやりましょうね。

―― 氷をケチることなかれ、ですね!

冷水 さあ、あとは和えダレと野菜を入れたボウルに麺を加えてしっかりと和えていきます。

―― で、出た~! 冷水先生の必殺「素手で混ぜる」!

冷水 そう、素手で混ぜた方がよくなじみますし、手の感触でちゃんと混ざっているかどうかわかりますからね。

―― この技は私もマスターしつつあります!

冷水 しっかりと混ざったら器に盛って、残しておいた野菜をトッピングして完成です。真っ赤な麺が鮮やかでしょう?

―― 雨の日でも元気が出るお料理ですね!

冷水 今日は辛めに仕上げたので、いっそう元気が出ますよ〜(笑)。

―― 本当だ! ピリリとした辛さが後引くおいしさです!

冷水 逆に甘めのコチュジャンを使う場合は、少し粉唐辛子を入れると辛さをプラスできますよ。和えダレは日持ちするので、多めに作ってゆで豚にかけて食べてもおいしいです。

―― ゆでたイカやタコにも合いそうですね。万能コチュジャンダレ、これはこの夏、大活躍しそうです!

今日のレシピ

ピビン麺

■材料

A
・コチュジャン 150g
・酢 大さじ2
・砂糖 大さじ1(コチュジャンの甘さで加減する)
・白ごま 大さじ1
・ごま油 大さじ1と1/2
・しょうゆ 小さじ1

・冷や麦 2~4人分
・きゅうり 1本
・セロリ 10㎝程度
・ミョウガ 2個

作り方

 Aの材料を全て混ぜ合わせる。
 きゅうり、セロリ、ミョウガは千切りにする。
 冷や麦を袋の表示通りに茹で、氷水で締めて水気を切る。麺をボウルに入れ、1のたれを大さじ3程度、2の野菜の半分量を加えて混ぜる。
 よく混ざったら器に盛り、残りの野菜を盛る。食べる時に好みで酢をかけてもおいしい。

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(料理・レシピ 冷水希三子 写真 関めぐみ 文 小林百合子)


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PROFILE

コチュジャンのコクがたまらない、ひんやりピビン麺。

冷水希三子(ひやみず・きみこ) 料理家

料理家・フードコーディネーター。レストランやカフェ勤務を経て独立。季節の食材を使ったやさしい味の料理が評判を呼び、雑誌や広告などで活躍中。器選びや盛り付けに至るまで、その料理の美しさでも注目を集めている。著書に『ONE PLATE OF SEASONS-四季の皿』(アノニマ・スタジオ)、『スープとパン』『さっと煮サラダ』(ともにグラフィック社)など。

PROFILE

  • 小林百合子

    編集者
    1980年兵庫県生まれ。出版社勤務を経て独立。山岳や自然、動物、旅などにまつわる雑誌、書籍の編集を多く手がける。女性クリエイター8人から成る山登りと本づくりユニット〈ホシガラス山岳会〉発起人。著書に『最高の山ごはん』(パイ・インターナショナル)、『いきもの人生相談室』(山と溪谷社)、野川かさねとの共著に『山と山小屋』(平凡社)など。

  • 関めぐみ(写真)

    写真家。アメリカ、ワシントンDC生まれ。スポーツ誌、カルチャー誌、女性誌などで活躍。また、広告やカタログ、CDジャケット、俳優の写真集なども担当。書籍に『8月の写真館』『JAIPUR』など。

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