リノベーション・スタイル

実現できる? 50平米のコンパクトな家で家族それぞれのマイスペース

【塩梅】
Hさん一家(夫50代、妻50代、長女10代)
東京都品川区/築26年/総工費1240万円

お子さんが成長して、今住んでいる家が狭くて暮らしにくいなと感じている方は多いと思います。別の場所に引っ越しをするか、リノベーションして住み続けるのか、Hさんもご家族も迷われていました。いろいろな可能性を話し合った末、「ここで暮らそう!」と納得され、フルリノベーションをすることになりました。

ポイントは、50平米のコンパクトなマンションをいかに広く快適な空間にし暮らすか、です。ただし、ご家族の希望は「家族それぞれのスペースが欲しい」とのこと。コンパクトな家とは、対極にある希望です。私たちも「パブリックな場所を充実させると暮らしやすくなりますよ」と、アドバイスをしました。

実現できる? 50平米のコンパクトな家で家族それぞれのマイスペース

フルリノベーション後の間取り

何度かやりとりをしていると、それぞれが自立した家族だという印象を受けました。自分の考えを持ち、きちんと話し合い、お父さんが意見を集約する。だからこその「広々と暮らすよりも、マイスペースがある家」。日頃の家族の行動を踏まえての希望だったのです。

今回はフルリノベーションなので、元の間取りは白紙にして、一から考えていきました。その中でも、特徴的なのが寝室の使い方です。玄関を入ってすぐのところに寝室があるのですが、昼間は娘さんのスペースになるようにしました。

実現できる? 50平米のコンパクトな家で家族それぞれのマイスペース

和室の障子を閉めた様子

昔の家は玄関を入ってすぐ階段があって、子どもは2階の個室に行けました。ドラえもんののび太の家が、まさにそうです。でも、コンパクトな家では、そんな娘さんの個室は難しい。リビングの一角に娘さんの専用スペースを作ったのですが、これでは友達が遊びに来ておしゃべりをしたくてもできません。

そこで、夜は両親の寝室になるスペースを、昼間はオープンにして、娘さんの友達が来たときに使えるようにしたのです。小上がりになっているので、ちょっと腰かけておしゃべりをすることも可能。リビングから離れているので、子ども同士の話を大人に聞かれることはありません。

実現できる? 50平米のコンパクトな家で家族それぞれのマイスペース

和室の障子を開けると、玄関とひと続きの空間に

コンパクトな家だからこそ、部屋を兼用してマイスペースを作りました。親の部屋だと友達に気がつかれないように、ものは外に出しません。親の部屋だとわかったら、おしゃべりもはずまないですよね。Hさんから本棚を置きたいと希望がありましたが、理由をお話しして別の場所にしてもらいました。

一方で、娘さん専用スペースはリビングの一角に。夜は両親が寝室に移動するので、娘さんは個室の雰囲気を味わえるのです。

コンパクトな家で、「マイスペース」を普通に作ろうとすると、部屋がますます狭くなってしまいます。そこで、部屋の使い方を時間軸で切り替えることにしたのです。狭くならずに、マイスペースを実現しました。

実現できる? 50平米のコンパクトな家で家族それぞれのマイスペース

窓側から玄関方面を見る。壁をはさんで右手がLDK、左手が子ども部屋

Hさんご一家にきく
リノベーションQ&A

Q1.リノベーションをして生活が変わりましたか?
A.
キッチンが広くなったので、家族でごはんを作るようになりました。リノベーションする前は、成長した娘と一緒に料理をするのは狭いなと思っていました。今では、料理をしている時間が大好きになりました(奥様)。

Q2.リノベーションで大変だったことは?
A.
リノベーションをしている間は住めないので、引っ越したのですが、それが大変でした。まず、なかなか条件に合う物件が見つかりませんでした。一軒家がやっと見つかりましたが、今度は引っ越しのために荷物を減らすのにひと苦労。こちらに戻ってくるときも、さらに減らしました。

でも、収納をたくさん作っていただいたので、思った以上にものが入りました。リノベーション前は床にものを積んでいたこともあったけど、それがなくなりました。収納力があって、暮らしやすくなりました(奥様)。

Q3.楽しかったことはありますか?
A.
全て楽しかった! 家族に家の構造を説明するために、模型まで作ってしまいました。ブルースタジオの方と打ち合わせのあと、その提案を家族で相談し、新しいアイデアを出したりして、いっしょに家作りをしている感じがよかったですね(Hさん)。

実現できる? 50平米のコンパクトな家で家族それぞれのマイスペース

Hさんお手製の模型とイラスト

(構成・文 大橋史子)

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PROFILE

石井健

「ブルースタジオ」執行役員
1969年、福岡県生まれ。「ブルースタジオ」執行役員。日本のリノベーション・シーンの創世期から600件以上を手がけてきた。「カンブリア宮殿」(テレビ東京系)でも「古い物件の家賃を倍にする不動産集団!」として紹介される。「郷さくら美術館」(東京・中目黒)で2012年度グッドデザイン賞受賞。また「賃貸アパート改修さくらアパートメント」(東京・経堂)で2014年度グッドデザイン賞受賞。 著書に『リノベーション物件に住もう』(共同編集/ブルースタジオ)、『MUJI 家について話そう』(部分監修)、『リノベーションでかなえる、自分らしい暮らしとインテリア LIFE in TOKYO』(監修)。
ブルースタジオへのリノベーションのご相談は、隔月開催のセミナーや、個別相談で承っています。

後回しだったスペースがドラマチックな非日常空間に

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好きで集めたものを眺める、アーリーリタイアの暮らし

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